本日25日午後1時10分から東京地方裁判所527号法廷で、X JAPANのTOSHIが広告塔を務める自己啓発セミナー「ホームオブハート(HOH)」をめぐる裁判の判決が言い渡されます。これは、TOSHIのコンサートをきっかけにしてHOHメンバーとなった被害者が、セミナーでの金銭被害などについて損害賠償請求をしている裁判です。被告は、HOHと、HOHの実質的指導者であるMASAYAこと倉渕透氏、TOSHIの音楽事務所トシオフィスです。
HOHをめぐっては、2004年に児童虐待問題が発覚し、その問題を報じた日本テレビをHOHが提訴している裁判も含めると、のべ10件の訴訟が起こされています。そのうち、HOH被害者がHOHを提訴した裁判1件では、一・二審で被害者側が勝訴(HOH側が上告中)。また今年10月には、児童虐待問題について被害者側弁護士らが児童相談所に虚偽通告を行ったとしてHOH現役メンバーらが被害者側を訴えていた訴訟で、東京地裁が被害者側勝訴の判決を出しています。
本日の判決は、一連のHOH裁判の中で3件目の判決となります。
TOSHIをめぐっては、「洗脳騒動」が1998年、「児童虐待問題」発覚が2004年(このときは児童相談所がトシオフィスからも子どもを保護しました)。事件から時間がたったせいか、最近は、すでにTOSHIとHOHの問題を度外視する人々も増えてきました。ロート製薬は同社100周年のコンセプト曲にTOSHIが歌うMASAYA作の曲を採用してTOSHIのコンサートを協賛しているし、骨髄バンクチャリティをうたう舞台「友情~秋桜のバラード」が主題歌にTOSHIが歌うMASAYA作「いつまでも」を採用。さらにこの公演を、児童虐待防止事業も行っているはずの厚生労働省が推薦し、文化庁が後援。後援には、ほかにも日本青年会議所、全日本教職員連盟(全日教連)、東都よみうり新聞社が名を連ね、実行委員会特別顧問には森喜朗・元首相の名もあります。
TOSHIの音楽活動がHOH問題と全く関係ないのであれば、「純粋にTOSHIの歌を評価している」ということで構わないと思います。しかしTOSHIのコンサートがきっかけでHOHからの被害を受けたとする被害者も裁判を起こしている最中です。また、TOSHIのコンサートが詐欺事件に発展したという問題もありました。ましてや、上記で提供されているTOSHIの曲は、10件もの訴訟が飛び交っているHOHの実質的リーダー・MASAYAの曲です。
本日の判決が注目されますが、それ以前に、そもそもこれだけ多くの深刻な裁判がまだ続いている中で、関係方面の方々はどう考えているのでしょうか。
■参考記事
X Japan・TOSHIがファンにカネをたかって詐欺事件に?=神戸地裁で初公判(PJニュース・2009年04月17日)
X JAPAN・TOSHIコンサートをめぐる詐欺事件で、地裁が懲役2年の判決=姫路(PJニュース・2009年05月15日)
X JAPAN・TOSHI所属事務所、二審も敗訴=自己啓発セミナー被害訴訟(PJニュース・2009年05月29日)
「勝訴でも喜べない」と被害者=自己啓発セミナーの児童虐待問題訴訟に判決(PJニュース・2009年10月28日)
ホームオブハート関連事件で判決。「原告らの請求をいずれも棄却」 (本紙・2009年10月27日)
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