2018年10月12日金曜日

【社説】幸福の科学と決別した教祖長男を応援しよう

宏洋氏のYouTubeより
幸福の科学の地球至高神・大川隆法総裁の長男・宏洋氏が、YouTube上で「大川総裁を神だと思ったことは一度もない」などとぶっちゃけ、芸能人霊言について教団や大川総裁を批判。教団側も反論の声明やYouTube動画を公表し、宏洋氏が新たな動画でそれに反論している。YouTube上で教祖一族と教団幹部が罵り合う光景は極めて異例。ネット上では「炎上」状態だ。

ちょっとしたお祭り騒ぎとなっているが、宏洋氏の言葉からは「カルト2世」の過酷な境遇や社会復帰の困難さが垣間見える。芸能活動を希望する宏洋氏の社会復帰を応援したい。



■前代未聞のYouTube合戦

宏洋氏は1989年に、大川隆法総裁とかつての妻・きょう子氏の長男として生まれた。大学在学中の2009年に教団のアニメ映画『仏陀再誕』の脚本を手がけて以降、教団の映画制作に関わってきた。学校法人幸福の科学学園の副理事長も歴任したが、一時、教団施設の建設を請け負っていた清水建設に出向。その後復帰し、2016年には教団の芸能プロ会社であるニュースター・プロダクションの社長に就き、映画『君のまなざし』で主演。2018年公開の大川総裁の自伝映画『さらば青春、されど青春。』では、若き日の大川総裁にあたる主人公を演じた。

しかし『さらば青春、されど青春。』の公開を控えた2017年末にニュースター・プロダクション社長を辞任。教団職員を辞任することをSNSで明かした。

その宏洋氏が「YouTuberデビュー」を果たしたのが今年8月23日。「宏洋です。youtube始めました!」の中で、大川総裁と「考え方が違う」として、教団を離れ独立して個人事務所「宏洋企画室」を設立したと表明。父・大川総裁について「世の中の皆様へご迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳ありません」として頭を下げた。



この時点では、宏洋企画室の登記情報にある宏洋氏の自宅住所は東京・白金にある幸福の科学の施設にあった。もともと大川総裁の個人所有の家で、2010年から大川総裁との間で離婚騒動に発展した元妻・きょう子氏が当時住んでいた一戸建てだ。離婚騒動の最中に、大川総裁が教団に所有権を移転した。

しかし10月初頭、宏洋氏はインスタグラムで「引っ越しました」として、小さなマンションの一室らしき室内の映像を公開。また10月1日にYouTubeで「宏洋の人生ゼンツッパ!! ※炎上注意!!※宏洋は幸福の科学と決別したのか?!」を公開。すでに教団の職員ではなく幸福の科学と一切関係ないと改めて表明した。



この動画の中で宏洋氏は、「大川隆法総裁を信仰してませんし、彼のことを神だと思ったことは一度もありません」といい切った。教団を辞めた経緯については、「教義の内容に賛同できない」「生まれたときから教育されて、それが当たり前だと教え込まれて生きていたが、生きていくうちに私の個人の考えと一致しない部分がいっぱいでてきた」とした。関連して最大の理由として「(幸福の科学では)総裁と同じことを考えなきゃいけない」点を挙げ、「(映画制作には)魂が反応してやったが、宗教の役職を与えられたがそこにロマンを感じなかった」「エンターテイメントが本当にやりたいこと。そうなると幸福の科学や大川隆法の息子というのはマイナスになる」として、大川姓を除いた「宏洋」を芸名として用いるとした。

また宏洋氏は、2017年2月の女優・清水富美加の「出家騒動」が教団と絶縁する直接のきっかけだとも語っている。公開予定の映画や出演TV番組を残し事務所との契約期間が残った状態での清水の芸能界引退について、宏洋氏は反対したものの大川総裁は聞き入れなかったとして、清水本人と清水を煽った大川総裁を批判した。宏洋氏によると、以降、ニュースター・プロダクションの社長をクビにされ、出演予定だった演劇の舞台からも降板させられたという。

また、2017年8月に大川総裁が女優・新木優子の霊言を降ろして、新木が幸福の科学信者であることを暴露した件についても批判。「本人がいないところで信者だというのを勝手に言った」「アレはアウト」「プライバシーの侵害」として大川総裁を批判。新木に教団映画への出演を依頼し交渉が難航していたことから、大川総裁が霊言「思い切ってやった」のだと、内情を暴露した。

