幸福実現党、次期衆院選にも候補者擁立＝比例区重視の方針発表

いまのところ「仏陀」の出馬予定はなし

幸福の科学による宗教政党「幸福実現党」は10月3日、次期衆院総選挙で小選挙区に21名、比例区に42名の合計63名の候補者擁立を決定したと発表しました。小選挙区288名、比例区49名を擁立した前回の衆院総選挙（09年8月）と比べると、選挙区での擁立は10分の1以下。一方、比例区では全区に配し、もともと選挙区の候補予定者だった19名を比例区の予定者に変更しました。完全に比例区を重視した編成となっています。

幸福実現党は09年の衆院選で、再誕の仏陀との呼び声高い教祖・大川隆法総裁を筆頭に337人を擁立しましたが、仏陀ごと全員落選。全ての選挙区・比例区で規定の得票数に達せず、計11億円を超える供託金をすべて没収されました。

10年5月には、大江康弘参議院議員が入党したことで、選挙ゼロ勝のまま同党初の国会議員が誕生。しかし大江氏は「霊の言葉」で物事を進める幸福実現党に振り回され、およそ半年後の同年末には「“天上界の声”を受け止めきれなかった」という言葉を残して離党。同党は同年7月に行われた参院選でも候補者全員が落選しており、再び国会議員ゼロとなりました。

今回、比例区重視の布陣を敷いた背景には、小選挙区に比べてより広範囲の地域から幸福の科学信者による組織票を集約しやすいとの判断があると思われます。ちなみに、仏陀は出ません。

同党のこれまでの比例区での得票数は、09年の衆院選での約46万票。10年の参院選ではその半分の約23万票でした。

その後、幸福の科学では、選挙活動に対する信者たちの抵抗感や、かつて党首を務めたこともある妻・きょう子氏との離婚訴訟への落胆、いちだんとヒートアップする教団のカネ集めに対する不信感などから、脱会者が続出しているとの説もあります。その具体的な数はわかりませんが、09年の衆院選以降、教団の内情がだいぶ変わっていることは確かです。

次期衆院選、幸福実現党の得票数が注目されます。が、09年の衆院選の際には公示直前になって選挙の出るのをやめると言い出したり、やっぱりやめるのをやめると言い出すなど混乱を見せた同党。実際にどれだけの候補者を擁立するのか、公示まで予断を許しません。