2018年10月7日日曜日

東京地裁、藤倉被告の裁判を非公開で実施=弁護団は憲法違反と主張

10月5日、東京地裁で、建造物侵入の罪の問われている藤倉善郎被告(44歳)に対する第1回の公判前整理手続が行われた。弁護団は手続の公開を求めており、法廷前の廊下には傍聴を希望する10数人が集まったが、東京地裁は認めなかった。この日の手続き終了後、集まった傍聴人たちに弁護団が説明を行い、「ジャーナリストの取材をめぐる刑事事件を公判前整理手続にするのは憲法違反と考える」(弁護団長・紀藤正樹弁護士)などとした。


この事件は、今年1月にジャーナリストの藤倉被告が幸福の科学の一般公開施設「初転法輪記念館」に立ち入ったというもの。教団側が藤倉氏に教団施設への立ち入りを禁じる通告を行っていたことから、東京地検が「正当な理由なく侵入した」などとして今年6月、東京地裁に起訴していた。

藤倉被告は警察、検察の取り調べに対して事実関係は認めた上で、(1)取材目的での一般公開施設への立ち入りは正当な目的であること、(2)現場の教団職員が藤倉の氏名を書かせた後に立ち入りを承認したこと、(3)そもそも公益法人である宗教法人が気に食わない記事を書いたジャーナリストへの報復として一般公開施設への立入禁止を通告すること自体が不当、などとして無罪を主張。紀藤弁護士を団長とする8人の弁護団も、藤倉被告の無罪を主張する方向で後半に備えた。

しかし8月末に東京地裁が公判前整理手続を行なうことを決定したことで、事件の内容ではなく裁判の進め方をめぐって揉める展開となった。公判前整理手続は通常、非公開で行われ、終了後に公開の公判が行われる。公判では、新たな証拠を提出することができないという制限がある。

弁護団は、ジャーナリストの取材活動をめぐる裁判が公開されないのは憲法違反だと主張。また、公判で新たな証拠を提出できなくなることから被告人の不利益になるとして、弁護団は当初から公判前整理手続を行わないよう、裁判所に対して申し入れていた。しかし最高裁、東京高裁が弁護団の抗告を棄却した。

関連記事:藤倉被告の公判前整理手続10月5日に東京地裁で

公判前整理手続の2日前の10月3日には最高裁が、弁護団の2度目の特別抗告を棄却。弁護団は東京地裁に対して公判前整理手続の公開を求める申し入れを行った。

しかし10月5日、東京地裁は715号法廷で、非公開のまま公判前整理手続きを実施。法廷前には傍聴を求める人々十数人が足止めされ、裁判所の警備員が入り口を見張る物々しい空気に包まれた。

法廷内では藤倉被告が証言台に立ち、裁判長から人定質問が行われ、黙秘権についての説明がなされた。裁判長と弁護団との間では、公判前整理手続の公開をめぐるやりとりもあった。

紀藤弁護士「非公開の理由は」

裁判長「従来からそうやっていますので。訴訟指揮ということです」

紀藤弁護士「法的な根拠は?」

裁判長「法律で予定されているものではありません」

紀藤弁護士「法的根拠がないなら公開してほしい」

裁判長「公開はしないということで」

紀藤弁護士「(裁判の)運用に明確な根拠がない。こちらが出した申し入れ書に対しては、事前に見解を示してほしい。今日も傍聴を求める人が10人以上、法廷の前に集まっている」

その後、検察側からの「類型別証拠」と呼ばれる詳細な証拠類の開示が行われた後に弁護側が主張を提出するという手順と日程の確認が行われた。

次回の公判前整理手続は11月19日(月)10時から、同じく東京地裁715号室で行われる。

藤倉被告のコメント:

「報道のための取材の自由と建造物侵入罪との兼ね合いが争われる前例のない裁判が、法的根拠も明らかにされないまま非公開で始められてしまいました。自由で民主的な社会に逆行するもので、報道活動をめぐる裁判の悪しき前例なりかねないことを危惧しています。今回、多くの方に集まりいただけたことで、国民が裁判の公開を求めていることを裁判所にはっきりと示すことができました。本当にありがとうございます。次回の公判前整理手続も傍聴できない可能性がありますが、終了後には今回同様に状況説明の場を別途設けさせていただきます。ぜひ多くの方にお集まりいただき、この裁判の問題性を知っていただければと思います」

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「幸福の科学取材で刑事被告人にされた藤倉善郎氏を支える会」(略称:藤倉氏を支える会)によるカンパのお願い

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幸福の科学から刑事告訴された藤倉善郎氏を支える会
コウフクノカガクカラケイジコクソサレタフジクラヨシロウシヲササエルカイ
(※会の名称は変更手続き中。当面は上記の名義)

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