統一教会を不当解雇で訴えた元大分教会長が勝訴！＝統一教会幹部弁護士「反逆者を教会長にしておけるかっ！」

韓国の訴訟で敗訴した文国進・統一教維持財団前理事長(現在は失脚)

統一教会の大分教会長だった韓国人男性が、韓国に於ける別件の裁判で教団に不利な証言をしたことなどを理由に日本統一教会から不当な解雇を受けたとして、解雇無効と地位保全の確認及び未払い給与と慰謝料の支払いなどを求めていた裁判で、福岡地裁第5民事部の府内覚裁判長は8日、原告の請求をほぼ認め地位保全を確認、未払い給料及び慰謝料の支払いを統一教会に命じる判決を下した。

統一教会系列の新聞社ワシントントンタイムズへの支援を謳った献金集めに関し、韓国の裁判所で重大な証言をした元大分教会長。当時、文鮮明教祖の後継者として教団の内で絶大な権力を誇っていた教祖の4男・文国進氏を敗訴に追い込んだ証人は、自身を不当解雇した教団から勝訴を勝ち取った。

判決文には、宗教活動とは無関係な営利企業に流用する意図で信者から献金を集めていた実態が記されており、宗教法人法に抵触する違法行為が教団ぐるみで行なわれていた疑いがより一層深まった。

◆韓国の裁判で教団に不利な証言したら「懲戒解雇！」

統一教会の大分教会長だった韓国人のP氏は、平成23年7月、韓国に於ける刑事訴訟で被告側の証人として出廷し「ワシントンタイムズ特別献金」について証言したことなどを理由に同年11月、統一教会から懲戒解雇された。
P氏は翌年統一教会を相手取り、解雇無効と地位保全の確認、未払い給与及び慰謝料の支払い、そして教団公式HPへの謝罪文掲載を求める民事訴訟を提起した。

判決では、慰謝料請求額の1100万円は50万円に減額され、教団公式HPへの謝罪文掲載請求も棄却もされたが、未払い給与の支払いと解雇無効及び地位保全請求は認められた。

ちなみに、大分教会長だったP氏の月給は29万5千円だ。

以前流出した教団内部資料から、ワシントンタイムズを含む海外の教団関連機関に日本統一教会が多額の資金提供をしていた実態が判明している。  同資料には、日本中の教会員から集められた年間500億円を超える巨額の献金（霊感商法やダミー施設等の収益を含む）から教団職員や牧会者の給与等の経費を引いた残額数百億円が、毎年韓国の教祖一族に送金されていた事実も記されていた。

◆日本統一教会が宗教法人法違反？

一連の裁判の焦点は、平成21年11月から翌年2月に掛けて、経営危機に陥った統一教会系新聞社・ワシントンタイムズの救済を謳った献金集めを、統一教会が行なっていたかどうかということだ。宗教法人が一営利企業の救済のために信徒から集めた献金を流用することは宗教法人法違反となるからだ。

当時統一教会内部では

「ワシントンタイムズが不渡りになる危機」

「ワシントンタイムズ職員に対する給料が未払い」

「ワシントンタイムズが倒産の危機に瀕しているので緊急支援が必要」

「統一教会と関係が深いブッシュ大統領一家が保有するワシントンタイムズの持ち株を買い取る必要がある」

などといった名目で献金を集めたとされる。

裁判所に提出された証拠資料には、P氏と当時日本統一教会企画本部長だった大嶋秀幸氏との間で交わされたワシントンタイムズ救援献金に関する会話が記録されている。

韓国での裁判は、W-CARP韓国会長だったK氏が平成23年初頭「文国進が日本の信徒からワシントンタイムズ支援献金を集めたのに、それを任意目的に流用した」とワールドコリアカープ掲示板に掲載したことについて、当時統一教維持財団理事長だった文国進氏から名誉棄損で刑事告訴されたものだ。この裁判は今年2月「犯罪事実の証明がない」として無罪判決が下り、同年6月に検察側の控訴も棄却された。

一連の裁判では統一教会幹部が証人として出廷し「営利企業であるワシントンタイムズに信徒から集めた献金を充当することは 宗教法人法違反となるため、そのようなことをするわけがない」との意の発言をしている。つまり、統一教会幹部は ワシントンタイムズへの支援献金が違法行為となることを認識していたということになる。もし、そのことを認識していたにもかかわらず教会員からワシントンタイムズ支援献金を集めていたとしたら 法的には悪意を持って行なった行為となり、より悪質ということになる。

◆幹部弁護士が「反逆者を教会長にしておけるかっ！」

福岡の裁判の過程では、P元教会長が三男派に寝返ったとして、被告側弁護人の統一教会幹部・福本修也弁護士が「反逆者を教会長にしておけるかっ！」と憤る場面があった。

「反逆者を教会長にしておけるか！」一喝も

あえなく敗訴した統一教会の福本修也弁護士

この判決について、統一教会側は控訴する意向だという。

統一教会問題に詳しい識者は、福岡地裁の判断を 「統一教会側はメンツがあるから控訴するだろうが、控訴したとしても（判決結果を）動かし難い勝ち方」と分析している。