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2016年9月7日水曜日

満月マンが法廷で霊感商法ビジネスの正当性を主張、芸能人前妻の同ビジネスへのアドバイスも明らかに

霊感商法訴訟で尋問を受けた行導父と雅び(満月マン)
(JNN・Nスタより、画像は脱税事件の報道の際のもの)
5日、東京地裁で注目の弁論があった。日本橋で満月のコスチュームを纏い清掃活動を行っていた満月マンの中身の人物らが行なった霊感ビジネスに対し、被害を訴え損害賠償を求めている訴訟で原告被告双方の本人尋問が行なわれたのだ。

法廷では原告側代理人弁護士の質問に対し簡潔に「はい」「いいえ」で答えず自説を延々と主張する満月マン(の中の人)に、弁護士が「もう結構です!」と一刀両断。被告の一人である“霊能者・行導父”からは満月マンの中身の人物について「霊能者としてお客を騙していた」と被告側の法廷戦術をぶち壊す発言が飛び出した。

また、満月マン(の中の人)の前妻である着物デザイナーの芸能人が霊感商法ビジネスのアドバイスをしていたjことも判明した。

◆満月マンの中身の人物による霊感商法ビジネスの被害者が提訴

満月マンの中身の人物である田中了緒雅(36)が主導し霊能者役の池田曠吉(こうきち・78)とともに行なったとされる一連の霊感商法事件。HPやブログを駆使し「先祖供養」「悪霊を追い出すため」と称し高額な霊感グッズなどを購入させられ、また「人生総合鑑定」「波動送信」により多額のの被害を受けたと訴える女性が続出した。そのうち6人の原告が、田中了緒雅、池田曠吉、そして窓口として霊感ビジネスに加担していた人物2名の計4人に対し総額で約800万円の損害賠償を求め集団訴訟を起こしていた。
5日、東京地裁で原告3人と被告4人の本人尋問が行なわれた。

◆「詐欺被害の返金交渉に強い弁護士」VS「全国霊感商法対策弁護士連絡会」「開運商法弁護団」

被告側代理人は、田中了緒雅と池田曠吉が脱税で告発され刑事裁判を受けた際と同じく「詐欺被害の返金交渉に強い弁護士」が揃うグラディアトル法律事務所所属の弁護士3人。
「詐欺被害の返金交渉」に強い弁護士

原告側代理人弁護士は、全国霊感商法対策弁護士連絡会と開運商法弁護団に名を連ねる霊感商法詐欺被害回復のスペシャリスト3人だ。

証言台に立った原告3人はそれぞれ主尋問で霊界案内人・雅び(みやび)こと田中了緒雅から「先祖供養すれば妊娠できる」「人を殺めた家系」「霊界が怒っている」「悪霊が家にいると子供に健康被害が起きる」などとそれぞれの悩みにつけ込んで不安を煽られ、物品を購入させられたり人生総合鑑定や波動送信にお金を拠出させられた経緯を話した。
反対尋問で被告側代理人は『「詐欺被害の返金交渉」に強い弁護士』を自負するだけあって、各原告から「自発的に自分の判断で積極的に物品購入などを行なった」との旨の回答を引き出そうとしていた。

◆寡黙な筈の満月マンは法廷で喋り倒す

田中了緒雅は主尋問で、池田修玄先生こと池田曠吉の窓口となりブログを開設して相談を受けるようになった経緯を説明、本人曰く「人を幸せに導きたいというプロ意識」で行なってきており「勧誘や不安を煽るようなことはしていない」と主張した。原告についても「愛と憎しみは(紙一重)と言いますから」と本訴訟が各原告の自分に対する好意の裏返しであると匂わせた。

反対尋問では、鑑定料等について池田に一定額を支払い、他を自分の取り分として経費や生活費に充てていたことや刑事事件の際の検事の取調べ供述調書にその旨が記載されていることについて間違いがあるかないかと訊かれると、延々と質問内容と関係のない自己正当化の弁明を始め、原告側代理人弁護士や裁判長から注意を受ける場面が多々見られた。

以下、傍聴取材メモから田中了緒雅の本人尋問の受け答えやその要旨を可能な限り再現する


供述調書の内容について

――間違いがあるかないかで答えてください

――脱税についてあなたが話す場ではありません

――正しいんですか?間違っているんですか?どちらかで答えてください

「矛盾しているのでお答えできない」

――正しいのか間違っているのか答えてくださいという質問のどこが矛盾しているんですか?もう結構です

「自分が主導ではなく池田先生のために・・・私の口座だが実際は池田先生のお金なんです」

――はい、もう結構です

◆“行導父”の金を保管していただけと主張する満月マン、値上げは霊界の指示?

