霊感商法神世界・教祖の父、葬儀は仏教式だった

本紙既報の通り、5月1日に横浜地裁で懲役5年の実刑判決を受け即日控訴した「神世界」の教祖・斉藤亨被告。その父親が、斉藤被告の判決公判の1週間前の4月24日に死去。山梨県内のセレモニーホールで同28日に、曹洞宗僧侶による仏式の葬儀が行われました。


■香典を受け取ったその場で開封しカウント

教祖の父の葬儀に参列した男性が、本紙の取材に答え、その不可思議な葬儀の様子を語りました。

「参列者は親族を除いて80名くらい。受付で香典を渡すと、なんと私の目の前で開封し、2人の係がそれぞれ数えるダブルチェックを行った上で、さらに別のスタッフが参列者の名前と香典の金額をひたすらパソコンに入力していました。こんな葬儀、初めて見ました。私のそばにいた男性は、なぜか1000円しか香典を入れていなくて、それを目の前でカウントされていましたよ」

被害者から180億円も巻き上げていた守銭奴教団らしい葬儀です。

■曹洞宗の僧侶が読経

葬儀には、元神奈川県警警視・吉田澄雄氏（犯人隠匿で懲役2年・執行猶予4年の判決）と「有限会社神世界」の代表取締役・日原易子（起訴猶予）といった神世界関係者が花を贈っており、弁護人を辞任した神世界側の弁護士も参列。そんな「神世界」の葬儀はどんなものだったのでしょう。

「それが、曹洞宗のお坊さんが来てお経をあげる、ふつうのお葬式でした。なんでも、斎藤家の菩提寺が曹洞宗のお寺だとか」

え？　「神世界」の教祖一族の菩提寺は曹洞宗？

■神世界はクリスマスも祝う？

本紙・藤倉は、2007年に神世界の詐欺事件が発覚し騒動になっていた頃、系列のサロン経営者・杉本明枝氏（組織的猜疑罪で懲役3年、執行猶予5年の判決）が開いた釈明の記者会見を取材しています。それはクリスマスイブのことでした。

集まった報道陣に対して杉本氏は、長引いた会見を一旦中断し、なんとクリスマスケーキを振る舞ってくれました。私は現地ででくわした知人のライター相手に、

「神世界ってキリスト教かよ！」

とツッコミを入れていたのですが、彼は、そんなことお構いなしにケーキを頬張りながら

「美味いっ！　味の神世界～！」

などと叫んでいました。

■実は「世界救世教式」

記者会見では報道陣にクリスマスケーキを振る舞い、教祖の父の葬儀は仏教式。いったい、神世界というのは、何系の宗教なのでしょう。葬儀に参列した男性が、語ります。

「斉藤一家は、世界救世教の元信者なんですよ。世界救世教の教祖である岡田茂吉は、信者がもともと属している家の宗教・宗派を否定せず、その信仰や所属を維持したまま世界救世教に関わることを認めていた。斉藤一家も、それを引き継いでいるのでしょう」

他宗教に寛容なのはいいことですが、病気に悩む人を騙して脅して多額のカネを巻き上げてたら意味ないですね。