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2017年7月28日金曜日

架空の小学校自称の学習塾が栃木県に改善を回答=なお残る義務教育否定の懸念

幸福の科学の信者が経営する栃木県内大手の学習塾「アカデミーグルプ」が、2018年に開設予定の「堯舜インターナショナルスクール」について、認可の手続きを一切行っていないにも関わらず「小学校(予定)」と称していた問題で、運営会社の株式会社アカデミーが栃木県の求めに応じて、対応を報告する回答をしていたことがわかりました。問題を改善する趣旨の回答だったことから、県の文書学事課の担当者は今回の件についてはひとまず決着と見ています。しかし運営会社からの回答には、義務教育の就学年齢の児童を小学校に通わせないことを保護者の「自由」として正当化する主張も含まれており、義務教育を否定する方針に変化がないまま、来春に無認可のインターナショナルスクールを開設するつもりでいることがうかがえます。


この問題は、幸福の科学の元幹部職員の河内宏之氏が経営する県内大手の学習塾「アカデミー・グループ」(株式会社アカデミー)が、2018年4月に開設予定の「堯舜インターナショナルスクール」について「小学校(予定)」などと称してチラシやウェブサイトで宣伝し、保護者向けに説明会を開催していたというもの。実際には同社は、小学校の認可手続きはおろか学校法人設立のための手続きにも着手しておらず、2018年4月に小学校を開校できる見込みは全くありませんでした。

また、「堯舜インターナショナルスクール」が予定している「通常授業コース」は、小学生を対象としていながら小学校の授業がある時間帯に設定されていました。このことから県の文書学事課は「小学校」との表記をやめるよう注意するとともに、「通常授業コース」が「保護者が子供を就学させる義務」と「子供が普通教育を受ける権利」を定める教育基本法や学校教育法に反すると指摘していました。

しかし今年3月以降、再三の注意にも関わらず同社が同様の宣伝を繰り返した上、同社役員に対する県からの呼び出しにも応じなかったため、同課が対応を文書で報告するよう求めていました。

同課によると、7月18日付けで届いたアカデミーからの回答の要旨は以下の通り。

1. 将来的に小学校として認可を得ることを検討しているが、現時点で小学校ではないことを前提として準備している。

2. 保護者がインターナショナルスクールに子供を通わせるのは保護者が選択することであり各人の自由である。

3. 認可を受けた小学校と誤解させないよう細心の注意を払う。広告においても留意する。

4. 保護者には一条校ではないことを認識しているという趣旨の同意書を書いてもらっている。

「一条校」とは、学校教育法第1条で定められた学校、つまり小学校や中学校、高校、大学など一般的な学校のことです。インターナショナルスクールの中には、一条校ではなく専門学校や予備校のような「各種学校」としての認可を受けているものもありますが、堯舜インターナショナルスクールのような無認可スクールもあります。

文書学事課の担当者は本紙の取材に対して、こう語ります。

「改善する趣旨の回答なので、同様のことが繰り返されない限り、この件について文書学事課でこれ以上何かするということはありません。あとは今後の動きを注視していきたいと考えております」

しかし、一つ問題が残されています。アカデミーからの回答の「2」にある、「各人の自由」という主張です。

親が義務教育を拒否し子供を無認可のインターナショナルスクールに通わせるケースについて、文部科学省はウェブサイトにこう記載しています。

〈保護者が日本国籍を有する子を一条校として認められていないインターナショナルスクールに就学させたとしても、法律で規定された就学義務を履行したことにはなりません。〉

病気や不登校などのやむを得ない事情がある場合は別として、親が教育方針等によって敢えて学校ではない施設に子供を通わせることは、法律で規定された就学義務への違反です。アカデミーが主張するように「各人の自由」ではありません。

しかも文科省の見解では、無認可のインターナショナルスクールに通う子供が途中から一条校に通うことは認められていません。教育を受ける子供の権利を守るという基本的な理念に照らせば、実際には地元の教育委員会が何かしら救済措置を講じることになる可能性が高そうです。しかし確実に復帰できる保証も、他の同年齢の子供と同学年として復帰できる保証もありません。

義務教育の拒否は、とんでもないリスクを子供に背負わせる行為でもあります。

「各人の自由」などと言い放っている時点で、アカデミーが義務教育を理解していないことは明らかです。これでは、いくら「認可を受けた小学校と誤解させないよう細心の注意を払う」と言ったところで、アカデミーが保護者たちにリスクを説明できるはずもありません。

アカデミー・グループのウェブサイトからは「小学校」の文字は概ね削除されていますが、「通常授業コース」は現在も「アフタースクール・土曜日コース」とは別途掲載されたままです。

