2011年8月23日火曜日

〔潜入レポート〕 “家系のおはなし”講演会は統一協会の勧誘だった!

“しあわせな家庭をつくる会”、そんな名称の団体が都内で活動している。この会が“家系のおはなし”なる講演会を毎月公共施設で開いているとの情報があり、潜入取材を敢行した。講演会では“家系と先祖の因果”を熱弁する怪しげな講師が登場、参加者を偽装施設での運勢鑑定に誘導した後、家系図講座の受講と称してカルトの施設に通わせるなどの流れが判明した。カルト団体の組織立った信者生産の手口をレポートする。


◆“しあわせな家庭をつくる会”

東京都大田区内で今年3月頃から「“しあわせな家庭をつくる会”という団体の女性が二人一組で区内の居宅を戸別訪問して“家系のおはなし”講演会に誘っている」との情報があり、本紙では内偵を進めていた。
本紙は“しあわせな家庭をつくる会”のチラシを入手、チラシに記載された会の代表者“海老澤妙子”氏に連絡を取り8月の“家系のおはなし”の日程を訊いた。19日14時~が久が原会館、20日11時半~が「蒲田新生ビルの3階、私たちが家系の勉強をしている所」、30日10時半~と14時~が久が原会館とのことだった。そこで今月19日に開かれた“家系のおはなし”講演会に参加した。
この日の会場の久が原会館、地域の自治会が管理する大田区の公共施設だ。 会館入り口には記者を出迎える海老澤代表の姿があった。50代半ばの女性だ。  案内のホワイトボードには“本日の催し”として“APTF”の表示がある。APTFとは“真の家庭運動推進協議会/The Association for the Promotion of True Families”の略称で、統一協会(統一教会)の関連団体だ。 会場の小ホールには統一協会信者が5~6名待機、講演会を訪れていた一般の人は記者を含め5名程だった。
最前列に案内され着席した。机には“賛助金”と書かれた封筒とアンケート、そして“「家系は語る」~代々つながる大切な命~”と印刷された紙が置いてある。裏面にはプログラムが印刷され“司会者:海老澤妙子、開会→映像「象の背中」→講演者紹介→講演「家系は語る」~代々つながる大切な命~→閉会→アンケート→茶話会”となっている。この“茶話会”が問題なのだがそれは後述する。

◆家系の講師登場

海老澤代表の挨拶の後、「感動的な映像です」との前置きがありアニメ“象の背中”が上映された。
そして海老澤代表の「ご自分の生い立ちを通して家系を探究してこられた先生」との紹介で要請された拍手の中、講師の“関根誠司先生”が登壇した。事前に海老澤代表からは「40歳くらいとお若いけれど、とても家系のことに詳しい先生」と聞かされていた。若い講師に不信感を抱かないように前もってそう説明しているようだ。

“関根先生”は時折ジョークを混じえながらパワーポイントを使い、家系の話を進めていく。

まず、米TVドラマの『ルーツ(Roots)』(1977)や1995年にアメリカで出版された書籍ファミリー・シークレット―傷ついた魂のための家族学を引き合いに「家系は世界でブーム」「ルーツ・ヒーリング。家系を辿ることが私たちの心の最高の癒やしになる」「先祖の暗い部分を掘り起こすことで運命は改善する。または自分と同じような運命を辿った先祖を調べることで運命を改善することができる」と話す関根講師。
そして日本国内での自殺者の増加やいじめ問題に言及、「それは“先祖とのかかわり合いの中で起こっているんだ”ということで家系を辿る人が多くなった」「これが家族のパターンを図式化するツールとしてジェノグラムに飛び火」「医学・心理学・ソーシャルワークの分野で非常に使われている」「何故医学が注目しているかというと、それはDNAだけでは精神病や鬱などの心の問題が解けてないから精神医学・臨床心理学ではこれを大体使っている」と繋げる。
続けて「人間の相互関係、家族の関係性からパターン化していくと家系に不思議と繰り返しがある」「大酒飲みの家系、養子を迎える家系、長男だけが早死にする家系、次女だけが離再婚を繰り返す家系がある。科学の世界では解けない」「ジェノグラムはイスラエルやドイツなど先祖供養とは無縁のヨーロッパでも非常に人気が高い」「日本でも家系にかんする書籍が多い」として与那嶺正勝の新・家系の科学や真言宗金比羅山金毘羅院管長の池上昭昭著の繰り返される家系のセラピーなどを紹介、挙句の果てに「国では行政が専門に扱っている」との発言もあった。

