統一教会が幕張で大集会、自民・次世代の現職国会議員も出席

9月23日、千葉市の幕張メッセで、統一教会（統一協会）主催のイベント「グローバル・ユース・フェスティバル2014」（GYF2014）が開催されました。「世界貢献を目指す青年たちの祭典」と銘打って実施したもので、約1万人が参加（主催者発表）。屋外では出店やステージが開かれ、屋内ホールでは教祖・文鮮明の5女・文善進氏など教団関係者が講演等を行いました。また自民党や次世代の党の国会議員が祝辞を述べ、自民党の現職・元職の国会議員からの祝電も読み上げられました。

■メッコールが幕張メッセのゴミ箱を制圧

メッコール祭り

屋内イベントに先立って午前中から行われた屋外企画「わくわく地球村」では、日本を含め計35の国や地域での統一教会関連団体・人物の活動やその国の文化を紹介するブースが出店され、ステージでは各国の音楽や大道芸などが披露されました。

ブースナンバー「1」は韓国。その隣には統一教会系の韓国企業「一和」の麦コーラ「メッコール」の販売所がありました。

やや日刊カルト新聞社のマスコットキャラクターとメッコールのマスコットキャラクターが“共演”

このメッコール（1本100円）が大人気。あっという間に、幕張メッセの空き缶用ゴミ箱はメッコールの空き缶だらけに。ブース近くにはメッコールのマスコットらしきものも登場し、来場者（大半が信者）たちはこぞって記念撮影を楽しんでいました。

会場をふらふらしていると、出店のテントの裏手に、のぼりやプラカードが付いた自転車が止めてありました。プラカードには「正義　三浦くにお」と書かれています。かつて自民党推薦の習志野市議だった方のようです。

藤倉「三浦先生ご本人ですか？」

三浦氏「はい。そうです」

藤倉「今日は、この屋外ステージで演説するんですか？」

三浦氏「それが、よくわからないまま、『来い』と言われてきたんですよ。何をするのかもわからない」

近くにいたスタッフ男性が、「ここで演説はしません」と口を挟んできました。

三浦氏「（屋内での）本大会には出席しますんで。そこで大演説をぶちますよ！はっはっは！」

■環境問題は暴力で解決？

「わくわく地球村」のステージでは、本紙が過去に報じた、統一教会北東京青年部の偽装ボランティア組織・草の根ムーブメントのメンバーで構成された「環境保護戦隊ピースレンジャー」によるショーも行われました。

悪の組織を暴力で屈服させるも、ゴミはそのまま

飲みかけのジュースが残ったペットボトルや、タバコの吸殻を入れた空き缶、ポテトチップスの袋やコンビニ袋などのゴミを周囲にポイ捨てしまくる悪の組織をピースレンジャーがボッコボコにします。最後は、悪の組織が「すいませんでした！」と土下座して謝罪。みごと改心して、大団円です。ピースレンジャーは決めポーズをかまして、観客の拍手を浴びながら退場していきました。

ところがステージ前には、悪の組織がポイ捨てしていったゴミがそのまま……。観客から指摘されて、司会者がゴミを拾っていました。

「環境問題はゴミ拾いより暴力で解決しよう！」というメッセージなのでしょうか。ヒーローの「正義と暴力」について考えさせられる、奥の深いショーでした。

ピースレンジャーに詳しいジャーナリストの鈴木エイト氏は、こう語ります。

「ピースレンジャーを演じているのは普段街頭で偽装勧誘をしている統一教会信者。今回、ピースレンジャーがゴミを放置していったことで、彼らの行なうゴミ拾いボランティアの欺瞞性が、またひとつ明らかになった」

