コミケで人気のニュース誌『Bansweek』キンドル化に成功

キンドル化された最新号

やや日刊カルト新聞社は12日、同社が発行する雑誌『Bansweek（バンズウィーク日本版）』のキンドル化に成功したと発表した。同誌のキンドル化は2年ぶり2度目。キンドルで発刊済みの創刊号に加えて、過去の第2～4号を1冊にまとめた「合併号」と最新刊の第5号が新たにキンドル化され、既刊の同誌が全て電子書籍化された。

『Bansweek』は、幸福の科学によるクレームによって同社・藤倉善郎総裁を含め幸福の科学に批判的な人々のTwitterアカウントが凍結やロックをされたことを契機に創刊された、カルトと表現の自由を扱うニュース誌。2017年12月の創刊以来、年2回、夏と冬のコミックマーケットで紙の雑誌として販売されていた。

キンドル化された2・3・4号合併号

今回キンドル化に成功したのは、過去に紙の雑誌として発刊された第2～4号（2018年8月12日付号～2019年8月11日付号）を1冊にまとめた合併号（1200円）と、2019年末のコミックマーケットで発刊された第5号（2020年1月1日付号＝500円）の2冊。すでに創刊号は創刊時にキンドル化されている。

同誌は2017年にカルトと表現の自由を扱うニュース誌としてスタート。英語の「Banish」を語源として、ネット上での投稿やサービスのアカウントの削除などを指すネットスラング「BAN」をテーマに、創刊号ではTwitterなどからBANされた幸福の科学批判等の投稿を再掲載するなどした。

第2号以降は、カルトやインターネット関連の話題に限定せず、表現の自由やオウム真理教事件での死刑執行、選挙や政治関連などに関するニュースを無理やり「BAN」にかこつけて取り上げてきた。最新の第5号では、第4次安倍再改造内閣の関係者とカルト集団との関わりを「全部載せ」する特集記事や、経済産業相就任からわずか1カ月あまりで辞任した菅原一秀・衆議院議員関連のトピックスを掲載。同社・藤倉善郎総裁や鈴木エイト主筆、さらに著述家の菅野完氏による連載も開始している。

創刊号以来2年ぶりとなるキンドル化について、藤倉総裁は「キンドルでは、紙版で作っている雑誌風のレイアウトを活かせないので、あんまり好きじゃなかった」と語る。サブカルネタや露骨で下世話な企画とニュース誌風のレイアウトのギャップを、キンドルでは楽しめないというのだ。

「しかし既刊の紙版の中には在庫がほぼなくなってきたものもある。また通販は手間がかかるので対応しておらず、もともと東京・大阪・名古屋など弊社のトークイベントが開催されるエリア以外の読者に届ける方法がなかった。レイアウトを犠牲にしても、情報を幅広く届ける手段も必要だと考えた」（藤倉総裁）

HSUの友情広告

同誌では、当事者に無断で勝手に掲載する「友情広告」も見どころ。菅野完氏やイラストレーターの村田らむ氏といった藤倉総裁の友人たちの広告を掲載する一方で、ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ（HSU＝幸福の科学大学として2014年に不認可、現在、再申請中）などの広告も勝手に作って掲載している。最新の第5号では、菅原一秀氏の広告のほか、藤倉総裁や鈴木主筆らの記事をパクッた『サンデー毎日』や『現代ビジネス』の「友情広告」も。

第5号では付録として、「やや日刊カルト新聞」のロゴを無断でパクって国会議員に配布された怪文書「やや日刊桜を見る会新聞」（現時点で2号まで発行）の紙面も無断で全文掲載。この怪文書をパクリ返して「やや日刊カルト新聞と桜を見る会」などというややこしい新聞の画像まで掲載してる。

「この怪文書をばら撒いた人間が誰かは知らないが、こうすれば抗議してくるかもしれない。抗議してくればどこの誰かわかる。さあ抗議してこい」（藤倉総裁）

また第4号（合併号に収録）と第5号の巻末には、着せかえ人形アーティスト・BAN苦死慰（バンクシイ）氏による「幸福着せかえ人形」の付録付き。プリントアウトして切り抜けば、幸福の科学の教祖・大川隆法総裁や教団関係者らの着せ替えを楽しめる。

報道、評論、風刺、パロディ、報復など全方位にケンカを売りまくりながら表現の自由を謳歌する。幸福の科学などからの抗議でキンドルからもBANされたらどうするのか。

「その時は、紙版のBansweekを掲げて幸福の科学施設前の路上で手売りする」（藤倉総裁）

◇キンドルで発刊済みの『Bansweek』各号
2017年12月1日創刊号: マスコミは沈黙 ネットでも書けないカルト宗教


第2・3・4合併号 Kindle限定: 超大盛り　大悟館紛争　2019参院選・統一地方選


2020年1月1日第5号 Kindle版: 菅原一秀ざまあ　安倍カルト政権を粉砕せよ