今日JSCPR公開講座に統一協会が抗議活動を予定

　今日、午後1時から京都市内で、JSCPR（日本脱カルト協会）による公開講座「カルト問題からみた大学の役割－対策から教育へ－」（資料代1000円、学生聴講無料）が開催されます。これに対して、統一協会（世界基督教統一神霊協会、統一教会）が同日、会場周辺の路上でビラ撒きなどの抗議行動を予定しているとの情報が入りました。具体的な抗議内容は不明ですが、近年、JSCPRなどが全国の大学に呼びかけている大学内でのカルト対策の動きに対抗する活動の一環と思われます。


　JSCPRは、「破壊的カルトの諸問題の研究をおこない、その成果を発展・普及させることを目的としたネットワーク」（JSCPRウェブサイトより）で、聖職者、臨床心理士、弁護士、精神科医、研究者のほか、カルト的集団の元メンバー等で構成されている団体です。ここ数年JSCPRでは、大学におけるカルト勧誘の問題について全国の大学に向けて注意喚起等を行って来ており、2008年に第2回カルト問題研修会「学校におけるカルト問題―その実態と対策―」、2009年に公開講座「大学におけるカルト予防の実際と展開」、2010年に同「大学におけるカルト問題の今　－現場・理論・対策－」といったイベントを開催するほか、理事やメンバーらが大学などに招かれて大学におけるカルト問題について講演・講義を行うなど、啓発活動を行っています。

　今日、京都市下京区のキャンパスプラザ京都で開催される公開講座「カルト問題からみた大学の役割－対策から教育へ－」も、その一環です。また全国の大学では、ここ数年、学内でのカルト勧誘への警戒感が高まっており、実際に様々な対策を取る大学も増えてきています。正体を隠して学生を勧誘する統一協会については、以前から大学内での勧誘が問題視されてきていました。しかし多くの大学が本格的に対策に取り組み始めたのは、ここ数年のことです。

　一方、近年、統一協会信者への脱会支援活動を「拉致監禁」として非難する抗議活動を活発化させている統一協会。大学におけるカルト対策が普及してきた動きを無視できなくなってきたのか、関連団体であるW-CARP JAPANが、こんな活動も始めています。

【W-CARP JAPAN Official Blog 2011年06月15日】「カルト対策」についての論文募集
大学における「カルト対策」は年々その過激さを増し、「カルト対策」の名を借りて行われる信教の自由の制限にもつながるケースが近年非常に多く報告されています。

W-CARP Japanではこのような大学の「カルト対策」の現状を問題視し、今回、大学における「カルト対策」を学術的に批判・分析し、学内における信教の自由の制限であることを立証する論文を募集します。
（略）

　統一協会がJSCPRのイベントに合わせて周辺で抗議活動を行うのは、おそらく今回が初めて。抗議活動を前に、FACEBOOKで統一協会信者らしき人物がJSCPR理事を挑発したりもしています。

＜それに妨害しようなんて思ってないですよ。正式な抗議です笑
勿論、警察にも許可は取ってます。だから一応連絡はしたんでしょうね。想定内です。
ターゲットは●●さん（JSCPRの理事の一人）じゃないので、ビビらないで堂々とやってくださいねw＞

＜土産でも持ってご挨拶に伺いますね。ツーショットで記念撮影でもしましょう。それにしても趣味の良い企画ですね。ソソられますよ。＞

＜少しお話出来ればとは思いますが、いかんせん●●さんは、僕らのメインディッシュではないんです。＞

　彼らの“メインディッシュ”は、誰なのでしょうか。トラブルにならなければいいのですが。

【JSCPR公開講座2011 「カルト問題からみた大学の役割－対策から教育へ－」】
日時 2011年6月25日（土）13:00-16:45 (12:30 開場)
講演内容
■代表理事挨拶
西田公昭（立正大学）
■基調講演
松岡洋一（岡山大学）「学生支援とカルト対策について」
■講演
楠山泰道（日蓮宗僧侶）「高校教育からの取り組みについて」
高山正治（倉敷めぐみキリスト教会）「宗教者と大学の連携」
鈴木次郎（JSCPR理事）「カルト被害者の親として」
太刀掛俊之（大阪大学）「学生支援ステーションの取り組み」
■寸劇「カルト側の立場から見た大学」
福岡晶子（JSCPR）・瓜生崇（大阪大学）
■質疑応答・ディスカッション
場所 キャンパスプラザ京都４F第２講義室　>> アクセス
司会者 平野学（慶應義塾大学）　鈴木文月（椙山女学園大学）
参加費等 当日受付、資料代1000円（学生聴講無料）
主催 日本脱カルト協会
後援 日本学生相談学会