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2010年5月9日日曜日

読売新聞全国版に『霊感商法』本の広告が掲載!?

今月5月2日の日曜日、読売新聞全国版の11ページ文化面【本よみうり堂】の記事下に目を疑う広告があった。コスモトゥーワンという出版社が2010年4月21日に発行した書籍『新・家系の科学』、著者は与那嶺正勝なる人物。

 本の表紙には「二万余の調査で繁栄・衰退の法則がわかった!!」「あなたの運命はあなたに対応する先祖で決まる」とあり、新聞に掲載された広告には「家系を支配する縦横の法則」「家系にはクセが」「家系繁栄のキーは女性」等、世界基督教統一神霊協会(統一協会/統一教会)が全国各地のビデオセンターや偽鑑定所等のダミー施設で行う『家系図を使った先祖の因縁トークによる霊感商法(家系図販売・家系図セミナー受講及びそこから展開する各種物品販売・献金)』の際に使われている言葉が見出せる。

 新・家系の科学/目次には、他にも「くり返す家系の不思議」「家庭内暴力、登校拒否も先祖に原因が」「親子・兄弟の仲にも先祖関係が影響する 」「運命の反復はなぜ起こるのか 」「曾孫に現れた先祖の色情因縁による遺伝子破壊」「M青年の犯罪の陰に深くかかわった先祖がいた」「家系の栄枯盛衰は夫婦関係にあり」「色情関係による恨み型の絶家」「人の怨念で本家も分家も潰れる型」「父親不在の子の発想はいびつになる」との項目・記述がある。



記者は先月、八王子の統一協会ビデオセンター【ブルースター/Blue Star(青年部)】【セレクト多摩(婦人部)】を訪問取材した際に、年配女性が家系図を前に統一協会信者から『先祖の因縁トーク』をされていた現場を確認している。(統一協会(統一教会)ダミー施設訪問【八王子】

 『新・家系の科学』著者の与那嶺正勝氏、略歴では1950年沖縄生まれ琉球大学中退後独学で民俗学・東洋哲学を学び、家系の調査にのめり込み全国で2万件以上の家系調査をしたとされる。1982年に家系の不思議な法則性を発見し研究、1990年に徳間書店より『家系の科学 女性がキー・パーソンだったTokuma books』を出版。その後ビデオ出版『家系の不思議』を出版、1993年には『家系でわかる繁栄と没落CD(「企業」「家」の盛衰を左右する家系の科学。85%の法則、絶対ゼロ圏の秘密。繁栄を拓く縦横の法則・・・)』を収録。2006年には『家系を科学する』、2009年には『図解家系の科学ノート 繰り返される家系の法則を解明し、明るい未来を開く』を統一協会の教祖文鮮明の自叙伝を発行した創芸社から出版している。『家系未来学』を提唱し、家系調査・家系図制作、企業や学校・各種団体などでの講演活動も行っているとのこと。肩書きは『21世紀塾塾長』『郷土民族研究会副会長』『日本家系図学会会員』『家系研究協議会会員』『日本家系研究学会会長』と何でもありの感。

 統一協会問題に詳しい関係者への取材から、与那嶺氏が統一協会の信者であることが判明した。更に『家系の科学 女性がキー・パーソンだったTokuma books』は、統一協会ビデオセンターで教材使用されていたことも確認できた。

 霊感商法を助長しかねないこの書籍広告掲載について、読売新聞東京本社に『やや日刊カルト新聞』として電話取材をした。

 まず代表電話に掛け、やや日刊カルト新聞というニュースサイトの記者と名乗り広告部審査部に取り次ぎを頼むと、読者センターにかけ直してくださいとの返答。広告審査部への取り次ぎは読者センターの判断に委ねるとのこと。読者センターへ電話を回してもらい、再びやや日記者であることと取材用件を伝えた。

 返答は後ほど改めて連絡するとのことで一旦電話を切った。1時間後読売新聞から電話があった。広告審査部に繋ぐとのことだったが何故かそのまま電話が切れた。記者が掛け直すと、広告審査部からの回答として

「1 Q.チェック機能や審査については?
   A.審査はしている。反社会的内容があるものについては掲載しない

 2 Q.広告掲載地域範囲は?
   A.全国

 3 Q.見解と今後どのような対応を取るのか?
   A.事実関係を確認した上で今後の掲載については社として判断していく」

 との伝言があった。

「ではそのまま記事にしますよ」と告げると「それなら対応が違う」と電話を広報部に回された。

 電話に出た広報部担当者は、「あなたね、取材なら取材と最初に言わなきゃダメだよ」と不機嫌な口調、「ちゃんと言いましたよ」と返すと「FAXで広報部宛てに要旨を送信して。うちはそうしてもらってるから」と言われたので以下の質問書をFAX送信した。


~FAX送信書~

読売新聞東京本社広報部御中

平成22年5月2日に貴社が発行された読売新聞朝刊11頁文化面【本よみうり堂】の下段広告欄に於いて、コスモトゥーワン出版の『新・家系の科学』という書籍の広告が掲載されています。

