ページ

2013年11月12日火曜日

死亡事故のセミナー会社が2度目の削除要求=本紙も2度目の“拒否回答”

松田友一代表(ASK社公式サイトより)
2010年に受講生が死亡した自己啓発セミナー会社「ASKグローバル・コミュニケーション」(東京都豊島区)と松田友一代表が9月27日、本紙「やや日刊カルト新聞」に掲載された同社の死亡事故や遺族との遺族で争われていた民事訴訟に関する記事を削除するよう要求してきました。本紙に対するASK側からの削除要求は約10カ月ぶり2度目。やや日刊カルト新聞社側は、「削除すべき理由がない」として削除を拒否。同社に対する本紙側の削除拒否回答も同様に約10カ月ぶり2度目となります。


ASKグローバル・コミュニケーション社は、日本初の自己啓発セミナー会社「ARCインターナショナル」(旧名ライフ・ダイナミックス、すでに解散)でトレーナーを務めていた松田友一氏が設立した自己啓発セミナー会社です。2010年1月、ASK社が開催したセミナーに参加した、マルチ商法会社「ニューウェイズ」のディストリビューター(販売員)集団「ワンダーランド」の男性が死亡。遺族が、ASK社とニューウェイズ社、両社の関係者やワンダーランド関係者に対して損害賠償を請求する訴訟を提起していました。

2012年9月、大阪地方裁判所で、遺族側が敗訴。遺族は大阪高等裁判所に控訴しましたが、2013年4月にで和解。一方で遺族は、ASK社の松田代表ら3人について、保護責任者遺棄致死罪に当たるとして刑事告訴をしていました。こちらについては、2013年7月に東京地検が不起訴処分としましたが、遺族は検察審査会に申し立てを行い、まだ結論は出ていません。

この一連の裁判についてリポートしてきたやや日刊カルト新聞社に対しASK社側は、大阪地裁で勝訴した直後の2012年11月、勝訴を理由に記事の削除を求めてきました。これに対してやや日刊カルト新聞社側は、「控訴審が行われており、確定していない地裁判決を根拠にした主張には応じかねる」「いかなる判決が出ようとも、当該記事で掲載した内容はすべて事実」「(記事の内容は)ASKによる報告書や松田氏の主張に基づいたものであり、原告側の一方的主張ではない」などとして、削除を拒否していました。

それ以上は削除を求めることはしなかったASK社でしたが今年9月27日、今度は高裁での和解や検察による不起訴決定を理由として、再び記事の削除を求めてきました。
2013年9月27日
通知書

〒●●●-●●●●
●●●●●●●●●●●●●
やや日刊カルト新聞社
藤倉善郎殿

〒100-0006
東京都千代田区有楽町一丁目6番6号小谷ビル4階
日比谷シティ法律事務所
TEL 03-3580-5460 / FAX 03-3580-5465
ASKグローバル・コミュニケーション(株),松田友一代理人
弁護士 堀野紀
弁護士 伊藤敬史

冠省 当初蔵、ASKグローバル・コミュニケーション株式会社及び松田友一(以下両者を合わせて「通知人」といいます)の代理人として、以下のとおり通知いたします。
 貴殿は『やや日刊カルト新聞社』名義のウェブサイト上に、通知人に関して、以下の記事を掲載しています。
①2010年4月14日
 「自己啓発セミナーで死亡 セミナー会社を提訴」
②2011年6月22日
 「自己啓発セミナーで死者、法定で明かされるASK社の実態(上)」
③同日
 「自己啓発セミナーで死者、法定で明かされるASK社の実態(下)」
④2013年3月16日
 「ASK代表、セミナー中の事故で書類送検に」