◆トンデモ講義は続く

更に「歴史は繰り返す」として、スライドを示しながら「日本の歴史に400年ごとに国づくりの運気がある」と説明、「ADゼロ年から4世紀中頃に大和政権成立、794年に平安京遷都、1192年に鎌倉幕府成立、1603年に江戸幕府」と続け、そして「2000年、今新しい時代は運気が来ている時。国運が来ている時は必ず家系の様々な問題も整理できていく」「この時に生きているというのは大きな使命がある」と煽り立てる。この時スライドには『歴史(世界史・日本史)→家系(我々の血統の歴史)→人生(先祖の生き様は私たち個人に現れる)』と表示されていた。

“関根先生”の話は続く。
「私たちの人生は先祖の働きの影響の中で幸・不幸の影響を受ける」「努力が実らないのは運の影響」「運勢学上では努力は20%、運が80%」「運は目に見えないが、運は目に見える相、形に現れてくる。手相・観相(顔相)・名相(姓名判断)・家相・墓相・骨相によって知ることができる」「運という字は、運ぶと書く。吉相・凶相として現れてくる。後家相・事故相など。ドライブは運転、運を転がすと書く。スポーツの世界は運動、運を動かすと書く。運が動く世界、イチローも風水師に家を建ててもらって家相を変えてもらった」「何故、運に善し悪しがあるのか?運の出どころがある。生前の先祖の生き様が私たちを通して現れてくる。私たちの幸・不幸に直結してくる。先祖は運勢の根っこ」「お釈迦様が説いた因縁果報は、原因・血統・結果・応報であり、親・先祖→血筋→私→環境と現れる」「悪い先祖がいると努力しても報われない」「家系のクセがある」と話はますますおかしな方向へ。ちなみに関根講師の父親・祖父・曽祖父は40代で死亡したそうだ。              熱弁を振るう“関根先生”

◆日英の天皇家・王室まで利用

講師のトンデモ話は佳境へ。
「家系には習慣性がある」「ガンの家系、発展する家系、衰退する家系、養子を迎えなければならない家系がある」「家系には特色があり、それが先祖と私たちとの因果関係となって現実問題として出てくる」「先祖から受け継ぐ家系の習慣性がある」と繰り返す講師。
「先祖から受け継がれるものの特色の中で、家・土地・お金・証券・借金などの目に見える資産や負債はイメージできると思うが、見えない家族の形という所謂“情の流れ”というものも相続する。家族構成・親子関係・夫婦仲・兄弟仲も受け継ぐ。だから似たような家系になり繰り返しが起こる」として英王室の家系図を示し、養子縁組と愛人関係が繰り返し現れており家系の繰り返しがあるとトンデモ理論を展開。「偶然というものは絶対ない!、背景には必ず原因があって出てくる」「“その家系に生まれた”、“家に嫁いだ”、そこに必ず使命がある!願いがあって来ている!」と力説。そして日本の天皇家の話を持ち出した。
民間から皇室に入った皇太子妃と秋篠宮妃を平仮名表記で“おわだまさこ”“かわしまきこ”と上下に並べ、一文字おきに消して斜めに読むと互いの名前になると説明。