著者の与那嶺正勝氏は世界基督教統一神霊協会(統一協会/統一教会)の信者であることが、統一協会問題に詳しい関係者への取材により判明しました。

家系図はそのセミナーなどから、現在も続く悪質な霊感商法のアイテム(先祖の因縁トーク)として、全国各地の統一協会ダミー団体で使われています。
摘発によりおおっぴらに壺や印鑑を売れなくなってきている統一協会の主力商品と言っても過言ではありません。

与那嶺氏の書籍・CDやビデオについては、正体と目的を隠して勧誘してきた受講者に対しての教材として各地のビデオセンターで使われていたとの情報もありました。

今回の貴社の掲載広告内容は、このように全国各地で逮捕者が出ている反社会的団体の霊感商法を助長しかねないものではないかとの危惧から、貴社に情報提供するとともに質問をさせていただきたいと思います。

1.貴社の広告局は、HPでは「広告第三部第一課が書籍・出版を担当し広告審査部に於いて掲載基準と照らし合わせて審査をする」となっていますが、今回の広告掲載にあたっての審査について問題はなかったと思われますか?
また貴社の掲載基準について、差し支えなければ教えてください。

2.今回の広告が掲載された地域の範囲を教えてください。(全国か地域か)

3.今回の指摘を受けての貴社の見解と、例えば今回の掲載広告を見たことがきっかけで結果として霊感商法の被害等に遭ったという被害者が現れた場合の対処を含め、社会の公器としての同義的な責任を踏まえて今後のどのような対応をするのかということについてお答えいただけると幸いです。


カルト問題を取り扱うニュースサイト【やや日刊カルト新聞】
http://dailycult.blogstop.com/

 回答はまだ来ていない。

 当該広告は読売新聞HPの広告料計算式によると推定約1764万円、スペースからいってもその半額分900万円弱が与那嶺氏の書籍の宣伝に費やされていることになる。

 今回のケース、世界一の発行部数1000万部を誇る大新聞の審査にしてはお粗末さが目立つ。「知らなかった」では済まされない問題をも含んでおり、社会的影響力の大きさからも今後の審査体制の充実を願いたい。

 読売新聞から回答があり次第、続報を掲載する。

7 件のコメント:

  1. 「所詮はいわしの頭」と思って地元(北海道)新聞の広告を見ていましたが……続報を待ちながら、以後気をつけることにします。

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  2. 別に朝日新聞も、他の新聞、雑誌でも掲載してるように思えますがね(無論、問題ですが…)。

    宗教カルトではないけど、(毎日新聞系列の)毎日コミュニケーションが主催する有名な求人サイトでも、マルチ商法や、未公開株売買他の犯罪を犯している会社の営業求人が掲載されていました。

    私は、一読者という立場で何度も抗議したけど、結局、その会社が摘発され、新聞沙汰になるまで掲載は続いていました。

    そのサイトだけでなく、求人サイトはお金さえ払えばそのような問題のある企業の求人は平気で載せるし、雑誌にも載せます。

    マルチ商法は、宗教カルトとは区別される「経済カルト」という狂信組織だし、統一協会系列だと疑われるような企業の求人も掲載されています。

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  3. 僕も気が付いたら、発行元などに問題点を指摘しようと思います。

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  4. やっぱり統一協会の霊感商法の元ネタ本だったんですね。
    広告費に見合うだけ売れるのでしょうか?
    そんなに売れないだろう今さら・・・と思いつつ読みすごしました。

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  5. 広告費に見合うだけ売れる事はないでしょうが、
    「統一教会の家計図診断は読売新聞にも認められている」
    と信者に宣伝してその信憑性を高める事は出来るでしょうね。

    私の購読している別の新聞にも、悪徳商法の広告がよく載っています。
    読者が本文と広告をきちんと分けて考える必要もありますが、
    新聞社側も事前の調査と、それでも気付かずに載せてしまった場合は、その後の対応をきちんとして欲しいですね。

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  6. 読売さん、何時も偉そうに国民にお説教たれているのにね。
    「日本がダメになる」とかなんとか、民主党がスポーツ選手を立候補させるとなるといちゃもんつけたり(自分も良くはないと思うけど)、しかし自民党が長年そのパターンで票欲しさに有名スポーツ選手を立候補させてきたことには、見てみぬ振り、知らん顔、今度は手のひら返したようにご批判なさっておられる!
     それにしても、ちゃんと調べられ、きちんとした文面で大新聞に抗議をなさっておられる方がいらっしゃるのですね。日本の民主主義を地道に支えておられる貴方に乾杯です。ありがとうございます。

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  7. 読売新聞が謝罪する以前に与那嶺氏の主張が間違っているという証明をしなければならないのでは。被害にあったと言う一方的な主張だけではなく、救われたという人もいるのではないでしょうか。

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