問題の講演会は、早稲田大学人物研究会が主催する「教育と人権」。第1部で麗華氏が〈「麻原彰晃」の子に生まれて〉とのタイトルで講演し、第2部で大学に合格したにもかかわらず入学を拒否された自身の体験をめぐって学生とトークセッションを行なう。予約制だが学生以外も入場でき、料金は無料。
一方の鈴木エイト氏は、やや日刊カルト新聞の主筆を務める傍ら、カルト宗教2世の問題に関心を持ち、つい最近も『AERA』6月11日増大号でルポ〈新宗教団体2世信者たちの葛藤 オフ会が居場所、難民化の懸念も〉を執筆したフリージャーナリストだ。鈴木氏は自身の取材テーマである「2世」にかかわるものとして、麻原の娘である麗華氏の講演会に興味を持ったという。ところが人物研究会に取材の申し入れをしたところ、以下のような回答だった。
鈴木さまの松本麗華氏との過去のやりとりを考慮した結果、今回の取材はお断りさせていただく判断としました。また当日のご来場もご遠慮ください
しかし当の鈴木氏は麗華氏と一度もやり取りをしたことがないという。その点を指摘して説明を求めたところ、次に来た人物研究会からの回答がこれだ。
松本氏より、先日の宇佐美典也氏、音喜多駿氏とのイベントにおいて、鈴木さまの関係するメディアが出演者の許可なく取材し、一方的に報じたと聞いております。
そのため、主催者としてイベントの適切な管理・進行上支障をきたす可能性があると判断したので鈴木様の取材・来場をお断りさせていただきます。ご理解いただきたく何とぞよろしくお願いいたします。
人物研究会が言及している「宇佐美典也氏、音喜多駿氏とのイベント」とは、本紙が記事〈音喜多駿都議らのイベントで麻原三女がオウム被害者団体を中傷〉として掲載したイベントのこと。しかしこれについての麗華氏及び人物研究会の主張は事実無根だ。当の鈴木氏が言う。
「そもそも私が書いた記事ではないのですが……。それはそれとして、記事を読めば一目瞭然で、イベントに参加した人物の証言に基づいた記事です。やや日刊カルト新聞はイベント会場での取材を行っていないのだから、出演者の許可なく取材した事実はないし、イベントの適切な管理・進行上支障をきたしてもいません。しかも一方的に記事にしたとのことですが、主催者に取材してコメントも載せています。デマもいいところです。人物研究会は事実確認もせずにアーチャリーの言いなりですね。マハームドラーですか?」
オウム事件についてデマを流す麗華氏を招いて講演会を主催する人物研究会が、麗華氏のデマを鵜呑みにして特定のジャーナリストを排除するという構図だ。再び鈴木氏のコメント。
「確かにうちの総裁(藤倉被告)は刑事被告人です。音喜多駿らのイベントの記事は、傍から見たら犯罪者が書いた記事かもしれません。しかし私は犯罪者ではないし、あの記事とも関係ない。なのにあの記事を理由に私を入場拒否し取材の自由を踏みにじるのであれば、麻原の娘だからという理由で麗華氏の入学を拒否した大学による人権侵害とかわりません。これは差別です」
なおも食い下がる鈴木氏に対して、人物研究会は以下のような回答を送りつけてきた。以下、全文。
弊会は大学のサークルであり大学や裁判所などの公的機関とは異なります。例えば飲食店などでも、トラブルを起こしそうな方を店側の個人的な判断で入店拒否させていただくのは一般的だと考えます。
同様に「鈴木さまを我々が来場拒否」することと「松本麗華氏を大学が入学拒否」することを同じとする問題の矮小化についても疑問に感じました。「父親が」原因で大学入学を拒否されたのが松本麗華氏であり、「鈴木さまご本人が」原因で来場拒否とさせていただくことは別問題だと思われます。
過去に松本氏とのやりとりはなかったとのことですが、下記のようなイベント内容からも、鈴木さまの松本氏に対する攻撃的な姿勢がうかがえると判断しました。
http://sp.eplus.jp/sys/T1U14P002264409P0050001
弊会としても反対意見のある開かれた議論は必要と考えます。しかし、鈴木さまのご来場によって松本氏や登壇者の自由な発言・発信の機会が妨げられ、あるいは真意が歪められて報道される可能性がある以上、今回の取材・来場はどうかご遠慮いただけますようお願い申し上げます。
弊会における立場は上記の通りです。
また、今回のメールをもって返信を最後とさせていただきますのでご了承ください。
