幸福の科学が本紙主筆と新潮社を“1億円提訴”へ＝本紙記者全員を出入禁止に

11月15日発売『週刊新潮』（11月22日号）に掲載された、幸福の科学学園の内情暴露記事をめぐって、幸福の科学グループ広報局は27日、発行元の新潮社と記事執筆者の本紙・藤倉善郎主筆に対して、あわせて1億円を求める訴訟を起こすことを決めたと通告しました。同時に教団は、藤倉主筆および「やや日刊カルト新聞」記者に対して、教団施設と教団イベント会場への「出入禁止」も通告。個人ではなくメディア単位で教団から「出入禁止」通告を受けたのは、「やや日刊カルト新聞」が初めてとみられます。

■事実を認めているのに1億円訴訟？

11月15日発売『週刊新潮』は、幸福の科学学園（栃木県那須町）の宗教教育・政治教育・生徒への懲罰の実態について報じました。執筆者は本紙・藤倉善郎主筆。教団側は取材を受けた際には具体的事実の大半を認めておきながら、記事掲載後には「捏造だ」などと抗議する記事を教団関連サイトに複数、掲載。『週刊新潮』発売後に、新潮社と藤倉に対して記事の訂正と謝罪を要求していました。

しかし27日、記事の訂正と謝罪を拒否する新潮社と藤倉からの返答が教団側に到着。それを受けて教団は訴訟を提起することを決め、『週刊新潮』編集部と藤倉に電話で通告しました。

現時点ではまだ訴訟の手続きは行われておらず、訴状も届いていません。わかっているのは、被告が新潮社と藤倉になる見込みであることと、訴額は1億円を予定しているということだけです。

■やや日刊カルト新聞、ついに出入禁止！

教団は同時に、藤倉と「やや日刊カルト新聞」の記者に対して、「教団施設への立ち入りと教団の公開イベント（教祖・大川隆法総裁の大講演会等）の会場への立ち入りを今後お断りする」と通告。藤倉との間で、このようなやりとりが行われました。

藤倉「カルト新聞の記者たちは新潮の記事と関係ないですよね。うちの記者たちが何かしたんですか？」

広報「藤倉さんが主筆をされているサイトの方たちということで、お断りさせていただきます」

藤倉「今後、というのは未来永劫ですか？」

広報「とりあえず、今後ずっとということです」

幸福の科学は、本紙を「個人ブログであって報道ではない」ものとして扱って、画像の削除を求めてきている最中です（本紙〈幸福の科学が“菊池カンペ霊”画像の削除を要求、本紙は拒否〉参照）。「個人ブログ」なのに「記者全員、出入禁止」とは、意味がわかりません。

なお、これまで教団から名指しで出入禁止を食らった個人はいるものの、メディア単位で出入禁止を通告されたケースは「ほかには知らない」（教団広報）とのこと。なぜか『週刊新潮』にも出入禁止通告はしていません。

「週刊新潮さんも、もしイベントなどに来ればお断りしますが、いままで来たことがないので事前通告もしていません」（教団広報）

本紙が幸福の科学から初めて出入禁止を通告されたメディアとなったのは、日頃の熱心な取材活動が週刊誌以上のものであると教団から認められたということでしょう。

ちなみに日本を代表するカルト集団「統一協会（世界基督教統一神霊協会、統一教会）」ですら、本紙の取材に注意するよう全国の教団施設に手配書を配りながらも、本紙に対して「出入禁止」通告まではしていません（本紙〈本紙主筆ら、全国に“指名手配”か〉）。

■本当なのかウソなのか

しかし『週刊新潮』の記事をめぐっては、広報も含めて幸福の科学の職員たちが反論記事や抗議、霊言映像などで、ウソばかりついてきました（本紙〈週刊新潮の“学園報道”＝幸福の科学の珍反論を検証する〉〈幸福の科学が公開した「新潮社社長の霊言」はウソまみれ〉参照）。

出入禁止を通告してきた広報職員自身、『週刊新潮』の記事執筆のために取材をしていた藤倉について「痴漢かもしれない」として警察に通報したと口走っては、撤回して謝罪し、しかしその後も説明を二転三転させた人物です。この人物は、本紙〈幸福の科学が大学祭で偽装出展？〉に対して、「（早稲田祭での出展に際して）偽装はしていない。（宗教団体との関わりを明示しなかったのは）早稲田祭運営の指導」などとウソをついて本紙に抗議してきたこともありました（その顛末は本紙〈本紙主筆を排除しようとした幸福の科学が早稲田祭から排除される〉参照）。

最近、幸福の科学広報の説明は、あからさまなウソが続いています。ですから、出入禁止という話も、もしかしたらウソかもしれません。本当は来てほしいのかも……