関連記事:【暴挙!】新木優子は“20数年来の信者”幸福の科学・大川総裁が霊言で暴露

また女優・北川景子がDAIGOと結婚した際に大川総裁が発表した霊言についても、「あれこそ名誉毀損」と批判した。DAIGOの霊言の中で、大川総裁が降ろしたDAIGOの霊と称するものは北川景子について「アンジェリーナ・ジョリーの乳房を、うちの嫁に移してほしい」「韓国に行って豊胸手術をしてきていただきたい」「綾瀬はるかくらいありゃあ、そりゃ言うことないでしょ」「北川の顔に綾瀬はるかのあれが付けばねえ」(大川隆法著『緊急メッセージ DAIGO守護霊の告白』より)などと、下衆な発言を繰り返していた。

こうした宏洋氏による批判に対して、教団側は10月5日、公式サイトに「「大川宏洋氏のYouTube動画」についての幸福の科学グループ見解」を掲載。教団職員を退職している、大川総裁を神だと思ったことは一度もないという宏洋氏の主張を「虚偽」だと断じ、〈大川隆法総裁並びに教団から受けてきた様々な恩義が判っておらず〉〈芸能・映画事業を任されたことでオーナー気分に浸る一方で、肝心の信仰心は入会信者レベルの自覚もない〉〈一種の炎上商法なのでしょうが、この手法は当グループには通じません〉などとなじった。

同日、ニュースター・プロダクションも公式サイトに「弊社前代表取締役兼タレント・大川宏洋氏の動画配信映像について」とする声明文を掲載。ここでは、同社から発行されていた宏洋氏関連の〈書籍『大川宏洋 ニュースター・プロダクション社長の守護霊メッセージ』、及びCD「Revolution!!」の2作品につきましては絶版〉としている。また10月6日には、教団幹部の里村英一氏による動画「「大川宏洋氏のYouTube動画」についての幸福の科学グループ見解」をYouTubeで公開し、宏洋氏を非難した。

これに対して宏洋氏は10月7日、再びYouTubeで教団批判の動画「【炎上確定!!】幸福の科学の公式見解に対する宏洋の公式見解 宏洋の人生ゼンツッパ!!」を公開した。教団の公式見解を否定し、改めて自分は教団職員ではないと表明した。「(大川)総裁もね、結婚するまで32歳まで童貞だったような人ですから、人の感情の駆け引きみたいなのがわからないんでしょうね」とバッサリ。



教祖であり地球至高神である大川総裁の長男と教団が、YouTubeを通じて完全公開の罵り合いを行なう展開となった。ネット上でも当然、話題となり、宏洋氏の動画は10月1日公開のものが再生数約37万回、10月7日公開のものが約15万回。動画に対する評価は9割程度が好意的だ。一方で教団側の動画の再生回数はたったの約3万6000回で、否定的な評価が上回っている。

■教祖2世という不自由な境遇

一連の動画の中で宏洋氏は、自分はもともと幸福の科学の信者ではなかったと告白している。入信の儀式である「三帰誓願」を行っていないことがその理由で、4人の弟妹たちも同様だと暴露した。これに対して教団は、大川総裁の子供たちは全員が会員番号を持っているなどとして「虚偽」と切り捨てている。

幸福の科学の「入信」の仕組みを踏まえた形式論で言えば、教団の言い分のほうが筋が通っている。幸福の科学では、「入会」することによって信者になることができる。三帰誓願を行っていない会員でも会員番号をもらい信者でいることはできるので、三帰誓願を行っていないから信者ではないという理屈には無理がある。

しかしこうした形式論は別として、重要なのは宏洋氏の主観だ。宗教は信仰あってのもの。形式的には信者であったとしても、本人に信仰がなかったのなら、本人の自覚としてはやはり信者とはいい難いだろう。

教団側は、過去の宏洋氏が教団内で信者に向けて信仰があるかのような態度で説法をしていたことを指摘し、信仰していなかったという宏洋氏の言い分についても「虚偽」だと断じている。宏洋氏はこれについては「仕事としてそういうことをやったということ」と語っている。だとすると宏洋氏は信仰を持っていないのに教団職員となり肩書を与えられて、父親の宗教活動に協力する立場に置かれていたことになる。

宏洋氏が教団の教義について「総裁と考えを同じことを考えなきゃいけない」「総裁が『清水富美加が世界で一番カワイイ』と言ったとします。これを言ったら、それを同じように思わないといけないんですよ」などと語っている点も、教典などでそういった教義は記されていないという形式的な意味では、「そのような教義はない」とする教団の主張が正しいとも言える。しかし宏洋氏は、清水富美加の出家をめぐって大川総裁に異を唱えたことがきっかけで追放されたと語っている。教祖に従わないことによって地位を奪われる教団なのだという事実を示している。幸福の科学において地球至高神とされる大川総裁の考えに逆らうことが許されないのだという宏洋氏の指摘が正しいのであれば、形式上の教義にはなくとも、広い意味での教義としては存在していると言えなくもない。