おわだまさこ お●だ●さ● ●わ●ま●こ
かわしまきこ ●わ●ま●こ か●し●き●

関根講師は両妃をそれぞれ「出雲族と天孫族の末裔」と述べ「偶然に民間から天皇家に入ったわけではない」と単なるアナグラムを、さも不可思議な法則があるように吹聴した。 

◆個別鑑定への布石

そして「皆さんには重要な使命がある」と個別鑑定への布石を打ちつつ、話は終盤へ。
「様々な問題、夫や子供、自分自身への悩みなど目に見えて現れている結果の背景には、必ず目に見えない先祖の影響が大きい」「因果の関係の中で見た時に必ず先祖が運という形を通して現れてくる」「家系にはその家系ごとの習慣性、家系のクセがあるのでそれを知ることがまず大事。それを通して人生の教科書となっていく」「その独特の家系の習慣性を知るためにはどうすればよいか?」「それにはまず個人の運勢というものがどういうものであるかを先に知ることが重要」「幸福な人生・円満な家庭から、先祖から相続する習慣性の克服法は今生きている私たち自身にある!。そのためにも個人の運勢をまず知っていくことが、家系から来る繰り返しを知ることができるヒントになる」「自分の運勢を知れば何ゆえに起こっていることなのかという原因も知ることができる。原因が判れば必ず運勢を良くしていくことができるし、幸せな道へと近付いていくことができる!。個人の運勢から家系の運勢を知ることが重要」と一気に捲し立てる。

立て板に水の如く喋り続ける講師。
「運にも先天運と後天運がある。先天運は持って生まれた宿命、生年月日・家系、変えることはできないが、後天運というのは関係や努力によって後天的に変えることもできる」と、努力は20%と言っていた割に本人の努力を持ち出す支離滅裂ぶりだ。
更に「例えば結婚運・財運を後天的にカバーし、先祖を供養していく中でしっかりと運を変えていくことができる」と霊感商法や献金の布石も垣間見えた。

最後に相田みつおの詩“自分の番~いのちのバトン”を恣意的解釈で紹介。

そして「家系を知る、個人の運勢を知ることで本当に未来ある素晴らしい人生を送る手助けとなれたらと思います」「私は家系・運勢の鑑定もしているので関心のある方は担当の方や“購読会”のご紹介の方と相談していただいて、機会があったら是非鑑定させていただきますので、鑑定の場所は蒲田の方にあるので是非来ていただけたらと思います」と個別鑑定への布石を打ち講演は終了した。

◆茶話会で個人鑑定の約束を

再び、海老澤代表が登壇し「鑑定の料金的なものは“お気持ちでいい”と先生も仰っているので、紹介者を通して申し込みをしてほしい」とフォロー、アンケートへの記入と賛助金を“お気持ちで”入れるよう促した。

ここからが各担当者の出番だ。聴講した参加者にそれぞれに担当者がマンツーマンで付き、30分程掛けて個人的な事柄、家族構成や仕事、悩みなどを訊き出していく。一人だけいた若い女性信者が手作りのミルクプリンと紅茶を出し、記者には海老澤代表が付いた。
賛助金は以前に“大体皆さん千円くらいは入れてくださいます”と電話で言われていたので、会の趣旨に賛同したわけではないが千円札を賛助金封筒に入れ手渡した。
海老澤代表は「運勢を変えるにはその方の事情をまず知る必要がある」「先生は姓名判断と四柱推命は見て下さる」と鑑定を受ける日程を決めるように記者を促した。来週火曜日までは“関根先生”の予約がいっぱいなので木曜日の午後14時半に鑑定を受けることにした。 アンケート用紙の余白に“8・25 14:30”と書き入れる海老澤代表。そこで初めて海老澤代表は、鑑定場所である“ハーモニー(harmony)”のカードを取り出し記者に手渡した。他に家族の個人情報を前日までに知らせるように言ってきた。
鑑定料金については「お気持ちを示せばいい」とのことだったが、相場が幾らくらいなのか訊くと「その人によっても経済状況が判らないので・・・」と前置きしながら「5千円とか・・・たくさん見て欲しい方は1万円とか」とのことだった。
家系について誰にでも共通する理論があるのか訊くと「家系図を何万件も統計を取った統計学がある」と答えた海老澤代表、“統計学”が何たるものであるかご存知ないようだ。

関根講師と話した。鑑定には「家系を見てどうやったら原因を対処できるかじっくり訊きますので、2時間は掛かる」そうだ。

久が原会館を後にした。

数時間後、海老澤代表から絵文字満載のメールが来た。一部を紹介する。
“今日は、悪天候の中、久が原会館までお越し下さり、本当にありがとうございました。お会い出来、ご縁をいただき嬉しく思いました。私はこの会を通して、少しでも多くの方々のお役にたちたいと、常に思っています。このようなご縁をいただき、精一杯サポートさせていただきたいと思います。25日も楽しみにされてください。それから、鑑定してほしい方が、ご本人以外にいらっしゃいましたら、連絡くださいます様、お願いします。”

