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2010年4月29日木曜日

中尊寺僧侶淫行事件から考える、宗教者のエロ事件

 4月14日、岩手県の名刹・中尊寺の僧侶が、女子高生に「みだらな行為」をしたとして逮捕されました。なんとなく、エロ事件を起こす宗教者と言えば仏教者、というイメージが強いですが、実際のところどうなのでしょう。検証してみました。

 まずは中尊寺エロ僧侶事件の確認です。新聞の中で最も下品な見出しを立てたサンケイスポーツより。

【SANSPO.com 2010年04月15日】女子高生とH、中尊寺のエロ僧侶逮捕

 岩手県警盛岡東署は14日、女子高生(16)にみだらな行為をしたとして、同県平泉町の僧侶(31)を、岩手県青少年環境浄化条例違反の疑いで逮捕した。女子高生は「合意のうえ」としているが、僧侶には妻がいた。つまり不倫。同署によると、男は世界文化遺産の登録を目指している中尊寺の僧侶で、こちらも「合意のうえ」と容疑を認めているという。“性界遺産”はさすがにシャレにならない。

 女子高生との不倫。しかも、男が世界文化遺産登録を目指す東日本を代表する名刹の僧侶ときては、タダごとではない。事実、海外メディア、香港紙の新浪網などが事件の一報を伝えた。

 岩手県青少年環境浄化条例違反の疑いで、盛岡東署に逮捕されたのは中尊寺の僧侶、佐々木律秀(ささき・りっしゅう)容疑者。逮捕容疑は3月25日午前11時ごろ、盛岡市内のホテルで同市内に住む2年の女子高生が18歳未満と知りながら、みだらな行為をした疑い。

 同署によると、佐々木容疑者と女子高生は、携帯電話のゲームのキャラクター情報を交換する「掲示板サイト」で知り合い、何度かやりとりするうちに会うようになった。その後、深い仲になり、事件発覚時までに複数回関係をもったという。女子高生が佐々木容疑者との関係を家族に話し、3月下旬になって家族とともに同署へ相談にきたことから事件が発覚した。

(略)

 僧侶のエロ事件というだけではなく、女子高生相手の不倫というところが、スポーツ紙的には嬉しかったのでしょう。「女子高生とH」「エロ僧侶」「性界遺産」といった表現には、メディアとしての品性のかけらも感じられません

■やっぱり坊主はエロいのか?

 では、同じくメディアとしての品性のかけらもない「やや日刊カルト新聞」が、品性のかけらもない宗教者たちの過去のエロ事件を調べてみました。調査方法は、共同通信と地方紙27紙の記事データベースからの検索です。検索ワードは、「逮捕 and わいせつ and 住職」のうち「わいせつ」を「強姦」にしてみたり、「住職」を「僧侶」とか「牧師」とか「神主」にしてみるといった形で、ひととおりの組み合わせを試してみました。

 その検索結果から重複記事を排除して、事件の一覧を作ると、以下のようになります。逮捕者を出した事件数で言えば、仏教関係者の事件数がキリスト教や神道を圧倒しています。「坊主はエロい(しかもロリコン)」というイメージを、みごとに裏付けるかのようにも見える結果です。

