統一教会、“桜田淳子の子供世代”二十歳の二世信者が偽装勧誘「アンケートをしているだけです！」

アンケートを持っているのが二十歳の二世信者勧誘員

カルト勧誘が活発化するこの時期、本紙記者は都内ターミナル駅周辺に於いて行われていた統一教会の偽装勧誘現場に遭遇した。

正体隠し勧誘を行なっていたのは二十歳の二世信者だ。この二世信者は、統一教会の伝道であることを否定したばかりか、涙を流して記者に抗議してきた。

桜田淳子が参加したことで話題となった1992年の合同結婚式。そこでマッチングされた3万双と呼ばれる統一教会カップルから生まれた二世信者、所謂、“桜田淳子の子供世代”が街頭勧誘に駆り出されている実態がまたひとつ明らかとなった。

社会経験が乏しく、教団内で純粋培養されてきた二世信者のエキセントリックな反応。そこからはカルト問題の持つ“複雑さ”が垣間見えた。


週末の夜7時、記者はカルト勧誘のホットスポットである新宿駅西口に於いて、統一教会による偽装勧誘現場を発見した。

早速介入し詰問したところ、正体を隠して勧誘していた女性勧誘員は自身が統一教会の信者であることだけはかろうじて認めたものの、統一教会への伝道活動であるかについてはこう答えた。

「これは違います！アンケートをしているだけです！」

宗教勧誘であることを告げてないばかりか、対象者の個人情報を訊き出すに当たって、適切な情報開示すら行っていないことが判った。逆に記者に質問してくる始末だ。

「 どう言えばいいんですか？」

「霊感商法や正体隠し勧誘により社会的に問題があるとされている宗教団体の伝道です」と告げるべきではないか、そう云う記者に、勧誘員は涙を浮かべ反論。

「なんでそんな酷いこと 言うんですか！？」

そのエキセントリックな反応に引っ掛かりを覚え、この勧誘員に信仰を持った経緯を訊いたところ「私は両親が・・・」と二世であることを告白、祝福二世であることが判った。

勧誘対象者に 対して教団の合同結婚式のことを告げたのかと、二世信者に訊くとこう抗弁した。

「何で言わなきゃいけなんですか？」

「個人情報の収集に当たって彼女（対象者）が自分の個人情報を渡しても大丈夫なのか判断する材料を与えなければならない」と諭していると、“協助”のタイミングを待っていた信者仲間が偶然を装い割って入ってきた。

「あれ？〇〇さん、何してるの？」

現れた信者仲間に再度、伝道活動をしているのかと訊くと渋々認めた。

「・・・そうです、…伝道です」

何故先程、伝道ではないと嘘を吐いたのか、二世信者を問い詰めていると、伝道機動隊リーダーの男性がサブリーダーの女性を従え登場した。

「いいよ、もう行こう」

対象者の意思を確認し、個人情報を削除するよう求めると、仲間の信者が記者に喰って掛かってきた。

「可哀相じゃないですか！まだ二十歳なのに！」

成人してるなら尚更社会のルールを守るよう諭すと、仲間は二世勧誘員を労わり始めた。

「もう大丈夫だからね、よく頑張ったね」

そのある種異様な光景に絶句する勧誘対象者。その勧誘対象者に二世勧誘員が告げた。

「ありがとう」

そこで言う言葉は「ありがとう」ではなく「騙してごめんなさい」ではないのか？ と諭したが、二世勧誘員は仲間と共に去っていった



伝道目的を糊塗し、組織的に個人情報を収集する統一教会。
ここ数年は青年の伝道実績が上がらず、“原罪のない神の子”とされる二世信者まで、違法行為である正体隠しの偽装勧誘に動員されていることが確認されている。
一般社会や大学キャンパスに於いて初めてに近い状態で、今までに刷り込まれていたものと180度違った統一教会の社会的評価に直面する二世信者たち。 そこからは様々な軋轢が発生している。
所謂カルト二世の問題は、今後も様々な形で派生してゆくと思われる。


今回の勧誘対象者はこの二世信者が同じ大学だったからと連絡先を交換していた。
このような二世信者は通常、統一教会の学生組織であるCARP（原理研究会）に所属し、勧誘を行なっている。

昨今はどこでカルトや悪質商法の網に掛かるか判らない。安易に個人情報を渡すことのないようその危険性を含めて周知させていくべきである。