“菊池カンペ”霊の画像問題 幸福の科学「同意できない」に本紙「同意必要ない」

菊池寛（霊）の画像を掲載した本紙記事

本紙・やや日刊カルト新聞が菊池寛の霊の画像を掲載したことについて、幸福の科学が削除を要求し本紙が拒否していることはすでに報じた通り。この件について幸福の科学側は、本紙の説明に対して「同意できない」などとして、今度は削除ではなく議論を要請してきました。これに対して本紙は、「議論をするためにやりとりをしているのではない」「弊紙では幸福の科学の同意を必要としていない」と返答。議論の要請も拒否しました。

この問題は、幸福の科学・大川隆法総裁に降臨した菊池寛の霊がWikipediaらしきものをプリントアウトしたカンペを見ながら喋っている画像をやや日刊カルト新聞が掲載したことに対して、幸福の科学が削除を要請してきたというもの。8月27日の本紙＜幸福の科学が“菊池カンペ霊”画像の削除を要求、本紙は拒否＞で報じた通り、本紙は報道による著作物利用を認めた著作権法第41条を根拠に、削除を拒否しました。

これに対して幸福の科学側は9月3日に、こう伝えてきました。今回は削除を求める文面は一切なく、議論を求める内容となっていました。

【幸福の科学グループ広報局からのメール 2012年09月03日】

藤倉善郎殿

当教団が著作権を保有する動画から取得した２つの静止画像（以下「本件画像」といいます）に対する当教団の３度目の削除要請に対し、本年８月２６日、貴殿はメールにて削除しない旨の回答を送付しましたが、残念なことに何の回答にもなっておらず、貴殿の感想と結論のみを述べる主張にはまったく同意できません。
そもそも貴殿は、“今回の●様からのメールの内容は、当方が示した著作権法の条文を無視した主張、弊紙に関してインターネット上で調べればわかる程度の事実確認すらもしないままでの主張、そもそも当該画像の削除を求める根拠とは全く関係のない主張、当方がすでに回答済みであることに対して新たな有効な根拠も示さないまま前回同様の内容を繰り返すだけの主張等で占められております”といいます。
しかしながら、当教団の前回の要請メールのどの部分が“当方が示した著作権法の条文を無視した主張”であり、どの部分が“弊紙に関してインターネット上で調べればわかる程度の事実確認すらもしないままでの主張”であり、どの部分が“そもそも当該画像の削除を求める根拠とは全く関係のない主張”であり、どの部分が“当方がすでに回答済みであることに対して新たな有効な根拠も示さないまま前回同様の内容を繰り返すだけの主張”であるかがまったく不明で、このままでは当教団としても貴殿に反論のしようがありません。
貴殿のこのような“回答”は、本件の法的論争につき、正面からの回答に窮してしまったことによるものと判定せざるを得ないものです。貴殿は、自ら著作権法の条文を全面的に掲げ解釈論を展開していたはずですが、じつはその解釈論において通常の法的議論さえできず、このような誤魔化しの主張をするほかないことを自認したことに、深く思いを致すべきです。
当教団としては、貴殿から上記の点に関する回答が送付され次第、貴殿の“著作権法の条文を無視”とか“インターネット上で調べればわかる程度の事実確認すらもしない”とか“当該画像の削除を求める根拠とは全く関係のない”かどうか、“新たな有効な根拠も示さないまま前回同様の内容を繰り返すだけ”かどうか等について、丁寧に反論する考えであります。
論争を避けるための誤魔化しではない、貴殿の誠実な回答をお待ちする次第です。

幸福の科学グループ広報局
●●●●●

幸福の科学の担当者は何か勘違いしているようですが、本紙では、幸福の科学から削除要請があったから、対応を検討し返答しているのであって、別に幸福の科学と議論しながら本紙に掲載する内容を決定しようなどとは考えていません。本紙の編集権は本紙編集部にあり、もともと幸福の科学が干渉できるものではありません。本紙側に何か違法行為や不当な権利侵害等があった場合には、本紙が自主的に善処します。

幸福の科学が本紙の画像を削除させるためには、幸福の科学側が本紙の違法行為を立証する必要があります。しかし前回の記事で紹介した通り、本紙は幸福の科学の主張が、画像を削除するだけの根拠を持っていないことを説明済みで、幸福の科学側もそれ以上、新たな根拠を示していません。

また、幸福の科学は一連のやり取りを、本紙から幸福の科学に対する「画像の使用許可願い」と勘違いしているようで、画像の掲載には自分たちの同意が必要であるかのような立場を取っています。しかし実際には、著作権法第41条が報道における著作物利用を認めていることから、そもそも幸福の科学の同意など必要ありません。

幸福の科学はこうした勘違いに加え、「画像削除の要請」を忘れて「議論の要請」をしてくるという、何がしたいのかよくわからない状態に陥ってしまいました。

このメールに対して、本紙は以下のように返答しました。

【やや日刊カルト新聞からの回答 2012年09月08日】
幸福の科学グループ広報局
●●●様

9月3日にいただきましたメールの内容は、かねてよりの幸福の科学側の主張である「画像削除の要請」ではなく「議論の要請」になっております。
弊紙は、●様と議論をするためにやりとりをしているのではありません。幸福の科学からの削除要請を受け、弊紙として決定した結論とその根拠を説明することが目的ですので、「議論の要請」には応じかねます。弊紙の編集権は弊紙編集部にあります。幸福の科学が「議論」によって編集に参画することはできません。
また●様は弊紙の回答に対して「まったく同意できません」としています。しかし弊紙からの回答は飽くまでも、弊紙側に何ら法的問題はないとする判断の結果と根拠をお伝えする「回答」であって、「画像掲載許可のお願い」ではありません。弊紙では●様や幸福の科学の同意を必要としておりません。
●様は「このままでは当教団としても貴殿に反論のしようがありません」としていますが、反論のしようがないのであれば、していただかなくて結構です。新たな主張が示されないのであれば、弊紙としてはこれ以上検討すべき材料はありません。すでにお伝えした結論を今後も維持いたします。

以上、よろしくお願いいたします。

やや日刊カルト新聞
主筆　藤倉善郎

本紙・藤倉主筆のコメント

「これまでのように、取材を受けないぞと言ってみたり訴訟だ何だといって脅しくてるのに比べればまだマシかもしれない。しかし逆に言えば、幸福の科学の抗議から報復や脅迫の要素をなくしたら何も残らないということか」