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2018年4月2日月曜日

社説 都迷惑防止条例に屈してたまるか

公道に立ちふさがり取材を妨害する幸福の科学職員
3月29日、東京都議会で迷惑防止条例の改正案が可決された。7月1日から施行される。特定人物の自宅周辺を「みだりにうろつく」「名誉を害することを告げる」ことなどが禁止行為として追加され、罰則が懲役1年以下または100万円以下の罰金へと引き上げられた。「悪意」に基づくものが規制対象だが、市民による抗議活動や批判的な取材活動を「悪意」と解釈すれば規制可能になることから、反発が広まっている。やや日刊カルト新聞社は、同条例によって萎縮することなく、これまでどおり取材活動を続けていきたい。いや、萎縮しない姿勢を示すためにも、いままで以上に「うろつく」ことに力を入れたい。


■市民運動、取材活動を萎縮させる

公道をうろつく本紙総裁(左端)とそれを大人数で威圧する幸福の科学職員たち(左端以外全員)
同条例は、「正当な理由なく」「専ら、特定の物に対するねたみ、恨みその他の悪意の感情を充足する目的で」特定の人物やその親族、同居者等に対するつきまとい、乱暴な言動、電話やFAXの連続送信、汚物等の送付を禁じている。今回の改正で、この禁止行為に電子メールやSNSへの連続送信、性的羞恥心を害すること、行動を監視していることを告げること、名誉を害する事項を告げること、住居等の付近でみだりにうろつくことが新たに加わった。条文では、「住居等」を「住居、勤務先、学校その他通常所在する場所」と定めている。従来は「6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金」だった罰則は、「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」に引き上げられた。

中でも特に、名誉を害する事項を告げること、住居等の付近でみだりにうろつくことといった項目が、市民による特定の政治家等への抗議活動やメディアによる取材を規制しかねないとして、自由法曹団が反対声明を発表。ネット上で非難の声があがり抗議デモも行われている。

条例は禁止行為も「悪意」による行為であることを条件とし、改正前から「本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用することがあってはならない」と定めている。しかし市民運動や取材活動を除外する明確な規定はない。市民運動でも取材活動でも、「悪意」と解釈して規制すれば、条例の「本来の目的」から逸脱していないという形式論を作ることができる条文の構成だ。

公道を移動中の報道陣につきまとう幸福の科学職員(右のスーツ姿)
従来から同条例は、つきまとい、待ち伏せ、住居等の近辺での見張りを禁じていた。マスコミ等の取材に当てはめるなら、取材対象の行動を確認したり直撃取材に備えるための尾行や張り込みにかかわってくる。住居等の周辺を「みだりにうろつく」が規制されれば、住居の様子を確認するだけのだけの取材や本人に直撃しない周辺での聞き込み取材も対象になりかねない。

新たに加わった「性的羞恥心を害すること」「行動を監視していることを告げること」「名誉を害する事項を告げること」は、市民の抗議活動の内容によっては関連しかねない。政治家のセックススキャンダルや疑惑に抗議するデモは? 政治家を名指しして「国民はお前を監視している」というプラカードを掲げたら? 政治家の名誉を傷つけるようなネガティブな事実を告げて抗議するデモをしたら?

「悪意」と解釈しさえすれば、いくらでも規制できてしまう。

■間違いなく濫用される

中村ひろし都議(民進党)は、Twitterでこう発言した。



すぐに、山口貴士弁護士から、こんなツッコミを受けている。



都議会議員の音喜多駿氏(かがやけTokyo)は、自身のブログで、従来の同条例や他の都道府県の類似の条例が市民運動や取材活動に対して濫用ケースはないと主張し、「濫用するつもりなら、今の条例内容でとっくにデモは規制されている」などと書いている。政治家とは思えない発言だ。

仮にこれまで濫用がなかったとしても、今後濫用が起こらないと言える根拠にはならない。可能な条文である限り、いつでも濫用されうる。ましてや今回の改正によって規制範囲が広がり罰則が強化されたことで、濫用したがる側にとって非常に濫用価値の高い条例になった。

本紙既報のとおり、都議会で改正迷惑防止条例が可決、成立した当日、さっそく幸福の科学が、本紙に対して改正条例を根拠とした内容証明郵便を送りつけてきた(都迷惑防止条例、改正案可決当日から幸福の科学が“悪用”。おそらく「悪用第1号」だろう。

条例を濫用するのは警察などの公権力ばかりとは限らない。宗教団体でも企業でも、あるいはその代表者や職員でも、自らや所属団体に対する批判的な意見や取材を威圧し萎縮させるために、こうして条文を濫用する。可決当日から、「濫用されない」という一部都議会議員らの主張はあっけなく崩れた。

この条例は、今後も濫用されるだろう。

■左翼を取り締まる条例には見えない

ネット上では「パヨクざまあ」などと口走る者もおり、確かに反対意見は左派側から多く出ているように見える。しかし萎縮効果を狙った民間での濫用の可能性を含めて捉ええれば、必ずしも左翼ばかりを不利にする条例とは限らない。

実際、本紙や本紙・藤倉善郎総裁は左翼でも何でもないどころか一部からは「ネトウヨ」呼ばわりされることすらあるのに、今回、幸福の科学は同条例を濫用した。理屈上、「レイシストが近所の商店街に買い物に行ったぞ! あそこには韓国食材店があるから、悪意で近辺をみだりにうろついているのだ!」などとして通報しまくり相手の日常生活を脅かす、といったこともできそうだ。