このように手厚くフォローしていくのも統一協会の偽装勧誘に共通する手法だ。

ハーモニーの所長も海老澤代表が務めているのか訊くと“残念ながら、私は所長ではないのです。それでは25日、お待ちしています。と返信があった。”

◆ハーモニーの所長は統一協会との関係を完全否定 

翌日、“家系のおはなし会”が行われている筈の時間にハーモニーを訪ねた。
環状八号線に面した小汚い雑居ビルの3階にハーモニーはあった。 扉を開けると広いロビースペース、奥に面談する二人の年配女性がいた。声を掛け来意を告げた。 記者に応対したのはハーモニーの加藤所長。加藤所長によると、この日の“家系のおはなし”は急遽中止になったとのこと。勧誘対象者が集まらなかったようだ。
ハーモニーと統一協会との関係を訊くと「此処ですか?特にはないですけど」と否定。加藤所長自身が統一協会の信者か、統一協会の信仰を持っているか訊いても「いいえ」、統一協会のビデオセンターではないのかと訊いても「そうですか」と、はぐらかすのみ。ならばハーモニーはどういう場所なのか訊くと「ここはいろんなこと、教養を教える所です」と答える。では統一原理は使いますか?と訊くと即否定、接客中とのことでそれ以上は話を訊けなかった。此処は統一協会とは無関係であなたは信者ではないということですね?と念押ししたが「ええ」とのことだった。記者の名刺を渡してハーモニーを後にした。

◆“宗教絡みとか絶対ないです!信じてください!”あかるい家庭をつくる会代表の弁明 

“あかるい家庭をつくる会”の海老澤代表に電話した。
海老澤代表が統一協会の関係の人か訊くと「いえ、どなたかから聞いたのですか?」と質問で返してきた。質問に質問で返すのは嘘吐きの特徴であり、後ろめたさを糊塗する無意識の働きでもある。信者かどうか訊くと「ボランティアでやっているので。家系の事に関心があるので、少しでも家系のことをみんなに聞いてもらった方がいいという動機で・・・」と質問をはぐらかす。久が原会館の案内ボードに記載があったAPTFが統一協会関連団体であることを指摘すると「あ、そうですか。そういう情報とかは聞いてます」と、ごまかす。統一協会の信仰を持っているのか追及すると「そういう内容とか一連には聞きました。他の事も勉強しているのでそれだけとかじゃなくて、いろんなものを受け入れる気持ちを持っているので。すごくそういうところを引っかかる感じですか?」とまた質問で返してくる。APTFは統一協会の関連団体であり“あかるい家庭をつくる会”も皆信者であるかどうか、昨日統一教会の話は全く出てこなかったが?と言うと「みんないろんな信仰を持っておられる方も来られるので」との返答。30人の会員は信者か?と訊くと「この趣旨に賛同される方です」とズレた返答。“関根誠司先生”は統一協会の人か訊くと「関根先生は私の・・・ちょっと家系のことで詳しい方なので知り合いを通して紹介いただいた方なんですけど」と曖昧な答え。海老澤さん自身は統一協会の信者ですか?YESかNOかで答えてくださいと追及すると「私は統一教会の勉強もしているので、そういう理論的なものは素晴らしいと思って受け入れてはいますね」と一部認めだした。それは信者・信徒ということですねと更に問い詰めると「他の事とかも信じているので、それだけではないですけど、いいものは受け入れると・・・」とやたらと“いいもの”を連発する。ハーモニーに寄って加藤所長と話した、加藤所長はハーモニーは統一協会と何の関係がない所と言っていたと告げると「ええ、ハーモニーは全然関係ないですね」と追従した。

これは先週新生ビルを調査した時の画像だ。
 ハーモニーの郵便受けには統一協会の新聞“世界日報”が入っていた。 これでも関係がないと言えるのか?

