2009年11月10日火曜日

「信仰と渾然一体」「高度な組織性」を指摘 新世事件判決&霊感商法被害弁連会見

11月10日東京地裁、統一協会(統一教会)の関連会社【(有)新世】と社長の田中尚樹被告、営業部長の古澤潤一郎被告に対する特定商取引法違反事件の判決がありました。

有限会社新世に対して罰金800万円(求刑は1000万円)、同社代表で 統一協会第1地区東京教区(現在は第5教区)の幹部信者である田中尚樹被告(51歳)に対し懲役2年と罰金500万円(求刑は懲役2年と罰金500万円)、同社営業部長でありやはり統一協会信者である古澤潤一郎被告(40歳)に対し懲役1年6月と罰金200万円(求刑は懲役1年6月と罰金300万円)が課され、未決拘留日数60日を参入し、本日から4年間懲役刑の執行が猶予されました。


特定商取引法違反としては、かなり重い判決が出ました。

秋葉康弘裁判長は、量刑の理由の中で、印鑑販売の手法を「巧妙で悪質」と断じた上で「被告会社は、被告人田中、古澤ら役員も販売員も全員が統一協会の信者であり、印鑑販売の手法が信仰と渾然一体となっているマニュアルや講義によって周知され、販売員は販売手法が信仰に適ったものと信じて強固な意志で実践していた。被告人は印鑑を購入した客を統一協会に入信させるための活動であるフォーラムへ誘うなどし、統一協会の信者を増やすことも目的として違法な手段を伴う印鑑販売を行っていたものであって、本件各犯行は相当高度な組織性が認められる継続的犯行の一貫である。被害者らが受けた精神的苦痛も軽視できない」と述べ、本件印鑑販売手法について「(統一協会の)信仰と渾然一体」であり「高度な組織性が認められる継続的犯行の一貫」だと指摘しました。

閉廷後、全国霊感商法弁護士連絡会の記者会見が行われました。会見した紀藤弁護士・川井弁護士・木村弁護士は、判決について「民事事件では統一協会の組織的な違法行為を認定した判決が多数出されているが、今回の判決は刑事事件の審理の中で一部とはいえ統一協会の悪質な組織的違法行為の実態を認定したものであり、その意義は極めて大きい」と述べました。また、新世摘発後も全国で続く統一協会関連会社の検挙に触れ、文化庁宗務課に対し「宗教法人法に基づく調査権・業務停止命令及び解散命令申し立ての権限を行使しようとしない」と非難、全国の警察・検察に「社会悪を根絶するために、今後も捜査当局の尽力を期待し、詐欺罪による立件と、資金集めを中心となって遂行している幹部信者らの処罰を要請する」と話しました。

また、現在も形を変えながら続いている統一協会の『霊感商法』の勧誘現場での実態に関して、当『やや日刊カルト新聞』記者でもある私に紀藤弁護士から発言を求められ、現在の勧誘状況や霊感商法が続いている現状について述べました。

紀藤弁護士からは、「統一協会は遵法意識が著しく欠如しており、警視庁の捜査などにより一時的に霊感商法を止めた期間に信者献金などで掻き集めたお金は、霊感商法の一年間の売上の一月分にも満たない。送金ノルマがなくならない限り霊感商法は続いていくであろう」との意見が出されました。

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