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2010年11月25日木曜日

元妻殺害事件から見える、オウム信者家族の苦悩

 11月24日、アレフ(旧オウム真理教)に入信した元妻・九十九美智子さんを包丁で刺したとして、埼玉県警が西村三郎容疑者を殺人未遂容疑で逮捕。女性が死亡したため、殺人容疑に切り替えて取り調べが行われています。報道によると、家族を教団から取り戻したいと考えるあまりの犯行だったようです。

 西村容疑者の元妻・九十九さんは、オウム真理教に入信して娘とともに家を出ており、西村容疑者は20年近く、九十九さんや娘を取り戻す活動を続けてきました。2007年には、教団とのやりとりを自費出版の書籍『引き裂かれた二十年-私と五人の子供たち-「鐘の音」』を出版したこともあります。

 報道によると、西村容疑者は警察の取り調べに対して「妻を殺せば娘を取り戻せると思った」と供述しているとのことです。事件の3週間前に西村容疑者にインタビューしていたFNNでは、「何年も前から万策尽きています」「肝臓も悪いし、このまま一時期は、命が尽きるかなという不安な状態がありまして、このまま娘たちに問題を残したまま、万が一のことがあったら、娘たちの将来はめちゃくちゃだなと」という西村容疑者のコメントを紹介しています。

 入信した家族を取り戻すための活動をしている「オウム真理教家族の会」関係者によると、西村容疑者は同会には所属せず、個人で活動していたといいます。

「個人的な印象ですが、もともと一人で思いつめて行動する感じはある方でした。家族をオウムから取り戻そうとする家族の間では、一般的に男性は早く結果を出すことを目指しがち。しかし組織が相手では個人では対抗できないし、同じ境遇の家族が声を合わせて勉強を重ねながらやっていくしかない。西村さんも、家族の会に参加してくれていれば、という気がします。周りでフォローしてあげられず、本当に気の毒に思います。犯罪集団(オウム)に対して犯罪を仕掛けてしまったら、同じになってしまう」(関係者)

 元アレフ代表の野田成人氏は今年の夏ごろ、殺害された九十九さんと偶然、街で会ったといいます。

「そのとき彼女から、『もしものときはお願いします』と言われた。アレフからの脱会を考えているようでした。彼女は、もともと熱心な信者ではなかった。アレフにい続けたのは、信仰のためというより、教団にいることで20年も自分を追いかけ続けている夫から守ってもらえるからという側面も強かった。私がまだアレフにいたころ、彼女は『(夫に)殺されるかもしれない』と言っていたこともあった」(野田氏)

 前出の「オウム真理教家族の会」関係者はこの点について、こう語ります。

「以前、記者会見で九十九さんは、『行き先がたまたまオウムだっただけ』と語っていました。もしかしたら、家庭内の問題などがあって、そこから救われたかったのかもしれない。教団がセッティングした会見なので、どこまで信用できる話かはわかりませんが。いずれにせよ、九十九さんがもうすぐ教団を出ようと考えていたのだとすれば、ほんとうにもったいない。(元妻が生きていれば)西村さんはまだアレフの中にいるお子さんもまじえて話し合える時が来たかもしれないのに」

 なんともいたたまれない事件です。

8 件のコメント:

  1. なぜ殺した。

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  2. オホーツク海岸の論客2010年11月26日 0:02

    カルトがらみの肉親の葛藤・・・・・・萩原ミミのグループでもありました。そして、リトル・ペブル同宿会でもありました。前に一人のメンバーの両親(奪還をかけた裁判で敗訴した)について書きましたけど、スッキリしている家族の方はいないのではないでしょうか。何とかしたいです。

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  3. 刈ると信者なんて殺されていい

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  4. もともと九十九さんが夫のDVに悩んでオウム入りしたことはクローズアップされるべき。
    そこを飛ばすとこの事件の本質はわからないよ。

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    1. なぜ、DVの事をご存知なのですか?

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  5. 夫のDVに悩む弱い立場の女性を教団に取り込むカルト。

    確かにそこを見ないと、本質は見えてこない。

    ドクター苫米地も同じことしてると思う。

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  6. 12月3日5:52の阿呆へ

    おまえドサクサ紛れに勝手な推定書くなよ。告訴されるがいい。

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  7. 2010年12月3日 5:52
    具体的にDVかは不明だが鋭い指摘といえる


    2月5日 21:14
    アホはお前だカルト信者
    教祖が告訴され有罪になる日を楽しみにしてろ

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