■本紙主筆は屋内イベントへの入場拒否

午後から始まる屋内での本大会を取材すべく、屋内会場入り口の報道関係受付へ。ところが、

「藤倉さんですよね。藤倉さんはちょっと無理です。屋外（わくわく地球村）の方は、どなたでも入れますので楽しんでいって下さい」

ありがとうございます。でも、わくわく地球村は、すでにたっぷり楽しみました。メッコールも2本飲んで、もうお腹いっぱいです。

藤倉主筆は、さっさと会場を後にしました。

■約1万人参加の一大イベント

イベント開催を報告する統一教会公式サイトの記事

しかし屋内での本大会に参加した人物から、中の様子についてのリポートが送られてきました。以下、そのリポートです。

午後2時から屋内で本大会が始まりました。9000人収容の会場で、席はパッと見て空席が見当たらない程度には埋まってました。参加者層は、10代～30代くらいの信者が、同世代の未信者やビデオセンター生あたりを連れてきている感じでした。

ステージでは、各国の大きな国旗を持った人が走って入場して舞台に並び、大勢の青年男女が登場してダンスを始めました。

開会宣言とワールドカープ・ジャパンの本山勝道会長による代表祈祷（参加者は黙祷）の後、文鮮明と韓鶴子の生誕から始まって、夫妻が金日成やゴルバチョフと会ったとか、北朝鮮の中心部で主体思想を堂々と批判したとか、統一教会員たちが共産主義を倒すために祈ったり運動したりした結果ベルリンの壁が崩れて、ソ連が崩壊した、というような内容のビデオが上映されました。

■現役国会議員が挨拶

屋外イベント視察中の宋龍天・日本総会長夫妻（手前）と大はしゃぎの徳野英治会長（奥）

徳野英治氏（日本統一教会会長）が大会の辞を述べ、来賓祝辞として、自民党青年局次長で衆議院議員の東郷哲也氏、次世代の党・衆議院議員の田沼たかし氏、ゴッドウィン・ンスデ・アボ駐日ナイジェリア大使が登壇して挨拶。祝電として、衆議院議員・鳩山邦夫氏と元防衛庁長官・大野功統氏のメッセージが読み上げられました。

富士見市議の伊勢田幸正氏（会派・草の根）も来賓か何かで来場しており、名前を呼ばれて紹介されていました。

宋龍天氏（全国祝福家庭総連合会総会長）が激励の辞を韓国語でしゃべり、参加者は小型ラジオで同時通訳を聞いてました。

徳野英治氏も宋龍天もとにかくめっちゃ元気な演説で、「青年よ！立ち上がれ！」と鼓舞するような内容でした。

そして、文鮮明の5女の文善進氏（世界平和統一家庭連合世界本部長）が韓鶴子氏の基調講演を代読するということで、英語で喋りました。日本語のテロップが画面に映し出されました。途中から文善進は感極まって涙をこらえながら喋るという感じでした。それが終わると、全員立ち上がってスタンディングオベーションです。

■屋外企画の最優秀賞は韓国！

本紙主筆はメッコール販売所に目を奪われ、隣の韓国ブースの写真を撮らずじまいという大失態

その後は、海外のボランティアにいった信者の体験発表がいくつかあり、午前中に屋外で行われた「わくわく地球村」の各出店ブースの人気投票結果から、優秀賞が発表されました。

統一教会が青年平和大使協力隊なるボランティア隊の派遣に力を入れているというフィリピンとネパールのブースが順当に優秀賞に選ばれ、

「栄えある最優秀賞は～～～～～～（ドコドコドコドコドコ、ジャン！）　韓国です！！！」

あとは、広島の土砂災害被災地で活動しているボランティア隊「UPeace」とのネット中継のほか、日本代表の男性信者と、ネットでつないだコートジボアールの黒人男性とがそれぞれ書面に署名する「兄弟姉妹結縁式」なる儀式が行われました。

最後は、「神の下の人類一家族世界創建を目指して努力を続けます！」などの趣旨の５カ条の「東京宣言」が読み上げられ、参加者が拍手をして「採択されました～！！」。午後4時半頃にはすべての行事が終了しました。

イベントは終始ハイテンションで、会場を出た後、疲れ果てて泥のようにグッタリと眠りながら電車に揺られて帰りました。

◇参考サイト

統一教会公式サイト／千葉の幕張で1万人参加の青年学生大会を開催

familyforum.jp／青年1万人熱狂、文鮮明・韓鶴子総裁家庭連合、日本教会55周年’Global Youth Festival’