池田から仕入れた霊感グッズの価格と顧客に販売した価格の差額について

「取得ではなく保管していた」

物品代や鑑定額が田中が窓口となって以降、何十倍にも値上がりしたことについて

「池田先生の言うとおりに動いていただけ」「勝手に自分の意思でできる立場ではない」

――池田さんは何故値上げしろと言ったんですか?

「先生も自分の意思で動いているわけはないですから」「霊界通信で言われたんだと思います」

――霊界が値上げしろと言ったんですか?

「不動明王に聞いて、多分『安すぎるこれは』と」

お客さんから受け取ったお金のうち、池田よりはるかに大きな額を自分の利益にしていることを問われ

「それも違うんです本当は」

人生総合鑑定では8万円のうち池田に3万円、田中に5万円、波動送信代の10万円のうち3万円が池田の取り分で7万円を窓口に過ぎない田中が得ていたことも明らかとなった。その件について問われると

「保管していただけで13年間使っていない、池田が買いなさいと言った家を買った時までに自分が使ったのは時計一個だけで」

――あなた何台車持ってるんですか?

「車とお墓は全部先生から」「霊界からお人好しと言われている」

◆脱税事件での供述調書を突かれ四苦八苦、裁判長からも注意
  
――平成22年初めに数十万円だった預金残高が平成23年初めには2,000万円を超えた。この頃から現金を自宅に置くようになった。これは脱税のためですね?

「先生の代わりに私がやっただけです」

脱税事件での検事作成の供述調書にある「納税を逃れるため」との記述を示し

――これは間違っているのですか? 

と問われると

「所得税ではなく贈与税の未払い」云々と脱税事件での供述調書の内容と相違する弁明を始める

――もう結構です

「あれは先生からの贈与が・・・」

――質問に答えてください

「ですから、所得税ではなく贈与税を・・・」

――もう結構です

同供述調書について

「ニュアンスが違う」「白か黒で答えられない回答もあるじゃないですか」

――ありません、私はあるのかないのかと訊いています

「答えられないです」「意見は言えないんですか?」

――意見は聞きません。

裁判長からも質問には簡潔にイエスかノーで答えるよう注意が与えられる

◆前妻は芸能人、購入した豪邸を質のいい方に無料開放?


――こうして得た利益で高級時計、自転車、カラオケルーム付きの豪華な家を白金に買ったり、高級家具を買ったりしてますね?

「時計以外は自分のために買ったものでははない。家とかは自分のためではない」

――誰のために買ったんですか?

「池田先生が亡くなった時に、無料サロンとして、前の妻がすごい芸能人で人脈があるのでそこをそういう質のいい方に無料開放して絵とか自然に売れるハウスとして使うつもりだった。自分は住んでないから」

芸能人で質のいい方たちというのはこんな人たち?
森三中・大島、田中了緒雅、紫藤尚世、TOMORO(TOMORO FACEBOOKより)
TOMORO(TOMORO FACEBOOKより)
満月マンマネージャー、占い師の星くん
満月マンプロデューサー朝堂院大覚総裁(朝堂院大覚インターネット放送局より)
紫藤尚世、TOMORO(TOMORO FACEBOOKより)

◆田中了緒雅の前妻の着物デザイナーが霊感ビジネスに助言

――池田さんには霊なんかを見る力など全く無く写真に丸を付けて霊が居ることにしているだけなのではないですか? 

「そうではありません!あの先生は」「先生はインチキは絶対しない、正直な方なので」

田中が扱う水や浄水器に池田が波動を送っている件、野菜粉末でアトピーが改善した件、平成15年から株式会社アールでピュアウォーターなる水や浄水器を販売し平成20年以降野菜粉末や田中が描いた絵を販売するようになったことについて

――これらはあなたの事業で池田さんは関係ないのでは?

「池田先生に『波動を入れたものを拡めていった方がいい』と言われた。本業と雅びを別にしたかったが波動が上がってしまったので」

池田に内緒で池田以外に2人の鑑定人『サカタ先生』『ツシマ先生』を使っていたことについて

――3人の先生をあなたは道具のように利用する立場になってうまく使ってやろうと思っていたんだよね?

