夕刊紙「日刊ゲンダイ」5月11日発売号(5月12日号)が、幸福の科学出版の『松下幸之助日本を叱る』(大川隆法)の広告を掲載しました。日刊ゲンダイは1991年の「フライデー事件」の際、幸福の科学による業務妨害行為の攻撃対象にされました。以後、幸福の科学関連の広告は掲載されておらず、今回が19年ぶりとのことです。
■1991年のあの“事件”
1991年、講談社が発行する『フライデー』が、幸福の科学に対する批判的な記事を立て続けに掲載しました。これに対して幸福の科学の信者が講談社を非難するデモや署名活動を行いましたが、抗議活動はこれだけではありませんでした。信者らが講談社の社屋に乗り込み、ハンドマイクで「フライデー廃刊!」「社長を出せ!」などとがなりたてたほか、無関係な別誌の編集部も含めた講談社の各編集部に抗議の電話やFAXを送りつづけました。
その際に幸福の科学は、勢い余って、講談社とは別会社であり、当時は幸福の科学に関する記事を掲載していなかった日刊ゲンダイに対しても、同様に電話とFAXによる業務妨害行為を行いました。
「FAXがエンドレスで送られてきて電話も鳴りっぱなし。夜中でも受話器を取ればすぐ幸福の科学の信者とおしゃべりできた。まるでテレクラ。ゲンダイが発行されていない四国の山奥から電話してきてる信者までいて、なんでそんなことをするのか尋ねても『本部が、本部が』しか言わない。当時はインターネットもなく、公表していない電話番号も攻撃の的になった。仕事にならないので新たな別回線を引いても、翌日にはすぐそこに抗議電話が来る。NTT内部の信者が幸福の科学に情報を漏らしているとしか思えなかった」(当時を知る日刊ゲンダイ関係者)
業務妨害行為については、講談社が幸福の科学に対して損害賠償請求訴訟を起こし、幸福の科学に対して120万円の損害賠償命令が下されました。
■歴史の転機は「広告営業が来たから」
この騒動が起こるまでは、幸福の科学出版は日刊ゲンダイにも広告を掲載していましたが、騒動以降は広告を出さなくなっていました。幸福の科学の広報担当者によると、今回の広告掲載は「フライデー事件」以来、19年ぶりとのことです。なぜいきなり19年ぶりの広告を出したのか尋ねると、「広告営業が来たから」(幸福の科学の広報担当者)という、ものすごくわかりやすい回答でした。
「昨年に1度、今年に入ってから1度、広告代理店か何かのルートで幸福の科学出版に対して『日刊ゲンダイに広告を掲載しませんか』という営業が来た。昔のことはもう何とも思っていないので検討しましょうということで、幸福の科学出版で決め、本日の掲載に至ったそうです。そのことについて幸福の科学出版から宗教法人の方に打診等はなく、幸福の科学出版の方で判断した。だから私も、藤倉さんからの問い合わせを受けて初めて、広告が掲載されたことを知りました」(同担当者)
では、「フライデー事件」の際、幸福の科学側から起こした訴訟だけでも10件にのぼる講談社に対しては、幸福の科学は広告を出しているのでしょうか。
「講談社が発行する雑誌には、いまも広告を出していません」(同担当者)
なぜ?
「広告営業が来ていないから」(同担当者)
これまた非常にわかりやすい。
「もうわだかまりはないかと言われると、そうでもないんですが、(フライデー事件は)20年近く昔の話。もう歴史の彼方の出来事です。いまいる記者さんたちに当時のことを言っても仕方ないですし、(取材に来る)講談社の雑誌の記者さんとも、ごく普通にやりとりしてますよ」(同担当者)
■若干の不安も
講談社の記事をめぐる訴訟では、講談社に賠償金支払いを命じる判決が出ており、幸福の科学の主張が認められました。ところが業務妨害行為や個々の信者による訴訟乱発については幸福の科学側が敗訴しています(個々の信者に関しては、作家・景山民夫氏と女優・小川知子氏だけが勝訴しました)。つまり裁判の結果から、幸福の科学信者による抗議活動が“過剰防衛”であったことは明らかなのですが、これを反省する声は幸福の科学側からは聞こえてきません。むしろ一連の業務妨害や訴訟を「希望の革命」として肯定しています。
昔の話とは言え、反省する姿勢がいまだ示されていない点には若干の不安も感じます。
ただ、2007年には幸福の科学が新潮社を訴えたことがあるものの、近年はかつての「フライデー事件」のような激しい抗議があったという話は聞きません。状況的には、もうあのようなことはないだろうとも思えます。それでもやはり、「あれはやりすぎた。もうやらない」とハッキリ表明してもらった方が、取材する側としては安心できるのですが。
Are You Happy? という名前の
返信削除ちょっと半端なサイズの雑誌に、
幸福の科学の教えを 広告ではなく
本文中で宣伝されてました。立ち読みで気がついたので
購入はしませんでしたが。
お互いに「背に腹は変えられない」というのが今回の広告掲載の真相です。
返信削除新聞各社は今まさに「心肺停止状態」寸前です。
広告マーケットが完全にネットにシフトしてしまった云々の事情ですが、もうどんな相手でもどんな条件でも良いから広告が欲しいわけです。