 このうち②及び③については、大阪地方裁判所が、2012年9月29日に、貴殿の記事とは大きく異る事実認定のもとに、通知人の過失(作為義務違反)、安全配慮義務違反及び相当因果関係のいずれの点においても、通知人の法的責任を明確に否定し、原告らの請求をいずれも棄却する判決を下しました。
 通知人は、貴殿に対し、この全面勝訴判決を受け、同年10月19日及び11月5日付の通知書において、上記②及び③の記事をウェブサイトから削除するように求めましたが、貴殿は、上記民事裁判の控訴審が行われていること等を理由に、これを拒否されました。
 その後、上記民事事件は、2013年4月24日、大阪高等裁判所において「(当事者双方は、通知人の)民事上の法的責任がないとした原判決を尊重する」という文言を入れる形で、和解により終了しました。
 また、貴殿が上記④の記事に記載した刑事事件についても、東京地方検察庁立川支部は、同年7月26日付で、不起訴処分としました。
 すなわち、上記民事事件及び刑事事件はいずれも通知人の法的責任を認めない形で終了しています、
 ところが、貴殿は、これらの事実を紹介することなく、未だに上記①ないし④の記事をウェブサイトに配信し続け、これにより通知人の名誉を毀損しております。
 通知人は、貴殿に対し、速やかに、上記①ないし④の記事をウェブサイトから削除するよう求めます。なお、本書面到達後10日以内に削除されない場合には、法的措置を検討せざるを得ませんので、ご承知おき下さい。
草々
この書面について、やや日刊カルト新聞社の藤倉善郎主筆は、堀野紀弁護士に電話で尋ねてみました。

──和解したから記事を削除しろというのであれば、和解の内容を教えてもらえますか。

堀野弁護士「和解内容については第三者には開かせないことになっています」

──では、和解内容も書かずに「和解しました」という1行だけの記事でも出せと?

堀野弁護士「どのような記事を出すかは、そちらの自由です」

──??? 和解の事実を報じていないから削除しろというのだから、和解の事実を記事にしたら削除を求める理由がなくなるのでは?

堀野弁護士「(今後掲載する)記事の内容については特に要求していません」

──ああ、なるほど。記事の削除以外には何も要求はないと。

堀野弁護士「そうです」

 藤倉主筆は、このやりとりを元に、ASK社側に対して記事の削除に応じない旨の回答を行いました。
回答書
2013年10月17日
〒100-0006
東京都千代田区有楽町一丁目6番6号小谷ビル4階
日比谷シティ法律事務所
ASKグローバル・コミュニケーション(株),松田友一氏代理人
弁護士 堀野紀 殿
弁護士 伊藤敬史 殿

〒●●●-●●●●
●●●●●●●●●●●●●
やや日刊カルト新聞社
藤倉善郎
 貴殿からの9月27日付通知書で、本紙の記事4本を削除するよう要求がありましたが、削除には応じかねます。

①2010年4月14日掲載「自己啓発セミナーで死亡 セミナー会社を提訴」
(http://dailycult.blogspot.jp/2010/04/blog-post_14.html)について
 当記事は、ASK社のセミナーを受講して死亡した男性の遺族がASK社などを相手に訴訟を提起したとする時事通信社の記事を紹介するとともに、自己啓発セミナーやマルチ商法の歴史や一般的情報を紹介したものです。記事の内容に特段問題はなく、貴殿からの9月27日付通知書においても、当記事を削除しなければならない根拠は示されていません。根拠のない削除要求には応じません。

②2011年6月22日掲載「自己啓発セミナーで死者、法定で明かされるASK社の実態(上)」(http://dailycult.blogspot.jp/2011/06/ask.html)及び③同日掲載「自己啓発セミナーで死者、法定で明かされるASK社の実態(下)」( http://dailycult.blogspot.jp/2011/06/ask_22.html)について
 当記事は、裁判で提出された原告と被告の双方の主張を提示し評論したものです。原告の主張のみを紹介したものでもなければ、原告の主張のみが正しいと断定する内容でもありません。また、日付や記事の内容から、裁判途中のある時点でのリポートであることは明白です。裁判の経過の中でどのような事実や主張が提示されたのかという事実は、判決の如何によって変わるものではありません。
 また日本国憲法第82条の定めにより、我が国の裁判は公開を原則としており、ASK社の死亡事故をめぐる民事事件でも法廷でのやりとりは公開されております。
 裁判におけるある時点での議論の内容それ自体は、判決の如何によって消滅するものではなく、なおかつそれが司法によって公開されているものである以上、判決あるいは和解の内容は記事を削除しなければならない理由にはなりません。

