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2017年6月27日火曜日

富山のホメオパシー市議、NHKで“感動ポルノ女優”デビュー

目撃!にっぽん「市民の選択~議員に何を求めるのか~」
ホメオパシー団体の認定講師として反ワクチン活動を繰り広げてきた経歴を隠蔽して、昨年11月の富山市議選補選で初当選した上野ほたる市議。任期満了に伴う今年4月の市議選でも、やはりホメオパシー活動家としての経歴を隠蔽したまま再選を果たしました。この上野市議について6月11日と25日にNHKが、ホメオパシー活動家としての経歴やそれを隠蔽して当選した事実に一切触れないまま好意的に紹介するドキュメンタリーを放送しました。


■上野氏とホメオパシーの関係

富山市政に暗い影を落とす上野ほたる市議(公式サイトより)
上野氏の公式サイトによると、上野氏は〈介護施設に事務職として勤務〉していた32歳。〈食や健康に関するセミナーの主催等、ママ向けの発信も行う〉と書かれていますが、具体的にどのような「セミナー」なのかは書かれていません。

しかし本紙既報の通り、上野氏は「ホメオパシーセンター新潟上越」認定のワクチンセミナー講師として、インフルエンザ等のワクチンの危険性を訴えるイベントなどを開催してきた人物(本紙富山市議選でホメオパシー系活動家が当選=上野ほたる氏、ブログ削除で逃亡参照)です。

放射能対策を謳うホメオパシーの砂糖玉
ホメオパシーとは、効果が科学的には否定されている民間療法の一種。病気等の治療に効果がある成分を染み込ませたと称する砂糖玉を飲むというもので、基本的にこれで死んだりすることはありません。しかし通常の医療を否定してホメオパシーだけに頼る信奉者を生み出すことから、死者が出るケースが日本でも報告されています。2010年には、山口県でホメオパシー信奉者の助産師が乳児にビタミンK2シロップを投与せず死亡させたとして遺族から訴訟を起こされ、日本学術会議が「この主張には科学的な根拠がなく、荒唐無稽としか言いようがありません」などとする声明を発表する騒ぎに発展しました。

このとき、助産師がホメオパス(ホメオパシー療法家)の資格を取得していたのが、「日本ホメオパシー医学協会」。上野氏がワクチンセミナー講師の資格を取得したホメオパシーセンター新潟上越は、この日本ホメオパシー医学協会の系列団体。この団体では、ホメオパシーを推進するのと同時に、ワクチンを否定するなど従来の通常の医療を非難する主張を行っています。

昨年11月の補選では、ホメオパシーセンター上越の代表者も堂々と応援(小島利恵氏のブログより)
上野氏は昨年11月6日に行われた富山市議補選に立候補した際、自身のブログなどから、ホメオパシーや反ワクチン活動に関する記事を削除して隠蔽。当選後、本紙が事実確認のため取材を申し入れたものの返答はなく、代わりに上野氏は自身のブログそのものを削除するという行動に出ました。その上で、今年4月16日に任期満了にともなって行われた富山市議選にも立候補し、候補者58人中5位となる4,073票を獲得して再び当選しました。

■上野氏を主役に据えたドキュメンタリー

目撃!にっぽん「市民の選択~議員に何を求めるのか~」
富山市議会では昨年、政務活動費をめぐる不正を認めた市議が14人も辞任するという騒ぎが起こったことで全国的にも注目されました。上野氏が初当選した同年の補選は、この大量辞任を受けて行われたもの。その4カ月後には、こんどは任期満了に伴う市議選も行われました。

この一連の富山市議選を追ったNHK富山制作のドキュメンタリーが、『目撃!にっぽん「市民の選択~議員に何を求めるのか~」』。NHK総合で6月11日と13日に全国放送され、25日にNHK富山で再放送されています。番組では冒頭、こんなナレーションが入ります。

「地方議員はどうあるべきなのか、市民はどのような議員を選べばよいのか。選挙を通して、地方政治のあり方が改めて問われることになった」

候補者が素性を隠蔽していたら、どのように選べばよいのかもへったくれもないわけですが、それはともかく、さっそく上野氏の街頭演説の映像です。

「新しい力を、新しい富山を、新しい光を富山市に送り込まなければならない」(上野氏)