いずれにせよ、宏洋氏が教団の中で教祖に翻弄されてきた半生が語られていることに違いはないだろう。教祖の長男として育ち教団で役職を担いはしたものの、父親が指導する宗教によって考え方や行動を限定されることは、彼が望む人生ではなかったのだ。

生まれてから約30年、成人後約10年。自分の意思によって人生を選び取ることができずに来た。宏洋氏の動画には、そんな「教祖2世」の苦悩や、今後は自由に生きていきたいという決意を見ることができる。

■「カルト2世」の自立に向けて

宏洋氏は一連の動画で「ゴタゴタに巻き込まれたくない」として、教団に対する批判活動については否定的だ。むしろ「不毛」「無駄」という言葉で切り捨てている。信仰がないのに仕事だから信仰があるかのような態度で説法をしていたのだという宏洋氏の言い分は、捉えようによっては信者を騙していたということにもなる。

こうした点には、教団を批判する人や教団に関わって後悔している元信者などにしてみれば、複雑な心境かもしれない。教団幹部として信者を煽る側だった宏洋氏が教団の問題点や自分が加担した事実から背を向けるかのようにも見える態度は、批判されても仕方がない面もある。

宏洋氏が本格的に教団の内情を暴露し問題性を指摘するなどしてくれれば、被害救済や今後の被害予防に役立つ。そこに期待したくなる気持ちもわかる。しかし宏洋氏自身が望まないのに彼に教団批判活動を期待するのは、それもまた「カルト2世」によけいなものを背負わせることになりかねない。宏洋氏の人生は宏洋氏のものであり、教祖や教団の道具ではない。同様に、教団批判のための道具でもない。

カルト2世の人権という観点で考えたとき、必要なのは教団の問題について彼に「責任」を背負わせることではなく、彼自身が望む人生を歩めるよう応援することなのではないか。

宏洋氏は、大川総裁の息子であることが芸能活動上のマイナスになるとして、公の場では大川を名乗らず「宏洋」のみの表記にしたとしている。一般信者・元信者である2世のケースだが、私は取材の中で、幸福の科学学園の卒業生が履歴書に書かれた学歴ゆえに大学内やアルバイトの面接、就職活動の際に、差別や不快な言動をぶつけられる経験をしている例も複数、耳にしている。彼らはいずれも、社会からネガティブに扱われる属性を背負わされてしまっている。

これは宏洋氏も含め信者や元信者たちの責任ではない。彼らの属性を気にして扱いを変えてしまう、我々社会の側の問題だ。そんな社会であってはならない。我々がすべきことは、カルト2世に過度な責任を背負わせることではなく、生まれ育ちを理由に不利益を被ることのない社会にするという我々の責任を果たすことではないだろうか。

いまのところ宏洋氏が語っているのは、幸福の科学とも宗教とも関係がない、芸能や映画製作といった活動だ。彼がその望みを叶えても、社会に対して何の迷惑もかけないだろう。

幸福の科学から悪魔扱いされている私だが、悪魔なりにできる限り宏洋氏を応援していきたい。幸福の科学批判者、カルト問題に取り組む人たち、ネット上でこの騒ぎを眺める人々、そして芸能関係者やメディア。あらゆる方面から、宏洋氏の自立を後押しする動きや支援の声が起こることを願う。そして、教祖2世だけではなく一般信者の家庭に生まれた2世たちの苦悩にも、目を向けてほしい。

14 コメント:

邪悪な黒きやすK さんのコメント...

菅野さん&籠池夫妻同様、宏洋氏もいっそカルト新聞の傘下に入って、幸福の科学&幸福実現党が吹っ飛ぶような爆弾落としてくれないかな?…と、思っている人、きっと沢山いますよね?

匿名 さんのコメント...

まず100%不可能でしょうが、

藤倉氏、大川宏洋氏、大川きょう子氏の対談を東京ドームで・・・。

ついでに、法の華三法行の現福永法源氏、新福永法源(二代目)も交えて・・・。

オウム真理教関係者も飛び入り参加。

ま、無理でしょうなあ・・・。

実現したら全世界規模のニュースになりそうです。

匿名 さんのコメント...

人間の本性なのか「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」で、個人を過不足なく評価するのは至難の業だというのをTwitterなどで痛感させられます。

匿名 さんのコメント...