「今後の動きを注視したいというのは、つまりはこうした点についてです。ただし義務教育との兼ね合いについては、来年4月に実際にスクールが開設され、そこで子供たちがどのような状態にあるか次第。それに対応するのは教育委員会になると思います。広告やウェブサイトの問題が解消される見通しになったことで、ステージは文書学事課ではなく教育委員会に移ったと考えています」(栃木県文書学事課の担当者)

アカデミーの代表者は幸福の科学信者であり、同社が幸福の科学職員の“天下り”先になっているとする元教団職員やアカデミーの元塾講師の証言もあります。しかし今回の問題をめぐっては、いまのところ宗教がらみの問題は見えてきません。

この点について、教育関連でおかしなことばかりする幸福の科学を取材するうちに教育関連の法令や文科省通達に詳しくなってしまい自分の子供が通う中学校がおかしなことをするとその知識を活かして教員に文句をつける本紙・藤倉善郎総裁はこう語ります。

「幸福の科学では、たとえば幸福の科学学園(中高一貫校)で霊言にもとづいた歴史授業を行うという学習指導要領からの逸脱や、幸福実現党を支持する政治教育を行うという教育基本法違反などが横行している。“幸福の科学大学”をめぐっては、大川隆法総裁自身が信者たちの前で、認可を受けるまでは文科省の指導に従い認可を受けた後で逸脱させていくという趣旨の発言をしていた。その大学が、霊言を科学であるかのように扱う書籍を教科書として使用する計画だったことなどから不認可になると、教団は“学問の自由”を振りかざして文科省などを非難した。最低限のルールはおろか健全な教育を受ける子供たちの権利を踏みにじり、それが本当に正しいことだと信じ込んで恥ずかしげもなく堂々と“自由”の名の下に正当化して見せるのが、幸福の科学という宗教。よりによって行政に対して堂々と義務教育制度を否定する独自見解をぶつけるアカデミーの行動は、幸福の科学と似た匂いを感じる。同社が起こした今回の問題が本当に教団と無関係の動きなのかどうか、引き続き注意を払っていきたい」

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6 件のコメント:

  1. 仮面ライダーで、ショッカーが幼稚園児のバスを襲うんだけど、目的は子供の頃に洗脳してショッカーの戦闘員にするってこと。

    カルトたちが小学校年齢の子供を取り込むってのは、ショッカーと同じだよね。

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  2. ヤマギシズム学園を思い出しました。幻に終わってしまいましたが。広島県弁護士会が子供の人権の見地から動いたことが大きいと思われます。
    新興宗教の学校といえば創価学園が有名です。池田教祖様も訪れたという・・・。(ここはいちおうは一般の学校と同じような授業もします。)
    おどろおどろしいキリスト看板で有名な聖書配布協力会も、教育の自給自足という考えがあり、開祖のブローマンは「聖書があれば後は何もいらない」と電波な主張をしていました。(ここはホームスクールやチャーチスクール運動をやっている団体を傘下に持っています。)
    十年ほど前だったと思いますが、プロテスタントの新興宗教である新津福音キリスト教会の信者を中心に、「親立」と称した小学校が勝手に作られ、教育委員会が子供の人権侵害でゆゆしき事態と大騒動になり、ワイドショーでも報道されたことがあります。

    ちなみに教育の自給自足はアメリカでは認められていますが、ドイツでは認められていません。ドイツ人で創造論支持者は、子供を進化論から守るためにしばしばアメリカに移住して、教育の自給自足をするそうです。

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  3. 採算取れるのかが疑問です
    既に開設されてる中学・高校も定員割れを起こしているのに何をしているのやら

    小・中・高とずっと外の世界に触れる機会がなければ洗脳が解けるのは難しいでしょうね
    そこまで強固に洗脳しなければならないほど切羽詰まっているんでしょうか

    若い人がほぼいなくなってるのはわかりますが、なりふり構わないって怖いですね

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  4. 内閣府に陳情してイタコ特区にしてもらいましょう


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    1. ダメです
      法華経をしんじ南無妙法蓮華経と唱えてください

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  5. これが幸福の科学側から見れば「参入障壁」になるそうです。
    http://the-liberty.com/article.php?item_id=13377

    記事では実名こそ挙げてませんが、よく読むとアカデミーグループの件であることは明白。で、(記事中では「Aさん」となっている)河内氏曰く「教育界の既得権益は予想以上に強固なものです。加計学園ではありませんが、それこそ政治家や役人の力を使わないと、事実上、『学校をつくらせない』仕組みになっています。実際に調べると、国内で認可を受けているインターナショナルスクールの多くは、自治体とタイアップするなど、行政と結びついたものばかりでした」だとか。

    以前の“幸福の科学大学”の一件とオーバーラップしたんでしょうねぇ。

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