性的羞恥心を害する教団職員
幸福の科学にしても、これまで本紙・藤倉総裁に対して、「また来るかもしれないので一緒に歩かせていただきます」などと告げ、敢えて姿を見せながら尾行するなどしている。藤倉総裁がFacebookに掲載したプライベートな半裸写真をプリントアウトして路上で掲げマスコミのカメラに写させたこともある。藤倉総裁が妻のブラジャーをつけてひっくり返っている恥ずかしい写真だ。また、3月23日に藤倉総裁が別件で書類送検された事実に触れるチラシを教団が路上で掲げたこともある。まさに改正後の条例に追加された「行動を監視していることを告げること」「性的羞恥心を害すること」「名誉を害する事項を告げること」そのものだろう。

つきまといは、改正前の同条例で取り締まられてもおかしくはない。条例の濫用ではなく正当な利用として、本紙が幸福の科学を告訴したとしても何らおかしくない。そのままやらせておいたほうが「カルト」の本性を示すニュースにできるから、こちらは告訴等をしないでいるだけのことだ。

この条例は、誰もが濫用できるし、濫用され得る。また濫用と正当な利用とが入り乱れ、対立する双方がそれぞれ警察に「あいつは迷惑防止条例違反」と通報し、互いに身動きが取れなくなる状態も生みかねない。警察にとっても、面倒な話だろう。条例違反を根拠に民事訴訟を起こすようなSLAPP合戦すら誘発しうる。

本来、左右を問わず反対してしかるべき愚かな条例だ。「パヨクざまあ」とか「これでレイシストを規制してくれるならいい」などという考え方で捉えるべきではない。

■本紙は萎縮しない。しかし……

公道で報道陣を取り囲んで取材妨害するこの光景、条例施行後は警察権力が介入するのか
すでに表明している通り、本紙・藤倉総裁は条例施行日である7月1日、港区白金4丁目6にある幸福の科学・大悟館(教祖殿)への取材を行なう予定だ。萎縮しない姿勢を示すことに加え、その際の幸福の科学や警察の対応によって条例の影響を確認することが目的だ。威圧のための濫用がせいぜいで、実際に警察は濫用しない可能性もある。だとしたら、そのことを確認したい。

しかしいま、困っていることがある。条例の条文上、実は取材のために赴く我々よりも、その顛末を見に来る「野次馬」にとってのリスクの方が高いかもしれないのだ。

正当な取材目的を持った我々には、「悪意ではなく取材だ」と主張できる余地がある。しかし野次馬は違う。ただ見に来るだけでは、「悪意」と解釈された場合に同じ反論はしにくいだろう。幸福の科学は昨年、本紙が大悟館を公道から見学するツアーを企画した際、ツアー参加者もろとも訴える旨を内容証明郵便で予告し、恫喝してきた。7月1日に本紙が取材を敢行し野次馬が集まれば、教団が「野次馬」に対して迷惑防止条例を濫用する可能性がある。

公道で行われるかもしれない理不尽について市民が確認しに来るだけの行為すら、萎縮を余儀なくされる。だからなおのこと、このような悪法は廃止させるか形骸化させるかしなければならない。

7月1日の取材については追々、詳細とともに「野次馬」への注意事項も告知していきたい。しかしそれはそれとして、本紙はほかのカルト関連取材も含めて、取材や抗議活動のためなら「うろつく」ことを一切ためらわない。教祖だろうが政治家だろうが遠慮はしない。

創刊以来「いじるジャーナリズム」を標榜してきた本紙はいま、「うろつくジャーナリズム」という新たなステージに立とうとしている。

10 件のコメント:

  1. 幸福実現党に条例反対の共闘を申し入れたら良いのではないか?

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  2. 何となくだけど…じみんの中にもカルトとから金もらってる奴とかいるかもね…時期的におかしいなぁと思う事が多いからね、色々と困る奴等が政治家をうごかしていると見ますね…とーくにここ何年間のカルトとの攻防をみますとね…思い当たるところ多々ありだからね、それだけ…カルトも追い詰められてる感あるからね、

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  3. ドアップで写っているメガネの幸福の科学の職員。よく見たら鼻の横に絆創膏つけてますね。

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  4. それでこそ、やや日刊カルト新聞社でしょう。既存の商業メディアのできないことをもしくは、商業ベースに乗らないことが報道して、、、、
    カルト宗教にかかわった人は、団体から離脱しても晩年には後遺症が出るようです。すべての人に出るとは思いませんが、我が家はお互い相容れない状況です。統一協会の洗脳は離脱して何十年たっても刷り込まれて消えないようです。

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  5. >2018年4月3日 21:12

    ご自慢の「エル・カンタ~レ・ヒーリング」では、
    吹き出物なんかは治らんゆう証拠でっしゃろ。
    これで1回5千円(笑)!

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  6. ところで都条例違反かどおかを判定するんはドコなんでっしゃろ?
    裁判所なんでっか?
    弁護士を頼んだり、反論の機会はあるんでっか?

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  7.  刑事事件と同じじゃないですかね。最終判断は裁判所。各過程で反論もできるし弁護士をつけることもできるというか、裁判になった際には弁護士は必ずつくんじゃないかと。


    警察の取調
     ↓
    原則送検
     ↓
    検察の取り調べ → 不起訴
     ↓
    起訴
     ↓
    裁判 → 無罪
     ↓
    有罪

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  8.  都条例なんてもぐらたたきでしょ、本質を見ないで対処すると
    違うところからまた顔を出す。ちゃぶ台がえしする人が欲しい。

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  9. そもそも、バカの科学さんは犯罪者さんばかりでしょ!!皆さん捕まってくださいよ、糞、事務局長筆頭に犯罪者なのは割れてるですから公安はさっさと捕らえるべきです。証拠なら調べればいくらでもでてくるでしょう、そうすれば何らオウムやらと変わらないのがわかります。アンダーグラウンドにも繋がっているのもしかり、素人の私でも調べられるですから…

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