幸福実現党「有志」サイトが写真を盗用

　幸福実現党の「有志」が運営する「幸福実現党　東京発ニュースエクスプレス」（以下、ニュースエクスプレス）で、産経新聞社が配信しているニュース写真を盗用していることがわかりました。ニュースエクスプレスでは、無断使用であることを認めていますが、問題の写真は現在も掲載されています。

　盗用が確認されたのは、ニュースエクスプレス内の菅直人首相の写真と蓮舫行政刷新担当相の写真（ともに6月6日配信の記事内）です。それぞれ、MSN産経ニュースの写真とSANSPO.COMに掲載されている写真にそっくりです。掲載日付は、ニュースエクスプレスのものがMSN産経ニュース・SANSPO.COMのものより後です。ニュースエクスプレスに写真の出典情報は全く記載されておらず、記事はそれぞれロイターと共同通信のものでした。

　ニュースエクスプレスに確認したところ、担当者は「指摘いただいた２つの写真は、無断借用でした」と盗用の事実を認めました。一方の産経新聞グループでデジタル事業を担当する産経デジタルの担当者は、本紙の取材に対し、こう語っています。

「掲載されている先方に確認を取らなければきちんとしたお答えができませんが、万が一無断での使用になりますと使用許諾の申請していただくことになります。しかし申請をご提出いただけない場合は掲載を取りやめていただくということになります」

　産経新聞社によると、webサイト上での写真使用についてはカラー写真1枚あたりの料金は3万円で、正規の手続きを踏み料金を支払った上で使用する場合でも「産経新聞社提供」等のクレジット表記は必須とのことです。

　本紙で写真の出典を確認した盗用事例は上記の2つだけですが、ニュースエクスプレスにはほかにも大手メディア等が撮影したもののように見えるニュース写真が掲載されています。

　ニュースエクスプレスは、この件について、本紙宛のメールでこうコメントしています。

「著作権関係も、専門家から指導をいただき、レポーターまでに徹底する所存です。引用は出典を明らかにし、必要な場合は許可を取り、写真も版権フリーのものを使用するようにしていきたいと考えます」（担当者）

　ニュースエクスプレスは事務局とレポーターあわせて10数名で、全員がマスコミ経験のないボランティア。「幸福実現党的な視点で、世相を眺め、大手マスコミがあまり報道しないことを取り上げたり、論評を加えネット上で発信」（担当者）することが目的とのことです。幸福実現党のオフィシャルサイトではなく、サイト上には党の「有志」による運営と記載されています。幸福実現党のマークやロゴが使用されていますが、担当者はこれも「サイトを作成したメンバー（ボランティアWEBデザイナー）が本部に無断で借用したもの」としています。

　こうしたもろもろの問題から、現在は「コンプライアンスに十分配慮したサイトデザイン、編集方針にリニューアルをすべくメンバー編成も変更している最中」（担当者）だそうです。

　ちなみに本紙「やや日刊カルト新聞」でも他サイトの記事やキャプチャー画像等を掲載しているケースがありますが、いずれも評論のための引用として掲載し、出典を明記しています。