「それは前の妻のアドバイスが書いた手帳を検事さんが書いたんです」
夫(当時)の霊感商法ビジネスにアドバイスを
行なっていたことが判明した「質のいい方と
人脈のある凄い芸能人」で着物デザイナーの紫藤尚世
紫藤尚世オフィシャルブログより)

――で、そう考えていたんでしょ?

「それは妻のアドバイスを書いたメモが・・・」「私は考えていない、妻のメモを検事さんが引用した」

――(供述調書の内容を読む)『どの先生かとも選べないし修玄先生だけに絞るのも嫌だ。修玄先生に利用されるのではなく、私が頭となって修玄先生を含め各先生の力を利用する立場に立たないとダメだなどと考えていた』でしょ?

「これは『了ちゃん』と書かれてますホントは。『私が』ではなく。それを検事さんが妻の・・・・」

――そう考えていたんだよね?

「考えてないですよ。妻のメモを手帳に書いたんです。そしたら検事さんがそれを引用したんです」

田中了緒雅は32歳年上の前妻、着物デザイナーの紫藤尚世から当時、霊感ビジネスについて『修玄先生に利用されるのではなく、了ちゃんが頭となって修玄先生を含め各先生の力を利用する立場に立たないとダメ』とアドバイスを受けていたと明かした。

◆「霊界案内人はボランティア」と偽装

平成23,24年当時、田中はブログに妻の会社の役員、株式会社アールの代表取締役で霊界案内人は商売の合間に恰もボランティアでやっていると装っていたが、当時株式会社アールは休眠状態で平成23年、24年の所得がそれぞれ5,000万円超、一億1,600万円超の収益を上げていることについて

――全部窓口業務の所得ではないのか?

「大部分が先生の経費で」

――これは虚偽ではないのか?

更に、所得税法違反で事実関係を認めて反省しているとして量刑判断がなされ執行猶予つきの有罪が確定しているのにもかかわらず、本法廷に於いては所得税ではなく本当は池田からの贈与に関する贈与税だと主張していることについての矛盾点が指摘された。

◆窓口業務の“雅び信奉者”男女被告も尋問

一連の霊感商法ビジネスの窓口業務を行った被告の男女二人も証言した。二人の雅び信奉者は霊感ビジネスの拡散者となり新たな顧客を勧誘する役割を担っていたとされる。女性は事務作業に於いて漢字の間違い等があった際には月の手当て(お心)5万円がもらえなかったこともあったと明かし、株式会社アールの社員として採用された男性は田中から受けた暴言や暴力についても証言した。

◆霊能者“行導父”池田修玄が被告側法廷戦術をぶち壊す唖然の展開

そして本人尋問の最後に登場したのが池田曠吉(78)、鑑定人・行導父として波動送信や人生総合鑑定を行なった霊能者役の人物だ。

主尋問

――昭和54年から平成6年に経営していた工作機械会社を畳んだ後に特別な力に目覚めた?

「いや、別に」

――人生総合鑑定って何ですか?

「分からない。人生?総合?鑑定?鑑定も何もないですよ」

波動送信について訊かれると

「送るんですよ。手にある自分の力をかざしてやるんです。手は赤くなるし。今はもうやってない」

鑑定については

「家に来られた人にはやっている」

脱税の件で刑事裁判を受けたことについて

「脱税ってことは私は一切知りません」

田中了緒雅と自分を含め4人が被告として訴えられていることについて

――今までの20年間にこういうことはありましたか?

「私がいくらこういうことは言っちゃダメだよと言っても了緒雅くんは・・・」

慌てて池田の発言を遮る被告側代理人弁護士


自称霊能者の池田曠吉被告(霊界通信 霊通.comより)
反対尋問

――平成23年と24年の2年間の所得に合計一億円くらいを儲けたと刑事記録にあるが?

「とんでもないです」

平成8年の精工会社の倒産で借金は?

「1億円近く」

――脱税事件で取調べられた時には借金が残り3千万円。7千万円位を殆ど行導父としての活動でたくさん稼いで借金を返さなくてはと思っていた?

「(債権者が)困っていたからね、返さなくてはいけないと」

秘妙符、田中のHPについて

「知らない、見たことはない」

――物品を売って幾らかが池田さんのものになって、それ以外の残ったお金は田中さんのお金ですか?

「そうですね。持っていきますからね」

――先ほど田中さんはそこに座って「そのお金は私は保管、預かるように池田さんから言われていただけなんだ」と言っていたが?