“久が原会館で家系の講演会を行いハーモニーでの鑑定に繋ぐ、そして家系の勉強をさせ信者へと誘導していく”一連の流れが見えたと迫った。「すごく先を詮索されるんですね。家系のことを考えてきちんと聞いてみられて、その中で受け入れたらよろしいと思う」と一般論に逃げる海老澤代表。統一協会の信仰を持たせようという目的があるのでは?と突くと「ないです!」と即答。あなたが統一協会の信者でそういう目的があるのなら最初から言うべきだと指摘すると「普通の家系のことを言っているだけなので。普通のことですよ本当に。当たり前のことですよ。決して色が付いた宗教絡みとか絶対ないです!信じてください!本当です!」と強弁した。
皆さん全員が統一協会の信者だと睨んでいると指摘すると「だって私もいろんなものを勉強したので霊界とか信じますけど、やっぱり先祖の影響って絶対自分に影響してると考えるし、それって別に宗教だからということではなくて別問題というか当たり前の事。だから他の信仰している人でも霊界とか信じない人もいたりとか先祖とか敬わない人もいるけど・・・・」と弁明。昨日いた“あかるい家庭をつくる会”の会員は全員統一協会の信仰を持つ人ではないのか?と改めて問うと「いろんな方がいます。創価学会とか救世教とかいろんな信仰を持っていてそして信仰しながらいいものを受け入れようという感じで・・・」と他の宗教団体の名を出した。そういう人も最終的に統一協会の信者になるのでは?と言うと「そんなことはないですよ。強制とかではないし、それぞれその人が持って生まれたご先祖や親から受け継いで・・・クリスチャンとかカトリックとか入っている人とかでも」と意味不明な答え。
海老澤さんは統一協会の南大田教会や大田教会に所属しているのか訊くと「私は違いますね」と即答。そして「残念ですね。私は本当に家系のことを聞いて欲しいと思って会を立ち上げた。純粋な気持ちで来てくれたと思っていた。詮索されていたという感じはすごくショックです」と泣き言を言いだした。昨日の話は内容からして明らかに統一協会でしたねと話すと「悲しいですね、本当に普通の話ですよ、当たり前の」と繰り返し弁明するばかりだった。

◆“関根先生”を直撃 

関根講師にも電話した。
統一協会の人か訊くと関根講師は「あ、私はそうです」とあっさり認めた。ハーモニーが統一協会の施設か訊くと「あそこを一室借りている所はそうですね。教会として使っ・・・、教会ではないんですけど」と言い淀む。では信徒会とか?「そうですね」ハーモニーは関根さんの施設?「あ、違います、あそこ一室だけ鑑定のために借りてるんですね」関根さんは原理講師?「あ~、原理というか・・・講義をすることもあるが基本的には昨日のような一般的なああいうお話をすることが多いです」昨日の話は一般的ではなかったが?と指摘すると「エエ~!そうですか~!アハハ!」と笑う関根講師。
海老澤さんとか“あかるい家庭をつくる会”も統一協会の人ですか?「あ、全員ではないですね」海老澤さんはそうなんですか?「そうですね」統一協会が正体を隠して講演会をやっているという形では?と追及すると「ああ~なるほどね~」昨日全く統一教会のトの字も出ていなかったが?と言うと「あのですね、教会に繋ぐということで取っているわけではないので」と弁明した。
講師が統一協会、そして鑑定を受け“家系の勉強をしましょう”と誘い最終的には統一協会の信者にするのが目的ではないのか、そういう流れが統一協会にはあるがそれはご存知かと訊くと「あ、はい」と認めた。関根さんもそういう形でやっているのかと追及すると「あ~、鑑定はしますし、家系の話はすることはしますね」ではそこから家系の勉強に通ってくださいということがあるのか?と問い詰めると「もし関心がある場合だったら、その時は教会の内容であることは話すんですけども」と統一協会へと導くことを認めた。そこで初めて統一教会と明かすということかと更に追及すると「そうですね、やる時にはですね、学ぶという時には」と答えた。それは問題ではないか?その流れが最初からの目的ではないのか?と指摘すると「あ、なるほど。そう思っちゃうんですね」と軽い受け答えだった。

