動画あり・Jアノンなどが反WHOデモ、池田としえ日野市議絶叫「ワクチンは日本殲滅大作戦！！！」「ビル・ゲイツ！」

　1月14日、都内で世界保健機関（WHO）と「パンデミック条約」に反対する街宣とデモ行進が、Qアノンの日本版「Jアノン」も加わって開催された。主催者は、昨年、LGBT理解増進法やウクライナ支援に反対するデモ行進を開催した佐藤和夫氏。今回のデモでは、参政党関係者、神真都Qデモ参加者、ラエリアン・ムーブメント関係者など、反ワクチン勢の参加が目立った。デモ中、池田としえ（利恵）日野市議がマイクを持ち、ワクチン接種を「人類殲滅大作戦だ！」などと叫んだ。

　パンデミック条約は、将来のパンデミックの予防や対策の態勢を強化するため、現在、WHO加盟国間で交渉が進められている。これに対し昨年11月、パンデミック条約や世界保健規則（IHR）改正を批判する超党派の「WCH議員連盟」が発足（WCHは世界保健協議会＝イギリスで設立された反ワクチンの医療団体）。平沢勝栄衆院議員（自民）と原口一博衆院議員（立民）が共同代表に就き、設立総会には参政党・神谷宗幣代表も参加した。

　パンデミック条約をめぐっては、元幸福実現党の陰謀論YouTuber・及川幸久氏や陰謀論ミュージシャンのASKA氏などが批判的な活動や発信を活発化させ、陰謀論ラップユニット「韻暴論者」のメンバーが反パンデミック条約の曲を発表し、ラエリアン・ムーブメント関係者が反パンデミック条約デモを開催するなど、反ワクチン・陰謀論の間でホットなテーマとなっている。主張内容は、パンデミック条約によりWHOが各国の主権より上位の権力を手にするかのような根拠のないものや、これによりワクチン接種がさらに促進されることへの非難だ。

反パンデミック条約デモで掲げられたLGBT理解増進法に反対するプラカード

　1月14日に都内で開催したデモもこれと同趣旨。「パンデミック条約に反対する会」主催だが、実質的には、元自衛官の保守活動家・佐藤和夫氏（英霊の名誉を守り顕彰する会会長）の呼びかけによるもの。佐藤氏は名目上別団体として昨年5月にウクライナ支援に反対するデモ、6月にLGBT理解増進法に反対するデモも開催。2020年の米国大統領選でトランプ元大統領を支援したQアノンの日本版「Jアノン」勢力の一角である、幸福の科学やサンクチュアリ教会（統一教会分派＝7男派）の関係者とも交わる運動を展開している。

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　今回の反パンデミックデモは、目算で400人以上が参加。あと犬。デモ前に霞が関の厚生労働省前で街宣後、日比谷公園から銀座方面を行進した。

　街宣では、参政党の松田学氏や山中泉氏のほか、反ワクチンの池田としえ日野市議会議員などがマイクを握った。この中で、山中氏は、昨年のLGBT理解増進法に触れ「自民党国会議員の8割が反対していたのに成立した」として、アメリカからの外圧によるものだと批判。パンデミック条約についても同様だとした。

　道路を挟んで反対側では、反ワクチン活動家の塚口洋佑氏（新生民権党代表）が参政党やWCHに対して「ピュアで情弱な反ワクチン陰謀論者をカモにしてカネ集めをしている」などと、立ち位置がよくわからない非難の演説。街宣参加者から罵られていた。

　デモ行進では、「パンデミック条約反対」「公衆衛生の名を借りた全体主義を許すな」などとする横断幕や、「DESTROY WHO」「レプリコンワクチン生物兵器だ」といったプラカードが掲げられた。中には「LGBT法案 日本には不要!!」（実際にはLGBT理解増進法はすでに可決、成立しており「法案」ではない）とのプラカードを掲げる参加者や、トランプ元大統領の名前と星条旗柄が入った帽子をかぶり「Qanon」とプリントされたシャツを着た参加者もいた。

　デモ隊が銀座に差し掛かった際には、先頭付近で参加していた池田としえ日野市議が絶叫した。

「世界でコロナワクチンを打たせている国は日本しかない！　日本殲滅大作戦が今始まっている！　ワクチンは絶対に打ってはならない！」

　デモを取材していた陰謀論ウォッチャーの一人は、「池田先生が〝大作〟戦などと叫んでいて震えた」と振り返る。

　今回のデモで確認された参加者の所属団体は以下の通り。

参政党

サンクチュアリ教会（統一教会分派＝7男派）

ラエリアン・ムーブメント

神真都Q

新地球会（神真都Q分派）

　デモを取材していた陰謀論ウォッチャーの一人は、こうぼやく。

「厚労省前街宣が12時半からと告知されていたので、その時刻に現地に行ったが、30分も前から街宣を開始していたらしい。おかげで参政党の松田学氏のスピーチに間に合わなかった。主催者は、きちんと告知時刻通りに行動してほしい。せっかく街宣を楽しみにしていたのに」

　デモ終了後には、ラエリアン・ムーブメントの日本の代表者の女性が、翌週日曜日の1月21日に新宿予定している反パンデミック条約デモを告知し、ビラを配布した。この女性は昨年11月にも新宿で、「韻暴論者」メンバーのメック・ピースア氏らとともに同趣旨のデモを開催し、「（日本はWHOから）脱退だ！脱退だ！脱退だ！脱退だ！脱退だ！脱退だ！脱退だ！脱退だ！脱退だ！脱退だ！脱退だ！脱退だ！脱退だ！脱退だ！脱退だ！脱退だ！脱退だ！脱退だ！脱退だ！脱退だ！」をひたすら連呼。陰謀論ウォッチャーの間で「脱退ネキ」と呼ばれ親しまれている。

　21日のデモはラエリアン・ムーブメントが「呼びかけ団体」。直前に同じく新宿で、ワクチン接種会場襲撃事件で大量逮捕者を出した反ワクチン団体「神真都（やまと）Q」のデモも予定されている。反ワクチン勢の「ダブルヘッダー」だ。