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2018年3月18日日曜日

「地下鉄サリン事件から23年の集い」が示唆するオウム事件の現状

 2018年3月17日(土)、「地下鉄サリン事件から23年の集い」が開催されました。

 主催はオウム真理教犯罪被害者支援機構、地下鉄事件被害者の会、オウム真理教被害対策弁護団です。


【集会プログラム】

地下鉄サリン事件被害者の会 代表世話人 高橋シズヱさんのドキュメンタリー上映
(20分)

高橋シズヱさんの講演
(30分)

元警視庁警察官 原雄一さんの講演
(60分)

シェアタイム(参加者がグループに別れて意見交換)
(50分)

各グループの発表
(80分)


■被害者遺族と警察官が講演

 高橋シズヱさんは被害者遺族の心境について講演。一枚の紙をくしゃくしゃに丸めてから広げ、もう元には戻れない心の様子を説明していました。

 しかし、高橋さんはPTG(心的外傷後成長)という言葉を紹介し、くしゃくしゃに丸めた紙のシワは消えないけども、周囲の助けで少しずつ紙は広げていけると、悲観するだけではない前向きな考えを示されていました。

 また、事件で亡くなった夫の死体検案書を公安調査庁のホームページで公開した事にも触れ、心配する声はあったが事件の風化を防ぐために公開した事を話されていました。

 原雄一さんの講演は地下鉄サリン事件後の捜査や、2012年のオウム真理教逃亡犯逮捕の様子について。

 強制捜査で教団施設に踏み込んだら中高年信者は「こんな教団にいてたまるか」と帰っていった、雑談で親の話をしたら若い信者が泣き出した、と、生々しい信者の様子を紹介していました。


■事件の風化

 講演終了後、休憩を挟んでシェアタイム(参加者同士の意見交換会)になりました。

 ただ、ここで3~5割程度の参加者は帰ってしまったようで、空席が目立ちました。もっとも、事前のチラシには終演時間が記載されていなかったので、予定を入れてしまっていた人も多かったとは思います。

 そして、メディア関係者の多くもここで帰っていきました。

 シェアタイムの中では原雄一さんの講演について「被害者へのコメントがなかったのが残念」という声も出て、原さんにコメントを求めようとするも原さんはすでに帰っていたようでした。

 事件の被害者の中には、事件の風化を防ぐために葛藤の末に顔出ししている人もいると聞きました。高橋シズヱさんは風化を防ぐために夫の死体検案書を公開しました。

 それでもやはり風化が進んでいるという事を、人の少なくなったシェアタイムが示しているのかもしれません。


■メディアの様子

 メディア関係者の中には許可を得ずに講演を録音・撮影する人もいて、参加者から注意を受けていました。

 参加者へのインタビューは終演後と決められていましたが、休憩時間中にインタビューを始めるメディアもありました。

 集会について書かれた記事を読むと、最初の高橋シズヱさんの講演までの情報しか載せていない記事も多くあります。

 中には、高橋さんが笑顔で楽しそうにしている写真だけを用いた記事もあります。写真と集会の雰囲気に差があり、違和感を覚えます。
https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/201803180000156.html

 集会当日、上祐史浩率いるひかりの輪は温泉旅行に出かけています。被害者の中には上祐と某学者だけは許せないという人もいます。そんな上祐史浩を今でも使い続けているテレビもあります。
https://twitter.com/joyu_fumihiro/status/973788384471773185

 メディアはどこまで被害者に寄り添えているでしょうか。


■何故、被害者が訴え続けなければならないのか

 ひかりの輪脱会者友の会会長の中山尚さんは訴えます。

オウムは巧くメディアを活用し、勢力を拡大した。

坂本一家殺人事件でもTBS事件が背景にもある。

メディアにとってもオウム事件は他人事ではないはず。

「何故、被害者が訴え続けなければならないのか」

今回の集会でもあった意見だが、被害者さん達を置き去りにしないためにもメディアがもっと真剣にオウム問題に取り組んで欲しい。

3 件のコメント:

  1. キャノンドー2018年3月19日 6:56

    オウム死刑囚のうち7名が東京拘置所から移送され、
    死刑執行に向け進んでいます。しかし、決して
    それで終わるわけではないです。

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  2. 残党たちが、殉教者として讃えることがないかと心配。

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  3. 麻原が死刑になる日・・・それは彼が絶対視され、キリストなみの救世主とされる日になってしまう。
    そうすると信者はより活発に活動していくだろう。

    事件の風化を防ぐためにも、戦争体験と同じで語り継いでいかなくてはならない。そのためにもカルト記念館を作って、語り部たちがたとえば地下鉄サリンの時はどのような状況だったという話を来場者にしていくべき。
    ひめゆり部隊の話も原爆の話も記念館があるからこそ風化しない。

    上九一色村にあったサティアンの模型や、オウム信者のかいこ棚のような劣悪な住環境等を再現した展示をするのもいいし、もちろんカルトはオウムだけではないので、統一教会や聖神中央教会やつくばアガペーチャペルの体験談も、被害者が語り部となって記念館で話していかなくてはならないと思う。

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