社会福祉法人ベテスタのウェブサイト |
■市民の人権擁護の会(CCHR)はサイエントロジー
問題の講演会は、宗教団体「サイエントロジー」の関連団体「市民の人権擁護の会」(CCHR)日本支部の世話人・小倉謙氏による「精神薬が子どもの発達に与える危険!」と題するもの。三重県内の3カ所で計6回、開催予定で、うち9月9日と10日に1回ずつ開催され、次回は9月16日に予定されています。
市民の人権擁護の会のウェブサイト |
当時、佐々木大介弁護士が本紙の取材に答え、サイエントロジーについて数十万円から1000万円という複数の被害相談が寄せられており、信者の退会や返金請求を困難にするような誘導を行う悪質な宗教団体であると指摘しています。
【参考記事】「サイエントロジー記者会見」を主催しちゃった自由報道協会(1)
今回、三重県で講演した小倉氏は、CCHRの幹部であると同時にサイエントロジー信者でもあります。
■三重県の支援事業ではない
三重県のウェブサイト |
県の担当者は、本紙の取材に対して、経緯をこう説明します。
「県では(今年4月に)平成29年度障がい児等療育相談支援事業(松阪多気圏域)業務委託企画提案コンペでベテスタの企画提案を選定しました。通常、研修会等については内容を県が事前チェックすることはしておらず、開催後に事後報告を受けて経費を精算することになっています。しかし今回は、外部からの指摘などもあって事前に内容を知り、県として容認できる内容ではなかったことから、9月7日にベテスタに中止を要請しました。これに対してベテスタは独自事業として開催するとしたため、県の支援事業ではない旨をアナウンスするようお願いして、県としても同様の旨を9月8日にウェブサイトで告知しました」
「二日間とも会場は大入り!」と報告する小倉謙氏(小倉氏のFacebookより)
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「間もなく創刊8年を迎える弊紙は、統一教会や幸福の科学から手配書をばらまかれ、大川隆法から守護霊を呼び出されるほどの由緒ある報道メディア。名称を変更するくらいなら取材拒否で結構毛だらけ猫灰だらけケツの周りはクソだらけだ」
県の担当者によると、ベテスタ側は9日と10日の講演会場で来場者に対して、県の支援事業ではない旨を告知していたとのこと。しかしベテスタのウェブサイトには、いまだに県の支援事業であるとする告知が掲載されている上に、支援事業でない旨の追記等はなく、一般向けのアナウンスは行われていません。
なお、講演会は「専門職員による療育指導」と銘打たれていますが、講師の小倉氏は医学、薬学、福祉等の「専門職員」ではありません。
■サイエントロジー問題は無関係?
県が講演会を支援事業としないと決定したのは、以下の理由からです。
「今回の講演会の内容は精神薬の使用を批判するもので、厚生労働省が認可した薬の使用を推進する立場にある県の支援事業とすることは容認できないと判断しました。小倉氏がサイエントロジーと関わりがあるかどうか等は、今回の判断には関係していません」(県の担当者)
小倉氏が世話役を務める市民の人権擁護の会(CCHR)日本支部は、本紙の取材に対して、こう語ります。
「小倉は主催者(ベテスタ)の求めに応じて講演に出向いただけの立場です。県の支援事業とするかどうかは、県と主催者との間でのことですし、県が考える支援事業の趣旨によるでしょうから、県の判断を尊重します。CCHRはその点について特に語るべき立場にはありません」(同会代表世話役・米田倫康氏)
サイエントロジーとの関係や、精神医療否定との指摘については、こう説明しています。
「確かにCCHRは1969年にサイエントロジー教会によって設立されましたし、理念はサイエントロジーと共通している部分はあります。しかしサイエントロジーは宗教団体としての活動が目的で、CCHRは精神医学による人権侵害の問題を追求し患者のみならず全ての市民の人権をこの問題から守るために活動しており、目的が違います。CCHRの活動において、サイエントロジーの勧誘等はしていません。CCHRの活動を通じて知り合った人にこちらから積極的に勧めることも、すべきではないと考えています。それをやってしまうと、サイエントロジーがCCHRを宗教勧誘の隠れ蓑にしているかのように捉えられてしまうからです。
CCHRは精神医療を全否定していると言われることもありますが、全否定しているわけではありません。治療における弊害についての情報も含めて患者が了解した上で決断する、いわゆるインフォームド・コンセントなしに治療を強制される点を批判しているだけです。
サイエントロジーやCCHRをカルトだなどと言う人もいますが、これも違います。1992年のCCHR日本支部設立以来、CCHRはは何ら民事・刑事の事件に発展したものや行政処分や指導を受けたこともありません。サイエントロジーについても、私が知るかぎり同様です」(米田氏)
2015年の内海聡氏・小倉謙氏講演会で配布されたというサイエントロジーのセミナー案内(ハッピー(吉田鍼灸指圧治療院から)より)
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〈講演の受付で、サイエントロジーの小冊子と鹿児島で行われるダイアネティックスセミナー(サイエントロジーの自己啓発セミナー)のお知らせを貰った。小冊子は良いことが書いてある。いかにも宗教団体、自己啓発団体の小冊子である。そして、この両氏の講演を主催している、心と体☆子どもを愛する会の代表の方より、最後にセミナーへのお誘いのアナウンスがあった。〉(ハッピー(吉田鍼灸指圧治療院から))