もう一人登場するのが、自身の政活費不正を「事務的なミス」としながらも議員辞職し、改めて市議選に立候補した浦田邦昭氏(70歳)。番組は、若い素人政治家と、批判を浴びて辞職した年配の自民党政治家の2人を対比させる形で市議選を振り返ります。

昨年の補選については、「上野は政活費そのものの廃止を主張。子育てや福祉の政策を充実させるべきだと訴え、初当選を果たした」(ナレーション)と紹介。ところが、上野氏の言動はその後、変節していきます。今年4月の市議選が近づいてからの上野氏は、こんな調子。

ナレーション「訴える内容に、ある変化が起きていた。政務活動費の廃止について触れなくなっていたのだ。議員として活動していくうちに、上野に突きつけられた現実があった」

目撃!にっぽん「市民の選択~議員に何を求めるのか~」
上野氏「(9万円台の領収書を示しながら)これパソコンです。パソコンと周辺機器。ソフト入れてるからですね、これ」(上野氏)

ナレーション「日々の活動に使うパソコンやプリンターなど、必要な備品の経費を捻出しなければならない。議員になって初めて、政務活動費に頼らざるをえないことを知った」

上野氏「現行の政務活動費はなくしていくという風に思ってやっていたんですけれど、やっぱり活動する上で、会社で言うところの経費に近いようなものだと思いますので、必要なものはあると思うんです」

ナレーション「上野は、(富山市議会が政活費運用指針を策定したことで)一定の不正対策が整った以上、選挙の争点にはならないと考えたのだ」

議員活動にパソコンやプリンタが必要だということすら想像しないまま政活費廃止を訴え、当選して初めてわかったというのもお粗末な話ですが、番組はこのお粗末さにはツッコミを入れません。争点の変化という政局を口実にした上野氏の言い分を鵜呑みにしたナレーションでお茶を濁します。

当然、上野氏が反ワクチン活動家だった事実も、昨年の補選において自らの活動履歴を隠蔽して当選したことも、当選後にさらに念を入れて隠蔽工作をしたことも、その上で4月の選挙で再当選した事実も、番組では一切触れられませんでした。

■「32歳、お母さん」という看板

目撃!にっぽん「市民の選択~議員に何を求めるのか~」
番組では、こんなシーンも。有権者の女性が選挙ポスターの掲示板を眺めて、上野氏を指しながら、こう語ります。

「やっぱりいちばん、ぱっと見て目を引くのは32歳のお母さん(上野氏)ですかね。地元の方ではないみたいですけど。実際にお母さんで32歳ってことは、(自分と)似てるのかなあと、考え方が。うん」

この女性が選挙公報を眺めながら、改めて上野氏に注目しているシーンも流れます。

「でもやっぱりあれだね、育児系だね、(上野氏が)推しておられるのは。60代の方に保育士の充実とか学童って言われるより、同じぐらいのお母さんに学童がねって言われたほうが、うんって言えますよね」(有権者)

上野氏の「32歳、お母さん」という表看板が、有権者にウケていたことを示す一例です。その看板に裏に隠されたものがあることは、この番組では描かれません。

上野氏が関わっている反ワクチン活動は、ホメオパシー信奉者による通常医療否定の一貫。そして上野氏が講師資格を得たのは、かつて乳児を死なせ親から訴訟を起こされたホメオパシー療法家が所属していた「日本ホメオパシー医学協会」の系列団体──。「32歳、ママ」を売りにしているものの、育児についてはむしろ危うい思想の持ち主です。

もし番組に登場した女性有権者が上野氏のこうした背景まで知っていたら、それを上野氏自らが隠蔽して選挙に臨んでいるという事実を知っていたら、ただ単に「32歳、お母さん」というだけの理由で上野氏を好意的に捉えたでしょうか。

■重要な事実に触れない“感動ポルノ”

目撃!にっぽん「市民の選択~議員に何を求めるのか~」
番組終盤、上野氏が再選を果たし支持者とともに涙まじりで喜ぶ「感動的」なシーンが流れます。逆に浦田氏は落選。

「議員に何を求めるのか。政務活動費の不正をきっかけに改めて判断を迫られた今回の選挙。政治とカネ、地域の発展、若い世代への期待。市民一人ひとりの選択が38人の議員を産んだ」(ナレーション)