関根講師を更に問い詰めた。

関根さんは世界運命学会で勉強したか?「あ、一度入ったことはあります。今は入ってないですけど」
統一協会の信者であることは間違いないと?「はい、そうです」
ハーモニーは統一協会の施設ではないのか?「ハーモニー自体が教会というわけではないです」
教会の信徒が運営しているのか?「あ、中にいらっしゃいますね」
加藤所長は統一教会と無関係と言っていたが?「だからあそこで講師をしている方とかもいるんですけど、そういう方はやはり原理を勉強しているので信者の方もいるんですね」
統一教会と明かした後、家系の勉強に通うのはハーモニーではないのか?「直接教会に来てもらうことが多い」 それは南大田教会か?大田教会か「そうですね、両方ですね」
では“関根先生”経由でハーモニー、南大田教会・大田教会へ繋がることがあるということか?「はい」
南大田教会4階に教育センターがあるがそういう所で勉強していくのか?「はい、教会の上で勉強を」
そういうルートがあるということか?「はい」

これは気を付けないとと揶揄すると、「ハハハ」と笑う関根講師。続けて「まぁ確かに一見そういう風な趣旨になってしまいますのでね、改善しないといけないですね」と小手先の改善を口にした。
統一教会の講師で会も全員統一教会の信者だと最初から全部明かすべきでは?と告げると「あ~あ、なるほど。う~んでも確かに違う宗教の方もいらっしゃるんですね。これは本当ですね」と完全には認めようとはしなかった。
ハーモニーではどの部屋を使っているのか?「一番奥の部屋に」
いつもハーモニーにいるのか?「鑑定の時だけですね」
では普段は何処に?南大田教会に詰めていることが多い?「はい、そうです」
4階か?「私は2階ですね」
今度訪ねていってもよいか?と訊くと「あ~私が居る時には」と快諾した。

ある程度正直に話してくれたことは意外だったが、25日にハーモニーで鑑定を受けるかは保留にしておいた。


◆関根講師が申込み 

久が原会館に問い合わせた。
今回の“しあわせな家庭をつくる会”講演会の申込者を確認すると“関根誠司”講師本人だった。“しあわせな家庭をつくる会”は統一協会大田教会南大田教会が新規信者獲得のために作ったダミー組織に過ぎず、関根講師もただの信者、ハーモニーは偽鑑定所を兼ねた婦人部ビデオセンターということだ。

◆南大田教会を現地調査

南大田教会が入るシャトー蒲田第2ビルへ行ってみた。  区民ホール“アプリコ”の向かいに建つ5階建ての雑居ビル、外看板には“3F 南大田永生教育センター”の表示がある。
 郵便受けの2階3階箇所には“宗教法人 世界基督教統一神霊協会 南大田教会”の表記。

階段を上がる。

2階にはスチール製のドアが二つ、それぞれ“南大田CH事務所”と“プチ・フォーラム”と書かれている。 

3階へ上がる。 右側ドアには“宗教法人 世界基督教統一神霊協会 南大田教会 礼拝堂”と印刷した紙が貼ってある。
そのまま階段を4階へ上がった。
階段の壁に“自叙伝書写伝授感謝会”“天一国お彼岸還元祈願礼式”と書かれた書道紙が貼ってあった。 4階ドアには“21世紀ファミリー 教育センター”と書かれた板が張り付けてあった。
 ここが関根誠司講師が云う家系を学ぶ場所ということであろう。
1階にキャバクラ、5階にフィリピンパブが入るシャトー蒲田第2ビル、その2~4階を統一協会が占めていることになる。

◆本紙1月の調査からの変化

本紙は今年1月、この南大田教会が入るシャトー蒲田第2ビルを現地調査している。

江南文化フォーラムなる団体が“先祖供養のお経本”名目で“天平願文”なる代物を売り付けており被害者が多数出ているとの情報があり、江南文化フォーラムの所在地として判明したのがこのシャトー蒲田第2ビル2階だった。
当時の同ビル郵便受けには“世界基督教統一神霊協会・南大田教会”の表記はなく“江南教育文化フォーラム”と貼ってあるだけだった。
この“江南教育文化フォーラム”が江南文化フォーラムであり、その実は統一協会南大田教会だったというカラクリだ。江南文化フォーラムについては、大河原という男性が代表者で、平林という女性講師がいたことが判っている。  1月に本紙が入手したチラシからシャトー蒲田第2ビル2階に統一協会の南大田教会があることが判っていた。南大田教会ぐるみで霊感商法を行っていたということだ。

