韓国人夫殺害の統一教会日本人妻に求刑を超える懲役9年の判決下る

2010年の合同結婚式のチラシ

本紙既報記事『韓国で日本人妻が夫を殺害、統一協会信者か？』 『統一協会が渡韓日本人妻の夫殺害事件を黙殺、訴訟への影響を懸念か？』の続報。

昨年8月に起こった日本人統一教会女性信者による夫殺害事件で、今月29日、韓国春川地方法院に於いて判決公判が行なわれ、第2刑事部の朴祥区部長判事は殺人の罪に問われた被告人・朴美雪（53）に対し懲役9年の実刑判決を言い渡した、

1995年の合同結婚式で韓国に渡り韓国人と結婚させられた日本人妻による殺人事件は、精神鑑定の結果を鑑みて設定された検察の求刑7年を上回る重い判決となった。

日韓の統一教会本部は相変わらずこの事件の発生や裁判自体を黙殺しており、異国の地で生活苦や夫からの暴力に苦しみ殺人を犯した日本人女性は全てを帰依した宗教団体からも見棄てられた格好だ。

◆韓国での報道

韓国連合ニュースの記事を引用する。

【韓国　連合ニュース 2013年1月29日】

지병 앓는 남편 살해 日人 아내 징역9년 중형持病病む夫殺害 日本人妻に懲役9年の重刑

(資料写真)

（春川=連合ニュース）イ·ジェヒョン記者=腎不全を患ってきた韓国人の夫を十数年余り看病し、生活苦と家庭内暴力に耐え切れず窒息死させた日本人女性に懲役9年が宣告された。

この女性は夫を殺害した後、病死したかのように申告した事実が明らかになり検察の求刑（7年）よりも重い量刑を受けた。春川地裁第2刑事部（朴祥区パク・サング部長判事）は眠っていた夫をタオルで窒息させて殺害した疑いで拘束・起訴された日本人Ａ（53·女）に懲役9年を宣告したと29日、明らかにした。

ある宗教団体の斡旋で国際結婚した夫婦の痛みは、1995年に遡る。

当時Aは国際結婚を期に韓国に渡り、夫B（52）さんと春川（チュンチョン）に新居を構えた。しかし、夫Bさんにはこれといった職業がなかったせいで、この夫婦は貧乏人が住む零細民アパートで苦労し生活した。

弱り目に祟り目で夫のAは、2002年から腎不全を発症。生活はさらに困窮した。生活苦のせいで子供も作れなかった。その後、Aは夫を看病してなんとか結婚生活を続けてきた。腎不全の病状を好転させるための血液透析と薬代に掛かるお金は月に約40万〜50万ウォン。Aは医療費に充てようと家事手伝いの仕事をして一ヶ月に50万ウォンずつ稼ぎ、仕事ができないときは、懇意にしている結婚移住女性たちが十匙一飯集め手伝ってくれた。しかし、この頃、夫の家庭内暴力が始まった。酒を飲むと家財道具を壊して悪態を吐くなどの暴力を振るっていたことが分かった。結局、Aは昨年8月21日午前3時ごろ、春川市（チュンチュンシ）孝子洞（ヒョジャドン）のアパートの居間で寝ていた夫の顔にタオル押しつけ窒息させて殺害した。

犯行直後Aは119に、 "腎不全を患う夫が呼吸がない"と申告して夫が病死したように装った。

殺人の疑いでAを起訴した検察は、Aの精神鑑定の結果、 "適応障害による心身微弱"状態だったと判断して懲役7年を求刑した。

◆『基元説』名目の金集めに必死な統一教会本部は黙殺

狡猾な人身売買システム

当初、「責任逃れはしない」と言っていた統一教会松濤本部は、その後変説し何故かこの件を黙殺している。裁判では韓国統一教（世界平和統一家庭連合に改称）が私設弁護士を付けるとの情報もあったが、今回の裁判では国選弁護人が弁護に当たったと云われている（韓国統一教が付けた弁護士が弁護人を務めたとの情報もある）。


過去に祝福を受けた信者が全員参加するという基元節の式典だが、拘置所の朴美幸に基元節の案内は届いているのか。

基元節で、朴美幸は自らが殺めてしまった『霊界の夫』と『霊肉祝福』を受けるのか？

幸いにして統一教会内部ではどんな『逸脱』も聖酒を飲めばチャラになるようだ。殺人も赦されるということか。


◆「特殊な例外的事例」ではない

障害や精神疾患の有無も記入させられる

この事件は『崇高な理念に基づいて行われたプロジェクトの数多い成功例のうち、個人的事情から不幸にして起きてしまったレアケースであり、飽くまで例外』などというものではない

組織的に日本人女性に目的と正体を偽って近付き、教化した上で異国へ送り込み人格破綻者や生活無能力者に侍らせ奴隷的な扱いをさせてきたカルト教団の悪質且つ卑劣な人権侵害・人権蹂躙の事例の最たるものである。

これはある意味、起こるべくして起こった事件ともいえる
アメリカで花売りに従事させられ殺害されたり、訪問販売中に殺害された日本人信者もいる。

国内に於いても、珍味売りマイクロ隊の運転手が不眠不休で酷使された挙句に事故を起こし、複数の信者が死亡したケースもある。

他にも様々なケースが報告されており、統一教会自体の問題で死亡した信者は少なくない。

これらは統一教会自体の人権蹂躙システム自体が直接の原因である


渡韓した7千人とも云われる日本人妻は、各々自らが勧んで韓国に渡ったわけではない
本人たちはそう思い込まされているが、カルトの教化によって自由な意思決定を侵害されているのだ

韓国国内には似たような境遇で苦しむ日本人妻が多数在ると指摘されている。

現役の古参信者でさえ「あの時の韓日祝福は酷過ぎた」と憤慨するほどだ。

但し、その憤慨を自らが属する教団の存在やシステム自体に対する刃として向けることができないところに、飼い馴らされた信者の悲哀さも垣間見えたことも事実だ。