オウム真理教事件をめぐって死刑の執行が近いと言われる中、やや日刊カルト新聞社が急遽、オウム問題をテーマとしたトークイベントを6月30日に東京・歌舞伎町の「ロフトプラスワン」で開催すると発表した。弁護士の滝本太郎氏、ジャーナリストの藤田庄市・青沼陽一郎両氏などが出演する。
教祖・麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚の三女・アーチャリー(松本麗華氏)や、映画監督の森達也をはじめとする「オウム事件真相究明の会」がオウム事件についてデマを流し「歴史修正」を試みるほか、観察処分外しを目指すオウム残党の1つ「ひかりの輪」の上祐史浩代表も、このタイミングでメディアやトークイベントでの露出を増やしている。6月30日のイベント開催の背景には、こうした動きへの危惧があるとみられる。
「これでいいのか!オウム問題」は、6月30日昼12時30分から、歌舞伎町にあるトークライブハウス「ロフトプラスワン」で開催される。3人組ユニット「カルト3(スリー)」のメンバーである弁護士の滝本太郎氏、ジャーナリストの藤田庄市・青沼陽一郎両氏がメインスピーカー。司会をやや日刊カルト新聞社・藤倉善郎被告人兼総裁と同・鈴木エイト主筆が務める。
オウム真理教事件をめぐっては、今年3月に13人の死刑囚のうち7人が東京拘置所から他の拘置所に移送。元号が変わる前に刑が執行されるのではないかとの憶測から、今国会が閉会してすぐの執行を予想する声もある。
そんな中、松本死刑囚の三女・アーチャリーこと松本麗華氏が、しきりにメディアに登場。麻原無罪の可能性にまで言及しながら、死刑の回避を主張する。本紙既報の通り、過去の事件を「事故」と偽ったり、デマを流して被害者の会(現・オウム真理教家族の会)への中傷発言を行ったりしている。また5月には映画監督の森達也氏などが中心となって「オウム事件真相究明の会」を設立。麻原の死刑判決に根拠がないとか、世論に押された裁判所が不当に裁判を打ち切ったかのようなデマを流し、三女同様に麻原の死刑回避を主張している。
一方で、観察処分外しを狙うオウム残党組織「ひかりの輪」の上祐史浩代表も、メディアやトークイベントなどでの出演を増やし、こちらは麻原と12人の実行犯ら全員の刑執行に賛意を表明。特に麻原への執行を急ぐべきと主張する。麻原の死刑が執行されれば、表面上は麻原信仰を捨てたと表明しているひかりの輪は、観察処分の対象から外れる可能性がより高まる。
今回のイベントを企画した、やや日刊カルト新聞社の被告人兼総裁・藤倉善郎氏は、イベントの趣旨をこう説明する。
「アーチャリーや森達也氏は、事件の真相が不明だというが、少なくとも裁判で明らかになった部分は多くあるし、世論に押された裁判所が不当に裁判を打ち切ったというのは完全なデマ。もはやオウム問題に関する“歴史修正”と言っていい。真相究明と言うなら、麻原よりも12人の弟子たちの死刑執行回避のほうが重要なのではないか。また観察処分外しを目指す上祐も、ひかりの輪を含めたオウム残党の問題を考える上で非常に危険な存在。こうした当事者の利害に立脚したノイズが、ここに来て目に余るほどに強まってきた。いま何がわかっていて、この先何が必要なのか。これまでオウム問題に長年向き合ってきた弁護士とジャーナリストに語ってもらうことで、皆さんにオウム問題についての客観的な理解を深めてもらいたい」
なぜか出演者5人の過半数が被告(民事2人、刑事1人)。その理由もイベント当日に明らかにされるとのこと。
藤倉総裁は前述のコメントの最後に一言、「SLAPP女子怖い」と付け加えた。
◇やや日刊カルト新聞社主催「これでいいのか!オウム問題」
日時:2018年6月30日昼OPEN 12:00 / START 12:30
料金:前売¥2,000/当日¥2,500(要1オーダー)
会場:ロフトプラスワン
新宿区歌舞伎町1-14-7林ビルB2
TEL 03-3205-6864
※前売券はe+にて発売中!
【ファミリーマート店頭でもご購入頂けます】
出演:
滝本太郎(弁護士)/初期からオウム問題に取り組み、3度にわたってオウムに殺されかける。脱会者団体「カナリヤの会」主催。日本脱カルト協会理事。現在、麻原三女・アーチャリー(松本麗華氏)から民事訴訟を起こされている被告。
藤田庄市(ジャーナリスト)/サリン事件前の麻原へのインタビューほか、オウムやオウム裁判を取材。カルト問題全般も積極的に取材し、著書に『宗教事件の内側』(岩波書店)、『カルト宗教事件の深層』(春秋社)、『オウム真理教事件』(朝日新聞社、1995年5月)など。
青沼陽一郎(ジャーナリスト)/オウム裁判を取材し、アニメドキュメンタリー『虚像の神様』の取材、構成、演出、原画、ナレーション、「麻原彰晃」の声優を兼任。著書に『オウム裁判傍笑記』(小学館)など。現在、麻原三女・アーチャリーから民事訴訟を起こされている被告。
藤倉善郎(やや日刊カルト新聞社被告人兼総裁)/カルト問題を取材するフリーライター。ひかりの輪の被害者団体「インコの会」事務局長。著書に『「カルト宗教」取材したらこうだった』(宝島社)。幸福の科学から刑事告訴され、起訴されたてホヤホヤの被告人。
鈴木エイト(同主筆)/カルト問題を取材するジャーナリスト。統一教会問題や「カルト2世」問題の取材に力を入れ、週刊朝日やAERAなどで執筆。
アーチャリーが訴訟を起こす費用はどこから出ているんでしょうねえ。。。
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