配信元記事日付見出し都道府県容疑宗教備考
四国新聞社2010.04.15中尊寺の僧侶を逮捕 女子高生にわいせつ容疑岩手県岩手県青少年環境浄化条例違反仏教 
茨城新聞2010.01.29牧師が女性信者乱暴 つくば中央署容疑で逮捕 教団施設を家宅捜索茨城県準強姦キリスト教 
共同通信2009.04.28わいせつ容疑で男逮捕 「悪霊ついている」とうそ熊本県準強制わいせつ神道※自称
共同通信2009.02.05信者に強制わいせつ容疑 約70回、教会の神父逮捕大阪府強制わいせつキリスト教※不起訴
共同通信2007.04.24わいせつ行為で僧侶を逮捕秋田県秋田県青少年健全育成条例違反仏教 
共同通信2007.03.23児童買春で僧侶逮捕東京都児童買春・ポルノ禁止法違反仏教 
共同通信2007.02.08除霊と称し少女に暴行 北海道警が僧侶逮捕北海道強姦仏教 
共同通信2006.10.18「霊を見る」と体触る 鳥取市の住職逮捕鳥取県準強制わいせつ仏教 
共同通信2006.06.06「おはらい」と女性触る 長崎県警、65歳住職逮捕長崎県準強制わいせつ仏教 
共同通信2006.04.2776歳僧侶をわいせつで逮捕石川県強制わいせつ仏教 
共同通信2006.04.11女児触った僧侶逮捕奈良県強制わいせつ仏教 
共同通信2006.03.10児童買春で住職兼園長逮捕 「欲望に負けた」と供述東京都児童買春・ポルノ禁止法違反仏教 
共同通信2005.12.06性病治療と女子高生暴行 元教育委員長の僧侶ら逮捕秋田県強姦仏教 
共同通信2005.09.27強姦容疑で41歳住職を逮捕 携帯電話で女性脅し乱暴京都府強姦仏教 
共同通信2005.09.26「除霊する」と体触る 奈良、道場経営の僧侶逮捕奈良県準強制わいせつ仏教 
共同通信2005.09.01女子高生買春の僧侶逮捕山口県児童買春・ポルノ禁止法違反仏教 
京都新聞2005.04.13聖神中央教会事件 暴行、認めぬ母も 「祝福」「導き」と認識 京都 府警 内偵段階の障害に京都府暴行キリスト教 
北國新聞2004.11.25「ハニベ」院主再逮捕 小松署 別の女性にもわいせつ石川県準強制わいせつ仏教 
共同通信2004.09.27少女買春で住職を逮捕 15歳高校生と愛人契約東京都児童買春禁止法違反仏教 
共同通信2004.09.21僧侶が女子高校生を買春長野県児童買春禁止法違反仏教 
沖縄タイムス2002.09.27児童買春で埼玉の僧侶逮捕埼玉県児童買春禁止法違反仏教 
共同通信2001.09.20中3女子買春で神主を逮捕埼玉県児童買春禁止法違反神道 
愛媛新聞2000.06.02東予市・わいせつ略取事件 男性死亡、殺人と断定 容疑の神職再逮捕へ愛媛県わいせつ略取・殺人神道 
高知新聞1999.04.01女性の胸触りバッグ盗む 徳島の僧りょ逮捕 高知署高知県強制わいせつと窃盗仏教 
沖縄タイムス1997.11.12わいせつの僧りょ逮捕群馬県青少年保護育成条例違反仏教 
静岡新聞1991.03.09静岡市の神主を窃盗とわいせつ行為で逮捕静岡県窃盗、準強制わいせつ神道 

■キリスト者もけっこうエロいですよ

 ただし、本当に仏教者ばかりがエロいと結論づけてしまうのは拙速です。上記の各事件を少し細かく見てみましょう。

 仏教者による事件19件のうち、宗教施設内で、あるいは宗教上の理由をつけて犯行に及んだとされるケースは、ほんの数件。大半は、ホテルなど宗教施設外で行為に及ぶパターンです。今回逮捕された中尊寺の僧侶も同様です。エロ坊主はアウトドア派なのです。

 一方、キリスト者による事件は、不起訴も含めて3件しかありませんが、その全てが宗教施設内で宗教的な意味づけを与えられての行為でした。

 国外での事件なので表に含めていませんが、教祖が強姦容疑で逮捕され韓国で収監されている「摂理」も、同様です(教祖・鄭明析をキリスト者と呼んでいいのかどうかわかりませんが)。また、カトリック聖職者による性虐待が世界的に問題視されており、イギリスでは現職ローマ法王を「人道に対する罪」で逮捕せよと求める運動も起こっているようです。刑事事件化していないものも含めれば、日本国内でもキリスト教会(カトリックに限らず)におけるセクハラ問題は、いくつか聞きます。

 状況的には、キリスト教においては宗教施設内における被害が目立つ上に、宗教的な意味づけが行われていたり、組織的隠ぺいの疑いが強いものが目立ちます。つまり、エロキリスト者はインドア派なのです(内弁慶とも言う)。

 宗教施設内において、宗教上の指導者から、宗教的な理由をつけて性的被害を受ける被害者は、「信仰」によって束縛され、被害を表沙汰にしにくい状態になります。実際、上記の表にもある「聖神中央教会事件」では、問題が表面化しないまま、被害が長期間にわたっていました。キリスト者によるエロ事件が少なく見えるのは、決して事件そのものが少ないからではなく、刑事事件として表面化するケースが少ないだけなのではないかと思われます。

 もちろん、表面化していない事件が仏教者による事件より多いか少ないかは想像もつきません。

■宗教の閉鎖性と開放性

 神道については、キリスト教のように実状を推測できる情報を持ち合わせていないので、さっぱりわかりません。ただ、過去の新聞記事をチェックしていて気付いた点があります。