「とんでもない。預けるなんてことはしないです。直接出しちゃいますからね」

――田中さんの家の金庫やソファに合計で一憶7千万円くらい現金があったが、もしそれが池田さんのお金だったら人に預けているのか預けてないのかなんて間違えるわけないですよね?

「私のものだったら預けてるんですから返してほしいですよね」

――実際は預けていたのではないんですよね?

「ないですよ」「それはどういうので収入を得たのか知りませんけどその辺はちょっと違いますよね」

池田が波動を送っていたとされる浄水器について

――田中さんが浄水器を売っていたことは知ってる?

「直接タッチしたことはない」

――どこの誰に売ったのか報告を受けていましたか?

「どこの誰に売ったかは聞いていません」

――田中さんはは浄水器に池田さんからの波動が届くと言っているが、どこの誰か判らないのに波動は送れるんですか?

「送れません」

――田中さんは水も売っていたが、この水に波動を入れていたことはありますか?

「ないです」

――野菜粉末って聞いたことありますか?

「野菜粉末?どんな物でしょうか?」

――霊界が混ぜ合わせ方を教えてくれて、それを飲むと健康にとてもいいそうだが?あなたはそのことを知っていますか?

「霊界からは聞いてますけど、そういうことはやってません私は」

――野菜粉末の作り方知ってましたか?

「知りません。見たこともない」

平成22年から24年に掛けて売り上げが急激に伸びていったことについて

――収入は何倍ぐらいになりましたか?

「収入はそんなにはならない、出しちゃったほうが多いですから。困ってる人に」

借金の返済に充てていたことを改めて証言した。


裁判官からの質問

――窓口はあなたが頼んだのか、田中さんからが窓口をやらせてくれと言ってきたのですか?

「やらせてくれと言ってきたんです」

――田中さんからの売り上げの報告はありましたか?

「ありますね」

――どういう形で?

「今月はこれだけになったとか。ちょっと上乗せしてるとか」

――ちょっと上乗せしてると言っていたのですか?

「誰にどう上乗せしたが私はよく知りませんが、お客さんから余分にもらっていたみたいですね」

――あなたは田中さんが窓口をやっていた頃に不満を持っていましたか?

「持ってますよ」

――その不満はどのようなものですか?

「勝手なことやったと」

――具体的には?

「分かりもしないで自分から霊能者だというような形を取ってお客さんを騙していたからですよ。私は騙すのは嫌ですから」

――田中さんに対して窓口を辞めてくれと言ったことはありますか?

「ありますね」

――何回もありますか?

「彼は彼でやってたもんですからね」


“行導父”池田修玄こと池田曠吉の証言は田中了緒雅の主張を悉く否定するものだ。

但し、尋問では耳が遠い池田が受け答えに窮する場面も見られた。池田の証言が採用されるかは「微妙」だが、霊界案内人・雅びこと田中了緒雅の欺瞞性は充分に示されたと云えよう。

今回、提訴した被害者は氷山の一角だ。満月マンの“中の人”による霊感商法ビジネスの被害は全国各地に及んでおり、田中らの脱税額からみても相当数の潜在的被害者がいると指摘されている。(文中敬称略)

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7 件のコメント:

  1. ついに元妻に切り込めましたね。雅のビジネスに関与していたとは。

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  2. わたくしも200万近く騙されましたが泣き寝入りです。今更訴えるのも、個人情報全部知られてますから怖いです。

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  3. 窓口の主婦たちが裁判に出たのかが気になります。

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  4. 白金の公園横のオフィスで田中さんに何度も会ったことあります。

    震災のとき水でぼろ儲けで、5000万円儲かったと自慢げに話していました。

    胡散臭い霊界の話ばかりするので、距離をとりましたがw

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  5. 無事に解決で、被害者の全面的訴えが、通りました。そりゃそうです、裁判もしどろもどろでしたよ、雅び。

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  6. 騙されて目が覚めて6年たち、そーいえばあの人はイマ的な感じで検索。何でこんなのに騙されたんだろ。気の迷い、とにかく勉強になった。まだまだスピ系が潜んで金儲けしてるけど、みんな良い勉強代だと思って目覚めようね。

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  7. 数年前に雅びのブログを読んで、そんなに良いものならと、先祖供養の神棚について問合せたことがあります。その問合せで、「その神棚が不要になったときに、どうやって処分すれば良いのか」も訊いたら、「処分を前提にして購入するような人にはお答えできない」というような意味のことを言われました。それで購入する気は失せ、ブログを読む気も失せました。今見てみると、こういう事件になっていたのですね。なるほど・・・という印象です。

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