前の記事の2コメで社説リクエストした者です。待ってました。社説。

宏洋さんが役者として大成するかは分かりませんが、動画やツイッターから他者の作品をリスペクトする気持ちは伝わってくるので、裏方の仕事をしていっても幸せになれるのではと思いました。
ただ、ある意味不幸かもしれないのが、教団批判の動画が面白すぎること。これだけは他のユーチューバーだって真似できない。映画批評の動画と比べても桁違いの視聴数。教団が珍反論して宣伝してくれるオマケつき。
二世芸人や幸福アンチ芸人みたいになってもそれは面白いでしょう。次また反論動画出して母ちゃんと一緒に出てきたら腹筋崩壊する自信があります。でも、個人的には過去と決別して一般人として夢を追ってほしいですね。

Secret Agents さんのコメント...

> 教団の講師器生命を否定し

誤字発見。「公式声明」ですね。

匿名 さんのコメント...

宏洋の成功を祈ってエル・カンターレファイト!

匿名 さんのコメント...

宏洋さんの動画、40万再生行きましたね。
動画のコメント欄やツイッター等では、毒親家庭で育った人(カルト2世含む)からの共感コメントと、「教祖vs教祖の息子の喧嘩」という見世物を楽しむようなコメントが見られますが、宏洋さんの心に響くのは前者でしょうね。

藤倉さんはふざけた宗教オタクみたいな時もありながら、二世がらみの問題だと襟を正して被害者に寄り添う姿勢を示すのが好感が持てます。宏洋さん、この記事読んでるかな。ツイッターでいいねとかすると信者に無駄に攻撃されるでしょうから、読んでも反応はしないでほしいですが。

宏洋さんが真に幸福な人生を送られますように。

匿名 さんのコメント...

どうかな・・宏洋さんだって今まで教団のなかで持ち上げられて美味しい思いしてきているはずですよ。
演技も歌も大根でヘタクソだったけれど、息子ということで持ち上げられて、様づけされてたでしょ。
決別したって、もともと本人に何も魅力ないじゃん。やっぱり幸福の科学絡みの人生を自分で発信してるし。
どっちにしろ大成しなそう。
そりゃ信者は冷ややかになるわ。一般人だって極一部ですよ注目する人なんて。大半は幸福の科学なんて興味ないっちゅうの。

匿名 さんのコメント...

大川興業に入って、大川総裁の弟子になればよい。

匿名 さんのコメント...

本人の希望を無視して教団の内情暴露を強要する事はそれこそカルト的になってしまいますもんね。
外野の人間としてはこれに嵌らないように彼を後押しする事くらいしか出来ない様な気がします。

機会があれば、現在公開中の『宇宙の法―黎明編―』のレビューをお願いします。
あの映画って予備知識無くても理解できるんですか?

匿名 さんのコメント...

カルト新聞を見ているみたいな気分になりました↓

https://www.youtube.com/watch?v=X-34Dz6TCKg

もう、完全にアンチになった感がある大川隆法総裁の長男さん。

大丈夫なんでしょうか、この教団。

頑張ろう日本全国行動委員会 さんのコメント...

我々は何もできないかもしれないが彼を心の底から応援してあげようよ。
レッテルによる差別行為が無くなればいいが、現実はそういうレッテルが先行している。
芸能の道へと進んでいるのなら公演を見に行くのも励みにはなるだろう。

ただ彼は外部との接触が多くて教団に疑問を持つのが早かった気がするんです。
教団はストーカー行為を行い、去年は拉致行為を行うなど、やっぱり尋常ではないと一般人は思うでしょう。

政治団体もそうなんですが、やっぱり組織というのはワンマンだといづれは堕ちるもんなんですね。
人の意見に耳を傾けて活動することが重要だな。それが会社ではなく宗教法人になっただけで結構目の当たりにすることは誰にでもある。

エキストラとかでも協力したい気分です。

匿名 さんのコメント...

今、新聞協会が毎年恒例の「新聞週間」や「新聞大会」で「新聞は公共財」キャンペーンを展開してるのに便乗して、カルト新聞も「NIE」(教育に新聞を)ならぬ、「CNIE」(教育にカルト新聞を)キャンペーンを展開してみては如何でしょう?

匿名 さんのコメント...

やっぱり、拉致監禁等してたんですね、ストーカーとかも、この犯罪宗教団体は長男は早く目覚めて正解です。あとは長男さんに正直にこの団体に繋がる犯罪組織を挙げてもらいましょう、出版のFやら実現のMやらなんら犯罪者と言っても過言ではない奴等が多く存在してますからね、この前…台湾で問題を起こしたのもそうです。また問題なのは…それらを取り扱わない…メディアもそうですね…こいつらはねぶといです。社会を腐らせる前にオウムのような事になる前に淘汰する必要があります。皆さん知ってますか?この幸福の関連の施設は各地にありますけど何処も公共機関の関連の施設の近くに有ることをそして、犯罪組織を内包してる事を