三重県の担当者によると今回の講演会で同様のことは行われていなかったようですが、CCHRや小倉氏の活動がサイエントロジーへの勧誘と無関係かというと、必ずしもそうではありません。
CCHRの「精神医学・死の産業」を宣伝する上田玲子都議(右)。左は新宿区ののづケン区議(上田令子氏のFacebookより)
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【参考記事】都議選に経歴隠蔽スピリチュアル候補者=都民ファーストの会
サイエントロジーは民事・刑事の訴訟や行政処分の対象になったことがないとの主張もありますが、訴訟や行政処分がないことは被害者がいないことを意味せず、「カルト」ではない根拠にもなりません。本紙では人権侵害を行う宗教的精神的な集団を「カルト」と呼んでおり、弁護士に複数の被害相談が寄せられ悪質性が指摘されているものについては、訴訟がなくとも「カルト」もしくは「カルト的集団」と捉えます。
■結局、何が問題なのか
内容を把握しないまま委託事業を実行させ事後承認するという三重県の従来の仕組みには、隙があったと言わざるを得ません。しかし今回、県は内容を把握した時点で中止を要請し、支援事業としない旨を明言するなど、妥当な善後策を講じて行政の責任を果たしたように見えます。同様の問題の再発防止や、いまだに県の支援事業と称し続けているベテスタへの対応が、今後の課題でしょう。
一方、CCHRやサイエントロジーについては、県の支援事業にふさわしくないからと言って、医療における投薬のあり方などについて批判的意見を表明すること自体が悪いこととは言い切れません。それは個別の議論の内容次第です。
しかし、そもそもサイエントロジー自体が問題のある宗教団体ですから、CCHRの主張が仮に正しいのであれば問題ないとも言えません。精神医療について議論をしたいなら、わざわざ問題のある団体の関係者を呼ぶことはないでしょう。
ベテスタサイトの減薬・断薬カテゴリ |
さらにべテスタは前述の通り、講演会が県の支援事業ではないことが確定した9月7日以降、1週間経った現在もなお県の支援事業であるかのようにウェブサイト上に掲載し続けています。もはや虚偽記載と言われても仕方ありません。
計6回の講演会のうち2回はすでに開催され、残り4回。次回は9月16日に予定されています。この講演会、このまま開催し続けるつもりなのでしょうか。
本紙・藤倉善郎総裁のコメントです。
「三重県は事態を把握した時点で行政としての責任をしっかり果たしたように見える。一方べテスタは、県民の血税で事業を支援してもらっていながら“メリットにならない取材は受けない”と言い放つとは、社会的責任を完全に度外視した態度。自団体のサイトで説明することもせず、いまだに県の支援事業であるかのように謳い続けるなど、非常に悪質です。サイエントロジーやCCHRによる精神医療批判の内容の是非は、素人の私には判断できません。しかし主張の内容が何であれ、被害事例もあり批判されている宗教団体を背景としている事実は無視すべきではありません。ある人の有名な言葉に“いいことをしても所詮カルトはカルト”というものがあります。みなさん、気をつけましょう」
米田氏と話したことあります。いわゆるカルト的な扇情的で極端な言動というよりも、冷静で対話に努める姿勢でしたね。小倉氏をはじめ過激派のメンバーに手を焼いてるのかなという印象でした。カルトにもこういう人がいるのかとちょっと不思議な感覚でしたね。
返信削除南無妙法蓮華経と唱えてみてください
削除創価と関係を噂される夜回り先生の方が過激だと思うんだが。
返信削除http://www.zakzak.co.jp/smp/soc/news/170913/soc1709130035-s1.html
俺はカルトが虫唾が走るほど嫌いだが、精神医療に対するCCHRと夜回り先生の主張には同意せざるを得ない。日本の精神医療がカルト以下だというだけなんだがw
返信削除南無妙法蓮華経と唱えてみてください
削除
返信削除サイエントロジーは少なくともアメリカでは裁判沙汰になっていますよね。
日本ではどうかは知らないですが。
精神医療に関して。
正しいことを引用しても正しい結論に至るとは限りません。
核兵器反対を主張していても思惑はさまざまです。
精神医療には確かに問題があります。
薬剤開発の根拠と処方時の診断根拠は同一ではありません。
薬剤開発は脳内の化学物質の問題とその改善が根拠です。
医師は問診で症状が合致すれば薬を処方する医師がほとんどです。
やる気がないといえば詐病でもうつ病の薬がもらえてしまいますし環境要因でも処方されてしまいます。
丁寧な医師は血液検査やほかの検査も併用しますし問診も時間をかけますが、保険診療では限界があります。
また
サイエントロジーが正しい医療を伝えていても
抱き合わせでついてくるおまけは何なのか
推奨する治療法は医学的に妥当なものなのか
別途検討する必要があります。
最近は、X-File風の「事実に基づいた」布教や宣伝が多くなってますね。
一部が正しい内容でも、結論となる治療法が間違っていることは多くあります。
南無妙法蓮華経と唱えてみてください
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