また、当時シャトー蒲田第2ビルの4階は空き室、賃料231,000円/月でテナントを募集していた。

◆大田教会へ。池上会館もターゲットに

大田教会にも行ってみた。
タイムハイツ1階と202号室が大田教会だ。
 入口ガラス戸にポスターが貼ってあった。“Love & Peace Festa in Ota(ラブ&ピース フェスタ イン おおた)”APTF大田の主催で、21日に池上会館で行われたようだ。
当日池上会館に問い合わせると、担当者は「“大田教会”としか聞いていない。普通のキリスト教の教会だと思っていた。統一協会だとは全く知らなかった」と話した。

昨年10月に区民ホール・アプリコで行われた統一協会の創立51周年記念式典でも、統一協会はアプリコに“UC51周年式典”としか伝えず、正体を隠して会場を使用していた(2010年10月22日本紙既報記事末端信者だけではない!日本統一教会本部も正体隠して公共施設を使用!? )。UCは“Unification Church(統一教会)” の略称だ。
その時の会場使用申し込みに際しても地元の地区教会の関与が疑われる。

カルト団体が公共の施設を使用することにより、あたかも行政のお墨付きを得た催事だと一般市民を“勘違い”させかねない。

◆“家系図講座”への流れも判明

25日に予約した関根誠司運勢鑑定士の鑑定だが、記者は受けるかまだ思案中である。
その後、記者を担当する海老澤代表からは、“昨日、家系図講座にわざわざいらして下さったのにも関わらす、ご関心が別におありのようで、大変残念に思います。鑑定におきましては、ご自分の家系を本当に真剣に考えておられる方に見て差し上げたいと思っています。大変申し訳ありませんが、別方面にご関心がおありのようですので、この度は鑑定をご遠慮下さる様、お願い申し上げます” との旨のメールが来ていた。

記者が参加したのは“家系のおはなし”講演会だった筈だが、海老澤代表は“家系図講座”とメールを打ち間違えたようだ。このことから個別鑑定から“家系図講座”なるセミナーへ市民を誘い込む流れも判明した。

30日の午前・午後と2回“家系のおはなし”講演会を予定している“しあわせな家庭をつくる会/統一協会”だが、久が原会館を運営する自治会は今週、役員会を開き、この問題に対処するそうだ。

◆日本全国で同様の手口が

今回判明した偽装伝道の手口だが、事は大田区内に限った話ではない。日本全国で同じように家系・家系図を使った偽装伝道の手口が判明している。一例を挙げる。長野三鷹岐阜(大垣)北海道(江別市)北海道(札幌)、北海道での偽装セミナーに使われたチラシを確認してほしい。本記事表題のチラシのイラストと全く同じものが使われている。


これは各地区教会などが独自にこの手法を採っているわけではなく、本部主導で組織的に全国の偽装組織へこの手練手管の手口を指導・推奨していることの証左だ。

“高度な組織性と継続性”が認められる一連の手口、カルトの罠に嵌らないためにも更なる注意が必要だ。

17 コメント:

匿名 さんのコメント...

エイト全部ばれてるぞ。

匿名 さんのコメント...

こうして、赤裸々に協会の内部があばかれていく。


「良いこと」と称して、嘘ついて変なことやっているのでは呆れてしまいます。

「良いこと」って何なのでしょう。
あまりに漠然としています。

yamato さんのコメント...

エイト全部ばれてるぞ。

2011年8月23日3:14 の匿名さん


何が?って感じですが。

同じことは、私がいた部署でも行われていました。

最近ネットやメールでも聞かれる「そうとらえられてしまうんですね」や「話がずれる」など、全て自分をごまかすための姑息な手法です。

最低限の礼儀や常識が守れない人が、憤慨した相手によく使う手です。エイトさんは憤慨されず、丁寧に対応しているのに、それにも関わらず、認めようとしないのは(一部認められた方もいたようですが)やっぱり統一教会。

匿名 さんのコメント...

海老澤代表との電話内容部分で
海老澤代表のコメントが、なんかわかりづらい日本語に感じるのですが、
これは電話の内容を録音などしていて、海老澤代表が発した言葉をそのまま書いているということなのでしょうか?

