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2017年10月28日土曜日

幸福実現党が衆院選で違法な選挙運動メール配信=受信者は警察に相談を

選挙運動が禁じられている投票日当日のメール
10月22日に投票が行われた衆院選では、公明党が5議席減の29議席にとどまり、衆院総選挙小選挙区での連続「全員当選」記録は2012年、2014年の「2」でストップ。一方、我らが幸福実現党は、結党した09年の総選挙以降、4回連続で「全員落選」の快挙を成し遂げました。この選挙で投票日の22日に、公職選挙法で禁止されている「選挙運動メール」を幸福実現党が支持者らに一斉送信していたことがわかりました。違法な選挙運動メールを受け取った方は、すぐに地元の警察署などに相談しましょう。



■違法な選挙運動メールを配信

幸福実現党の得票数は、比例の各ブロック合計で約29万2000票、得票率は0.52%でした。結党した2009年の衆院選(約46万票、0.65%)以降がピークで、以降は多少の上下はあるものの1度たりとも結党最初の選挙を上回ることなく全敗を続けています。

その幸福実現党が今回の衆院選では、投票日当日である10月22日午前8時頃に、事前に登録している支持者等に向けて「選挙運動用メール」を一斉配信しました。公職選挙法では、選挙運動は投票日の前日までと定めており、電子メールでの選挙運動も同様です。

冒頭の写真と同じメールの末尾
幸福実現党が投票日当日に配信したメールは、「未来を築く123の政策──教育改革(2)[HRPニュースファイル1880]」と題するもので、幸福実現党の教育改革関連の政策を並べた内容。末尾には〈本メールは、幸福実現党が発行する「選挙運動用メール」です〉と明記されています。

違法メールを送信してしまったことに気づいたのか、約4時間後には〈本日「選挙運動用メール」として配信を致しましたが、本日より従来の「HRPニュースファイル」の配信となります。訂正させていただき、改めて再送させていただきます〉として、幸福実現党の政策を並べた全く同内容のメールを再配信しました。

総務省の担当者に確認したところ、「個別の事案については答えないが飽くまでも一般論として」という前提で、このような説明。

「公職選挙法の定めにより、選挙運動は投票日前日までで、投票日当日は認められていません。電子メールによる選挙運動も同様です。投票日当日に配信されたメールが選挙運動かどうかは、文面によって個別に判断されるものなので、に“これをしたらアウト”などと一概に断定することはできません。“選挙運動用メール”と書いてあった場合ですか? ああ、それはもう選挙運動ですね……」

選挙運動にあたるかどうかはメールの内容次第とは言え、配信した当人たちが「選挙運動用メール」と称して、幸福実現党の衆院選向け政策集を紹介しているわけですから、わりとわかりやすい「アウト」です。

総務省では、選挙運動について、判例等から「特定の選挙について、特定の候補者の当選を目的として、投票を得又は得させるために直接又は間接に必要かつ有利な行為」と定義しています。選挙運動用メールにはその旨を明記することを定めていますが、メールが選挙運動にあたるかどうかはメールの内容次第。

「つまり、“選挙運動用メール”と書かなければ選挙運動ではないことになる、というものではありません。飽くまでも内容次第です」

「選挙運動用メール」と書いて配信したものと同じ内容を、「選挙運動用メールではない」と言って配信したところで、前者が選挙運動なのであれば、後者は「選挙運動用メールではないと言い張る選挙運動用メール」ということになります。期間外の選挙運動であり、「選挙運動用メール」である旨を記載しない選挙運動用メールでもあるという、2重の公選法違反になります。

幸福の科学にコメントを求めたところ、こちらの用件も聞かず、「取材はお受けしてませんのでガチャッ!」。こちらが話している途中にもかかわらず一方的に電話を切りました。通常通りの極めて真摯な取材対応です。

「ご指摘のものが仮に選挙違反だということになれば、選挙運動の期間を定めた公選法第129条への違反になる可能性があり、罰則は1年以下の禁錮または30万円以下の罰金。また、第142条が定める文書図画の頒布に関する違反になる可能性もあり、こちらの罰則は2年以下の禁錮または50万円以下の罰金です。個別のケースについて総務省では判断をしておらず、個別の取締は警察が行います。問題を感じるケースがある方は警察にご連絡ください」

幸福実現党の違法な選挙運動用メールを受信した人は、最寄りの警察に通報しましょう。

■恒常的な違法状態

昨年の参院選の際、幸福実現党の候補者トクマがタレントのテレンス・リーの応援演説を受けた際、報酬を支払ったとして、教団関係者らが逮捕されました。しかしこれとは別に。もともと幸福実現党は結党以来、恒常的に違法状態にあります。

幸福実現党が行う様々な祈願
同党は幸福の科学信者を集めては宗教的な研修や祈願を有償で行っています。たとえば選挙があった今年10月にも、「『幸福維新実現』研修 ─坂本龍馬特別霊指導─」(3万円目安)、「『理想政治の原点』研修 ─聖徳太子特別霊指導」(3万円目安)、「『偉大なる政治家づくり』研修 ─リンカン元米国大統領特別霊指導』(3万円目安)といった研修を開催。過去には「ヘルメスの政治必勝祈願」「坂本龍馬・幸福政治実現祈願」「中華帝国主義粉砕祈願」「北朝鮮の核暴走抑止祈願」といった調子で、「奉納目安」1~3万円という事実上の定価の参加費用を提示しています。