人物研究会
人物研究会は7月2日、取材を鈴木氏に丸投げし自分は脳天気に講演を聞きに行くつもりですでにチケットを入手していた本紙・藤倉善郎被告人兼総裁に対しても、入場拒否を通告してきた。
藤倉善郎 さま
お世話になっております。
7月4日に行われます弊会主催の講演会企画について、来場をご遠慮いただきたくご連絡致しました。
理由と致しましては
1.弊会が定めた規定を守っていただけない恐れがあること
2.当日の企画進行を妨げる恐れがあること
3.弊会の企画意図とは異なる報じ方をされる恐れがあること
以上から、藤倉さまの来場をお断りさせていただく判断をさせていただきました。
直前のご連絡となってしまったことをお詫び申し上げます。
人物研究会
藤倉被告は、具体的にどのような恐れなのか、その恐れがあると判断する根拠が何なのかが全て不明であるとして、入場拒否を拒否する旨を人物研究会に通告。理由もなく特定の人間を名指しして一般公開のイベントから締め出すことは差別であるとして早稲田大学にも抗議し是正を求めた。
また人物研究会OBでジャーナリストの青沼陽一郎氏は7月2日に自身のブログで人物研究会が主催する麗華氏の講演会に言及。青沼氏は、「早稲田大学人物研究会というところは、著名人に直接会いに行くことを、一番の目的にしていました。当事者本人に直接会う。そして、話を聞く。それは、とても大切なことです。素晴らしいことだと思います」とした上で、古巣に苦言を呈す。
【是々非々にて候。 2017年07月02日】麻原彰晃の三女アーチャリーが嬉々として早稲田大学講演会を喧伝するのは、主催サークルOB名簿にぼくの名前があることを知ってのことなのか!?
「講演をやめろというつもりはありません。それは自由であっていい。そうあるべきです。ぼくが学生だった時も、そういう気風は流れていたように思う。
ただ、もう一度よく確認してほしい。
講師の背景事情を正確に知っているのかどうか。
その上で適切に対応できているのかどうか。
麻原彰晃こと松本智津夫を擁護するために、都合の悪い事実から目を背けて、あからさまに人を騙すような大人にはなって欲しくない。
その代表的な人物が森達也という人です。
人物研究会では2016年に会見を行っていたようですが、森達也の問題点はこのブログでもずっと指摘していることです。
このことでいまの「人物研究会」の若者たちが、見誤っているもの、見失っているものがあるのだとしたら、こんなに悲しいことはないのです。
そしてそれは、正確な情報を史実として後世に伝えられていない大人たちの責任でもあるのですから。
気に食わない客や取材者を排除して批評を封じ、問題人物である麗華氏に好き勝手喋らせるだけの講演会では「正確な情報を史実として後世に伝えられていない大人たち」をさらに増やすことにもなりかねない。
人物研究会で講演する藤倉被告(2012年早稲田祭) |
「学生のやることとは言え、一般公開で不特定多数の人を集めて講演会を主催する以上、社会的責任は社会人と変わらない。アーチャリーの講演会を開催するのはいいとしても、アーチャリーによるデマを鵜呑みにして批判的なジャーナリストの入場を拒否するのは、講演会に対する公正な評論を阻害する行為。社会的責任を認識しているとは思えない姿勢だ。人物研究会の皆さんは、自分たちが一体何をしているのか、しっかり見つめ直したほうがいい」
◇人物研究会主催「教育と人権」
ゲスト 松本麗華
2018年7月4日
18:30-20:00(開場18:15)
早稲田大学早稲田キャンパス
15号館401教室
入場無料・予約制(学生のみ当日参加可)
ご予約はPeatixにて
https://jinken20180704.peatix.com/
麻原の娘を呼ぶにしても、アーチャリーである必要があるのか。
返信削除四女の松本聡香氏のを呼んだらよい。
https://www.amazon.co.jp/dp/4198627533
同感です。アーチャリーを呼ぶのは話題作りアンド商業ベース、視聴率&販売部数を気にするマスコミ
返信削除四女では真っ当すぎて取り上げてもインパクトも小さいし、面白みがないと言うことか?
麗華氏(アーチャリー)の講演会や握手会はちょっと気になる
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