 「宮司」や「神主」というキーワードで、逮捕者が出たエロ事件を検索しても、ほとんどヒットがありません。しかし「神社」をキーワードにすると、かなり出てきます。神職による事件ではありません。「神社の境内で遊んでいた小学4年生の女児」にわいせつなことをした人が逮捕されたとか、「路上で女児二人に道を尋ねるふりをして声をかけ、うち一人を近くの神社境内に誘い込んで体を触るなどわいせつな行為をした」といった、神社の部外者による事件で「神社」がやたらと登場します。

 「寺」というワードではクリアな検索ができないので試していませんが、「誰でも自由に入ることができる人気のない場所」であるがゆえに神社が犯行場所にされるわけですから、寺においても、神社ほど多くはないにせよ似たケースはありそうです。しかし「教会」については、性的な被害を受けた女性が、自らが通っている教会に被害を相談したことがきっかけて被害が表沙汰になったという記事がヒットするくらいで、部外者が教会を性犯罪の犯行場所にしたというケースは見当たりませんでした。

 キリスト教の教会が、一般の人にとって実質的に「誰でも自由に入れる場所」ではないことから、当然と言えば当然でしょう。

 さて、前述の「外エロ坊主」と「内エロ牧師・神父」という傾向と、「部外者は神社で犯行をしても教会では犯行をしない」という傾向を合わせて考えると、仏教と神道という日本の宗教は社会に対して開放的であり、キリスト教は閉鎖的であると言えます。そんなことはいまさら言わなくても自明ですが、「エロ事件」という切り口からもそれが再確認できます。

■カルト的なのはキリスト教型エロ事件

 以上を踏まえると、性犯罪において「カルト問題」的な意味で注意したくなるのはキリスト教です。

 エロ坊主の場合、彼らが起こす事件そのものは悪質であり反社会的ですが、事件の内容は「カルト問題」的ではありません。宗教を用いた心理的・組織的な手段による犯罪ではないからです。どちらかというと、エロ坊主事件は、「エロ教師」「エロ警官」「エロ政治家」など、高い倫理性を求められる立場にいるはずの人間が……といったタイプの事件に含まれるものでしょう。

 一方、キリスト教については、前述の通り、宗教施設内における宗教的な意味づけ(あるいは上下関係)の下での犯行が多いことが推測されます。宗教を用いた心理的・組織的な手段という要素は、キリスト者によるエロ事件の方が強いように思えます。

 言うまでもありませんが、以上は飽くまでも「エロ事件」に関しての話に過ぎません。「神道」「仏教」「キリスト教」などという大雑把なくくりでの一般論として、どの宗教がエロいかとか、どの宗教がカルト的かという議論はできません。というか、本来的には3宗教ともエロくないと思います。本来的にエロいのはザインとラエリアン・ムーブメントとリトル・ペブル(あっ、キリスト教系?)です。

8 件のコメント:

  1. 同宿会ウオッチャーの1人2010年4月29日 13:59

    リトル・ペブル……

    インターネットを駆使する日本のグループはアメリカの低俗系
    メディアに名前が売れた事を喜んでいるようです。

    彼らの将来はどうなる事やら……?

    近所の皆さんの苦労が気がかりです。

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  2. 坊主の事件が多いのはキリスト教と比較して単に数が多いからじゃないですかねぇ。まあ、いいけど。
    今回の記事は本当に品性が無かったですね。

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  3. 趣味っぽくて良い記事

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  4. 日本にキリスト教徒は1%くらいしかいないので、牧師・神父の犯罪が少ないのは当然。
    人数で割った割合を調べないと無意味。

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  5. そもそも妻帯を許す日本の仏教自体がおかしいですからね。
    坊主が平気で婚活とやらをする。
    妻帯・肉食をしなかった橋本凝胤師や宮崎奕保師のような本物の僧侶はもういないんでしょうか?

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  6. 「合意のうえ」での単なる婚外性交で逮捕までする条例がまかり通るのも「キリスト教型エロ事件」の総本山たるカルトの影響だと思いますけど。

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  7. 民事での裁判になったものなら、キリスト教界にもけっこうあります。
    セクハラとか、性に関係する検索ワードを増やしていただきたい。

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  8. 三重県の美杉という山奥の 神主
    女性に キツネが憑いていると、ミソギをさせて、わいせつ行為が得意。気を付けよね

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