モモン7032 さんのコメント...

統一協会に勧誘されて間もない頃に教え込まれた『初級講座』を思い出します。1部を除いて大変よく似ております。

私が入っていた当時は、皇太子妃・雅子様をこき下ろしておりましたが、お祖父様が云々とか言って。

現在では、天皇家に嫁がれるべくして、嫁いだと言っているのですね。

匿名 さんのコメント...

あれ~!?
おかしいな~
直接伝道やるって言ってたよね~!?
過剰な献金摂理が続く限り
切羽詰まって昔ながらの正体隠し伝道続けるしかないんだよね~

オホーツク海岸の論客 さんのコメント...

「家系……」って道新(北海道新聞)が本の広告を押し込まれた事があったな……。
家系を調べたくなったら、あくまで歴史の勉強の一環として行うのが一番です。そのためのマニュアル本もあります。幸運とか家庭が良くなるとか……こんなのが絡んだら逃げて下さい。

匿名 さんのコメント...

この記事は素晴らしい!
本当にごくろうさまでした。

よくぞ!

悲しいのは、統一協会の人々が人を騙しても良いと思ってしまっていること。
入信する前はもっと純粋に生きようとしていた人たちだったはずなのに。

匿名 さんのコメント...

有田さん、イオンモール太田に来るなら、統一教会太田教会近いので遊びに来てください。

匿名 さんのコメント...

イオンモール太田と北関東太田桐生入口
までの間にありますが、地元の人も知ら
なければ、そこが教会だと知らない人が
ほとんどですけど(笑)

M さんのコメント...

自分がだまされた
岐阜県大垣市の集金宗教団体です。

○考心(こうしん)フォーラム
 (旧 ピュアライフ)

○岐阜県大垣市鶴見町283−1
 地伸ビル2階

○TEL 0584−75−5869

最近になって名称変更したようです。

最初はこの記事のような無料の姓名判断などで
上手に勧誘し、
最初は宗教だとは絶対に認めませんが、
自分が問い詰めたら、統一協会と認めました。

みなさん、充分にお気をつけください!!!

M さんのコメント...

パンフレット入手しました!!

12月14〜16日
考心フォーラム主催
「今日から出来る家運UPの方法」

ブログに写真を載せています

********************

○考心(こうしん)フォーラム
 (旧 ピュアライフ)

○岐阜県大垣市鶴見町283−1
 地伸ビル2階

○TEL 0584−75−5869

2011年10月ごろ名称変更したようです

自分がだまされた統一協会関係の
集金宗教団体です!!

********************

M さんのコメント...

Mです。
たてつづけに申し訳ありません。

先ほどはココログを添付しましたが、

楽天ブログからのほうが写真が見やすいので
もう一度投稿させていただきました!
 ↓
http://plaza.rakuten.co.jp/msentouchuu/diary/201112130001/

M さんのコメント...

申し訳ございません。

誤字がありました。

統一協会関係団体

岐阜県大垣市鶴見町
旧名 ピュアライフ

×考心フォーラム→〇孝心フォーラム

大変申し訳ございませんでした。


http://plaza.rakuten.co.jp/msentouchuu/diary

匿名 さんのコメント...

わたしは去年、旧ピュアライフの名前で騙されました!!・・・(;´Д`)
さっき開運フェアのチラシが入ってたので見たら、住所同じで名前が孝心フォーラムに変わってました!!・・・(;´Д`)大垣です!

匿名 さんのコメント...

本当にここで教わった内容のいくつかは「よいもの」で、そこから運気アップさせて上手くいく人も居たから、成り立ってきてる教えもあるのでしょう。良いとこ取りだけして、都合悪い勧誘だけ断れば特にしつこく、追われたりしなかったよ

匿名 さんのコメント...

これ、家にもつい最近来た。スルーしたけど何かわからず適当にきたら脈ありと思いしつこかった。人生の幸福を願うそうですが、しつこく来られて現在の生活に支障を起こされることはある種の不幸だと考えたないのでしょうか勧誘者曰く、未来の幸せをといっていたが未来の幸せが何の面識もない一個人に分かるのでしょうか。