相手が幸福の科学だろうが「今日のメシの種」になれば何でも良いというところでしょう。
そしてこの新聞社と同じく綺麗ごとで済まされないのが幸福の科学の実情です。
すでに多くの元信者さんらが内情を暴露していますが昨年の選挙以降、幸福の科学の欺瞞に気付いた方々が大量に休眠→脱会へと向かっています。
一部の情報では休眠率95%を超え、知らないうちに大量に退会しているなどの危機的な状況があります。
(アクティブな信者数は全国で4千人程度と言われています)
教団の経済状況は昨年暮れから急速に悪化しており、かつて600億/年といわれた布施などの収入が驚くほど激減、このままでは教団消滅とさえ言われ始めています。
このような状況を打開するために霊言の乱発と宇宙人話を始めましたが焼け石に水、特に霊言に関しては内容を検証した結果随所にウソが発覚し、その信憑性に疑問の声が上がっています。
今回広告に載った書籍も含めて発売される書籍の多くは活動している会員たちによる一括大量購入で数字を上げる作戦が昔から続いており、行き場の無くなった書籍は信者の家や支部などに山と積まれています。
これら書籍を「献本」と称して無料で配ったり、学生部などが道行く人に「路上献本」をするわけですが、学生、青年ともに年々減少傾向で、これらの書籍を配布する力は年々弱まっているといった状況です。
上に書いた匿名さんです、この記事に関して僭越ながら補足させていただきます。
返信削除まず
電話番号も攻撃の的になった。仕事にならないので新たな別回線を引いても、翌日にはすぐそこに抗議電話が来る。NTT内部の信者が幸福の科学に情報を漏らしているとしか思えなかった」(当時を知る日刊ゲンダイ関係者)
↓
これは間違いなく信者による情報リークが原因です。
他にも出版社に出入りするいろいろな業者の営業などが変更した電話番号をリーク、電話攻撃が行くという事も発生しています。
業務妨害行為については、講談社が幸福の科学に対して損害賠償請求訴訟を起こし、幸福の科学に対して120万円の損害賠償命令が下されました。
↓
この件も含めて多くの訴訟で「敗訴、損害賠償」という事態が起きている事を教団側は一切信者には伝えていません。
そのため古い信者の中には未だに「裁判では勝った、相手が負けたんだ!」と強引に言い張る者もいます。
当時教団が信者に対してどのような指示を出していたか?攻撃の指示やそのいきさつは脱会した方々が最近になってネット上で語られています。
ただ、2007年には幸福の科学が新潮社を訴えたことがあるものの、近年はかつての「フライデー事件」のような激しい抗議があったという話は聞きません。
↓
以前有名な「山口裁判」と言うものがありました。
これは脱会した信者によるお布施返還訴訟が起きた時、訴えた元信者の弁護士を威嚇目的で訴えました。
しかしこの威嚇訴訟は言論封殺が目的であると裁判所が認定、その後幸福の科学側が裁判で負けています。
このようなめちゃくちゃな経緯があって、幸福の科学は司法の場で争う事が非常に難しくなっています。
それ故に、ポーズとしての訴訟は起こすものの、信者を動員した抗議行動などは行えなくなっているのが現状です。
匿名さん、ありがとうございます。
返信削除幸福の科学が山口広弁護士を訴えた訴訟(1997年)は、請求額8億円というすごいものでしたね。ほかにも、教団施設の建設に反対していた栃木県の住民団体代表者に1億円の賠償を求めた訴訟(1995年)もありました。
90年代の幸福の科学は、訴訟の数も請求金額もすごすぎました。なもんで昨年、こんな記事も書きました。
幸福の科学は“カルト”なのか(PJニュース)
http://news.livedoor.com/article/detail/4354157/
自分が取材する上では、この記事を書いたときほどおっかなびっくりになはなっていないし、メディア関係者の間でも「そんな昔のことを蒸し返さなくても」という声を聞くことはあります。でも幸福の科学が社会から嫌われたり敬遠されている原因のひとつでもありますよね、たぶん。やはり90年代の問題は、幸福の科学を語る上では外せない歴史だと思います。
当時のことはぼくは直接は知らないので、今後もいろいろ教えてください。
フライデー抗議で話題の最中にも朝日新聞や日経新聞には広告が載ってました。
返信削除この記事(2010年5月12日)で言いたげな趣旨通りだとすれば有り得ないことですよね?
事件を起こしたら一般企業であってもしばらく広告掲載自粛するはずです
なぜ掲載されたのでしょうか
この記事の趣旨は、事件を起こした団体の広告は自粛すべきというものではなく、事件の当事者同士が時を経て広告再開に至ったのは歴史的な出来事ですよね、ということです。だから、日刊ゲンダイには広告が載ったけど講談社はどうなの?という話の流れになっています。
返信削除フライデー事件の最中に朝日や日経に幸福の科学の広告が載っていたかどうかは、この記事には全く関係がありません。