例年、元旦には、幸福実現党本部が入る教団の「ユートピア推進館」(東京・港区赤坂)で信者たちを集めて幸福実現党関連の祈願10種類を3日間にわたって行う「新年大祭」も行っています。

総務省によれば、「政治資金規正法でいう政治資金パーティーとは、政治団体が対価を取って、その収益を政治活動のために支出する催し」のこと。つまり幸福実現党の祈願や研修は、政治資金パーティーにあたります。

政治資金パーティーについては、参加者に対して事前に政治資金パーティーである旨を告知する義務があります。また、一定以上の収入があった政治資金パーティーや、一定額以上の金を出した参加者については個別に収支や氏名などを政治資金収支報告書に記載する義務もあります。

幸福実現党2015年分の政治資金収支報告書より
しかし教団は2012年、本紙・藤倉の取材に対して公団広報が、祈願等は政治資金パーティーではないと言い張っています。

〈宗教政党の祭政一致研修として開催しており、「政治資金パーティー」ではありません。 宗教政党・幸福実現党は、祭政一致の理念のもとに、天上界のご指導をいただくため、祭政一致研修を開催しています。これは、「宴会場で、政治家挨拶、立食懇親会」という「政治資金パーティー」のような世俗的なものではありません。飲食提供(アルコール、ケータリング等)がある催し物でも、イベントでもありません。天上界の高級諸霊からの「国難来たれり、出でよ、幸福維新の志士!」との呼びかけに応え、日本を救い、世界を救う誓願を立てるための聖なる機会です。〉

幸福実現党はこういう理屈で、政治資金パーティーに課せられる義務を全て無視。通常の収入と一緒くたにして「祭政一致研修」(結党初年は「政党セミナー」)などと称し、1年間の総額のみを記載。政治資金収入をブラックボックス化してきました。

この手法で、政治資金パーティーとして報告せずに同党が得た金額は、以下の通り。

平成21年(2009年):約1億2000万円
平成22年(2010年):約2億6000万円
平成23年(2011年):約1億円
平成24年(2012年):約1億8000万円
平成25年(2013年):約1億2000万円
平成26年(2014年):約2000万円
平成27年(2015年):約21億8000万円
--------------------
計:29億8000万円

2015年には調子に乗って22億円近くも「祭政一致研修」等の名目でかき集めていながら、政治資金パーティーの報告はゼロという異常さです。

ちなみに2015年の支出の項目には、ホテルでの政治資金パーティーの会場費や食事代約200万円が記載されています。教団施設内で行う祈願や研修とは別に、宴会場で飲食を伴う世俗的な政治資金パーティーも行ったようです。

■借金まみれで負担は信者に

宗教行為で年間億単位の収入を得る。もはや政党ではなく完全に宗教団体ですが、幸福実現党の元締めはご存知、幸福の科学。教団は党に教団施設を使用させたり、教団職員を出向させるなど、ほとんど一体化していますが、党の活動のために教団はお金を貸し付けています。形式上は別団体なので、贈与すると贈与税が発生してしまうからでしょうか。

その額は、2014年時点でなんと111億円にも達しました。すると翌年、幸福実現党は上記のように「祭政一致研修」で年間約22億円もの金を集めます。前年の2014年には教団に利息含め約8000万円しか返済していなかったのが、2015年には約21億円を返済しています。

元締めの宗教団体からの借金を返すために、「政党」が宗教行為で金を集める。そこに金を出す者の多くは、元締めである幸福の科学の信者たち。まさにタコが自分の足を食っているという構図で、信者たちがお金を搾り取られていっています。

しかも今回の衆院選前、幸福実現党は党費10万円以上(青天井)の「特別党員」なるものを設定(通常の党費は5000円、学生は2000円)。この上、まだカネを集めるつもりです。この調子なら数年で借金を完済できるかもしれません。

しかし党の借金は「これまでの国政選挙で全敗することに費やされてきた、浪費確定のお金」です。日本を国難から救うためだと信者を煽って集めたお金が、実はすでに浪費されたお金の補填に使われる。たとえ「寄付」名目であろうとも、さすがに用途を偽ってお金を集めるのは詐欺なのではないでしょうか。

今回の衆院選で、いつもどおり解散前勢力死守という圧倒的な強さを見せた幸福実現党。その笑える活動の裏には、こうした笑えない事情があったりします。

幸福の科学とTwitter社のコラボによって、いまだにTwitterアカウントをロックされたままの本紙・藤倉善郎総裁のコメントです。

「詐欺も警察に通報した方がいいよ」

3 件のコメント:

  1. 創価学会の婦人部を見習うことかな

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    1. 伝統宗教の仏教会の婦人部のが人数多いけど何か

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  2. http://www.ntv.co.jp/election2016/sokuho/hireilist.html

    偶然見つけましたが、去年(2016年)の参院選の結果です。
    これによると幸福実現党の比例代表での得票数は36万6815票。
    今回が29万2084票だから、前回より7万4731票減らしています。
    Twitter社はおよそ20~30万人の「民意」に屈したという事でしょうか。

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