最後は、当選後も街頭演説に立つ上野氏の姿。

「選挙で示された市民の意思を政治にどう反映させるのか。いま、議員の力が問われている」

こんなナレーションで、番組は締めくくられました。

しかし、市民の意思を政治に同反映されるか以前に、そもそも市民が正確な情報に基づく意思表示をできないようにして当選したのが上野氏です。こうした問題に蓋をして、上野氏を「試行錯誤しながら頑張る32歳ママの新米議員」のように感動的に描き出すドキュメンタリーは、まさに「感動ポルノ」と呼ぶにふさわしい出来栄えです(demosthenesZ氏:政治家のウソと詐欺師の商売を支える感動ポルノの送り手メディア参照)。

本紙はNHK富山放送局に対して、上野氏の経歴隠蔽の事実を認識しているのか、その点に触れない番組作りはNHKの政治家に対する批判精神や監視能力の欠如を示すものなのではないかと質問し、見解を求めました。NHK富山放送局の回答は以下の通り。

「個別の番組やニュースの取材の過程などについては、回答を控えさせて頂いています」

とくだん反省する様子はありません。

やや日刊カルト新聞社・藤倉善郎総裁のコメントです。

「NHKは、『議員に何を求めるのか』なんて番組を作る前に『メディアが何を求められているのか』を考えたほうがいい」

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12 件のコメント:

  1. 「感動ポルノ女優AVデビュー」に一瞬見えました(笑)

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  2. 「感動ポルノ」は結構大流行・・・。反ワクチン派でホメオパシー支持者ならばそれ経歴に書いていいんじゃないの?そうしたら落選しただろうけれど・・・。

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  3. 蛍好き、いえホメオパシーに嵌っているNHK有力者がいるのかも?「奇跡の詩人」の際にそんな裏側がある、と思ったものでした。オウム集団に入っていて当時、薬物イニシエーションを受けていた人もいたんだから、不思議ではないです。

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  4. また違う意味で富山市議会は注目されそうですね!
    どうして残念な人ばかりが市議になるのでしょう?
    ガッカリです!!

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  5. 残念な人ばかりが富山市議になるのは、富山市民が感動ポルノに踊らされる衆愚だからじゃないですか

    全国でこうやって晒されても何も感じない鈍感力wには感心するしかないですね

    恥を知らない公約踏みにじり前歴隠蔽市議に、前歴を知ろうともしない公約踏みにじられても平気な政治ではなく政治劇場を観戦する市民

    どうしようもねえや

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  6. レ・ミゼラブルのジャン・バルジャンを思い出したよ。

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  7. そりゃジャン・バルジャンに失礼ってもんだw

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  8. 人の闇を笑うのは地獄界の住民だという事。
    君も残念な人だよ。

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    1. 「地獄界」?
      あなた幸福の科学の信者さん?
      藤倉氏がお書きになった文章の読者を誹謗するより法華経を信じ南無妙法蓮華経と唱えてください

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  9. NHKで取り上げられれば、上野氏やホメオパシー団体のイメージアップとしては十分でしょうね。でもこういう胡散臭い人が政治に携わるのは危険極まりない。特にワクチンを廃止したいなどと本気で思っていたら、市民にとってはマイナス要素でしかない。ホメオパシー信者は電磁波にも敏感で、ホメオパシーレメディーを冷蔵庫に保管するのを禁じているし、その他の電磁波の影響についても言及している。そもそも電磁波がどうのこうの言う前にPCやスマホ、ネットもやめてしまえばいいのに相変わらず発信してる。矛盾だらけの団体。そこまで徹底したいのなら、無人島にみんなで移住したらいいものを。所詮文明の恩恵にあずかりながら生きていたいだけ。富山市の今後はどうなるのか。今後も取材お願いします。

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  10. スピリチュアル系の元祖の神智学協会はバリバリ政治活動をしていたし、心霊主義も共産主義と関係があったので、地上千年王国の実現を求める元祖のスピリチュアル系の状態に回帰しつつあるのかもしれませんね。スピリチュアル系は自然保護と近く、市民活動に巣くっていたのが表に出てきた感じでしょうか。ホメオパシー関係者は中世ヨーロッパのコレスポンダンスの思想をガチでリアルな現実として信じていますし、上野氏もイメージの世界にいらっしゃるようなので、今後何をするのか気になります。しかし、切り捨てられたスピ仲間たちは何も言わないんでしょうか・・・

    NHKには失望しました。

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  11. 質問状に返事がないみたいですが、10月26日に定例市政報告会を行うとFacebookに書いてある。直接行って、質問されてはと思います。

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