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2010年6月23日水曜日

北海道でも霊感商法本の新聞広告が掲載!

『道新』、北海道の人は親しみを込めてこう呼ぶ。道内で圧倒的な占有率を誇る『北海道新聞』のことだ。
その道新に、本紙既報【読売新聞全国版に『霊感商法』本の広告が掲載!? 】 【読売新聞広報は、やや日に「ノーコメント」】 【読売新聞に広告掲載の霊感商法本、出版社も統一協会関連? 】 の霊感商法本『新・家系の科学』の書籍広告が掲載されていた。







6月15日の朝刊2面、先月読売新聞に掲載されたものと全く同じ広告である。

北海道新聞に電話取材をした。
本社代表から広告局に繋いでもらい情報提供と併せて取材の申し込みをした。
折り返し東京支社の広告管理審査室の室長から電話をもらった。
掲載広告は全道版と判明、北海道新聞のHPによると60%以上の道民にメッセージが届いた計算になる。
室長の話によると、新・家系の科学の出版社であるコスモトゥーワンとは初めての取引ではなく以前にも書籍広告の掲載をしたことがあるとのことだった。
審査については、「基本的には原稿での審査になります」と前置きした上で「直接宗教の勧誘にあたる表現がなければ掲載します。また、反社会的な表現があれば掲載を見送ります」との回答、もし読者から今回の広告を切っ掛けにして霊感商法や勧誘被害に遭ったと苦情があった場合の対処については「今のところクレームはありませんが、今後クレーム等があれば対応します」とのことだった。

水をも漏らさぬ厳重なチェック体制を要求するのは酷な面もあるとは思うが、北海道新聞は自社のHPに於いて『北海道新聞広告掲載基準』を以下のように記載している。
【北海道新聞広告掲載基準】(抜粋)

【北海道新聞広告倫理綱領】
北海道新聞社は、新聞広告の社会的使命と責任を認識し、広告の信頼向上に努めます。
1.広告は真実を伝えるものとします
1.広告は関係諸法規を守るものとします
1.広告は読者の利益を守るものとします
1.広告は紙面の品位を保つものとします

【責任の所在】
広告の掲載には社会的、法的な責任が伴います。掲載された広告の内容について、本社が負担した損害を含め、一切の責任は広告主が負うものとします。

【広告の掲載権】
広告の掲載可否の最終決定権は本社が保有し、審査の上、広告の掲載をお断りすることがあります。また、その理由を明示する義務は負いません。


『全般規定』
4.虚偽、誇大、または不正確で誤認を与える恐れのあるもの
8.信用棄損、業務妨害などの恐れのあるもの
9.反社会的、非道徳的など社会秩序を乱す恐れのあるもの
10.詐欺的なもの、またはいわゆる不良商法と見なされるもの
11.非科学的、または迷信に類するもので、読者を惑わせたり、不安を与える恐れのあるもの
17.本社の社会的評価、紙面の品位を低下させると思われるもの
18.事実に反して、本社が広告主を支持、またはその商品、サービスなどを推奨あるいは保証しているかのような表現のもの
19.広告の掲載によって、本社が不利益を被る恐れがあるもの

〔9〕易、占い、運命鑑定の広告
本社が、実体について妥当と判断したものに限って掲載できます。実証不能な迷信などに基づいて、過度に読者に不安感をあおりたてる、あるいは安易に利益が得られるなどと読者に誤認を与えるような表現はできません

〔10〕出版広告
出版広告は、原則として市販されている書籍・雑誌・デジタル出版物などを対象とします。次のものは掲載できません。
A.性、人種、民族、身分・地位、地域、職業、病気・障害などで差別を助長する恐れがあるもの
B.信用・名誉棄損、業務妨害、プライバシー侵害、セクシャルハラスメントになる恐れがあるもの
C.未成年者、心神障害者の犯罪に関連して、該当者を特定する恐れがあるもの
D.露骨な性表現のものや、暴力や脱法行為を肯定するもの
E.確実な根拠がないものや、虚偽、誇大な表現で誤認される恐れがあるもの
F.健康食品や代替療法などに関しての商品やサービスの販売を目的とした、いわゆるバイブル商法の恐れがあるもの
G.宗教に関するもので独断的な表現のものや過激な表現で不安をあおる恐れがあるもの
H.出版物の体裁だが、選挙の事前運動に当たる恐れがあるもの
I.法規に触れる恐れがあるもの
J.第三者から異議を申し入れられる恐れがあり、係争に発展する可能性があるもの
K.本紙の品位を損なう恐れがあるもの
L.本社の信用あるいは名誉を棄損するもの
M.そのほか本社が特に不適当と認めたもの


道民に信頼されている道新だけに、その公器としての社会的責任にも高いハードルが求められている。

しかしながら、審査に限界があるというのも現実であろうと思われる。

今回の広告料金は記事下広告シュミレーターによると273万円になる。
霊感商法なら直ぐに回収できる金額である。統一協会としては先月に広告掲載をした読売新聞より道内で大きなシェアを有する道新に狙いを定めたということであろう。

室長の対応には終始誠実さが感じられた。
記者からは、室長に「私は8年程この問題に携わっているので読売新聞に掲載された新・家系の科学の書籍広告を見て直ぐに統一協会関連の本であると判りました。カルトの実態を捉えることは容易ではないと思いますが、被害をなくすためにもより慎重な審査をしてほしい」と要望を伝えた。
室長に、「道内でのカルト被害を防ぐためにも今回の事を記事にしたい」と伝えると、快く了承してくれた。記者が「北海道新聞に批判的な内容を含む記事になると思いますが」と伝えたのにも関わらずだ。
一旦電話を切った後、本社にも確認を取ってくれたようで改めて記事掲載を快諾してくれた。
今回は統一協会(統一教会)に紙面を悪用される形になってしまったわけだが、自社にとって不利益なことになるかもしれない事案から逃げたり誤魔化したりしない北海道新聞社のこの姿勢は評価したい。

3 件のコメント:

  1. 一道民として記事を読み少しホッとしました。
    7年前から札幌にいますが、経済状況が悪くなるにつけ、道民の心も変わってきたように感じていました。
    変わらないもの、希望もまたあるのだなと思いました。

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  2. 勝手ながら、当事務所のブログに記事を貼らせて頂きました。
    今度、こちらでも先祖解怨の手口について記事を書こうと思ってます。

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  3. ありがとうございます。統一協会問題の記事はエイト記者が頑張ってくれていますが、記者陣一同気にかけている問題です。ブログの記事、楽しみにしています。

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