④2013年3月16日掲載「ASK代表、セミナー中の事故で書類送検に」(http://dailycult.blogspot.jp/2013/03/ask.html)について
 東京地方検察庁が松田氏らを不起訴とした事実については、当方もつい最近把握いたしました。その点についての続報は検討いたしますが、書類送検されたという事実は、不起訴という結論によって消滅するわけではありませんし、書類送検されたという事実の報道は有罪が確定したことを意味するものではありませんので、いずれにせよ、当記事が掲載され続けることに何ら問題はありません。
 また当記事では、民事裁判において遺族の主張が退けられた事実についても触れております。よって、民事裁判の結果を理由に削除を求める貴殿らの主張は失当と言わざるを得ません。
 
 なお、2013年9月27日付通知書には、記事が「通知人の名誉を毀損」しているとの主張が見られますが、記事の内容が具体的にどう名誉毀損に当たるのかについての主張はなく、ただ、和解や不起訴の事実に触れていないという点を名誉毀損の理由としています。
 仮に貴殿らの主張に従うなら、当社が和解や不起訴の事実を伝える続報記事を掲載したり、発表済みの記事にその旨を追記すれば、記事は名誉毀損ではなくなるということになります。
 しかし10月10日に藤倉が代理人・堀野弁護士に電話で尋ねたところ、貴殿らの要求は記事を削除することだけであり、和解や不起訴の事実について続報を出すかどうかやその内容については関知しない旨の回答を得ました。和解や不起訴の事実について追記等を行うか否かにかかわらず削除を要求する姿勢は、和解や不起訴の事実に触れていないことを理由に記事の削除を要求する主張と完全に矛盾します。
 このことから、貴殿らの主張は、ASK社や松田氏らの正当な権利を守ることを目的としたものではなく、理由を問わず記事を削除させることを目的とした不当な干渉であると判断せざるを得ません。
 当社では、正当な理由なき削除要求には応じかねます。

以上
なお、ASK社側は本紙が大阪地裁での遺族敗訴について報じていないかのように主張していますが、2013年3月16日記事「ASK代表、セミナー中の死亡事故で書類送検に」で報じています。

藤倉主筆のコメントです。

「ASK社や松田代表らが、和解や不起訴決定などを自慢する分には、事実だから構わない。しかし民事裁判や刑事告訴の事実はおろか死亡事故の存在そのものを消し去ろうとするかの如き要求は、とうてい受け入れることができない。いずれにせよ、今回のこの記事によって、改めて和解や不起訴の事実も報じられたのだから、ASK社や松田氏も喜んでいると思う」

ASKグローバル・コミュニケーション社は現在、「ASKアカデミー」として活動を続けています。

9 件のコメント:

  1. 明日、地裁判決が出る予定の「クリスチャントゥデイ」の裁判とか、
    自称カルト専門家である「杉本徳久」クンとか、
    自分はやりたい放題なのに、
    都合が悪いと削除を要求するのは極めてカルトチックだと存じます(笑)

    返信削除
  2. 松田友一さんはワールドメイトに入信して心を浄化したらええんや。

    返信削除
  3. 弁護士を志すからには高尚な目的とかあったろうに
    結果、カルトの片棒を担ぐとは哀れやな
    しかも事実を伝えただけの報道に削除要求の法的根拠が全く無い

    返信削除
  4. 松田さんに抗議のFAXを会社宛に送ってみた。
    言論弾圧はヤメロってね。

    こういうのを希望の革命と言うのかな?

    返信削除
  5. 松田さんは遺族の方が亡くなった経緯を尋ねたら、誠意ある説明を避けた!そうですね。それはないでしょう…人が亡くなったら大変なことですよ。普通に!説明しなさいよ。まっ出来ないからなんでしょうね。アドバンスという研修を知ってる者には分かります。その場にいた人で何年も経ってから口を開く人は必ず出てくるでしょうね。

    返信削除
  6. 松田さん、これは一生ついてまわりますね。
    大変ですね。

    返信削除
  7. 松田さんよ、あんたねぇ 自分が何をやらかしたか分かってんの?

    返信削除