幸福の科学が教団内で「令和」便乗キャンペーン

幸福の科学が5月2日から、教祖・大川隆法総裁による新上皇・明仁さまなどの霊を呼び出したと称する「霊言」を教団内施設で上映していることがわかった。また教団は同日、東京・高輪にある教団施設「東京正心館」で、「令和の厄除けDAY」と称して「真のエクソシスト大会」などの研修を開催。「令和」を口実に信者を集めるイベント告知を教団内で行なっている。



上皇の霊言は、皇后・雅子さまの霊言とセットになった「新上皇と新皇后のスピリチュアルメッセージ」。大川総裁が上皇・皇后の霊を呼び出したと称して話す内容と思われる。霊言は映像で収録され、5月2日から全国の教団施設内で上映されており、本編映像110分で、「奉納目安」と称する拝聴料金は「信者・一般：5千円以上」「中・高・大学生：2千円以上」「家族：1千円以上」。

幸福の科学では法話や霊言の情報を公式サイトに掲載しているが、今回の上皇・皇后霊言については掲載されておらず、信者向けの教団内メールで告知。メールには、この霊言は日本の未来にとって重要なものであり、「政治関係者、マスコミ関係者など」にもお勧めだと記されている。

霊言の内容の詳細は不明だが、教団内メールによると、上皇（霊）は平成という時代を振り返り退位の理由を改めて語り、皇后（霊）については「衝撃の過去世」が明らかになるとしている。

教団内メールによると、平成最後の日だった4月30日には、教団は「UFOリーディング―金融系宇宙人の登場と闇宇宙勢力との決戦編―（オリオン座、プレアデス）」という新たな霊言の上映を開始。タイトルから見て宇宙闇金の話か何かと思われ、元号や皇室とは全く関係がなさそうだ。

それが、「令和」がスタートして1日遅れの5月2日から唐突な「令和」キャンペーン。5月1日に東京正心館名義で信者に配信された教団内メールでは、5月2日を「令和の厄除けDAY」と称して、「真のエクソシスト大会」と称する研修も開催すると告知されている。「奉納目安」と称する参加料金は3000円で、学校法人幸福の科学学園の理事長による講話や祈願で、教団内メールには「映画・選挙・大学設置認可　大勝利に向けて！」「エクソシスト力を高める」などと書かれている。令和と全く関係がない。

ここで行われる祈願の一覧も、こんな調子だ。

「悪霊封印秘鍵」「宇宙人撃退秘鍵」「生き霊返し・病念撃退祈願」「強力・病気平癒祈願」が各3万円、「悪質宇宙人撃退祈願」が１万円。そのほかに「悪魔祓い祈願－イエス・キリスト特別霊指導－」や「大勝利祈願―主・エル・カンターレ特別霊指導―」といったものもある。やはり、令和のレの字も出てこない。

上皇は天皇だった平成24年（2012年）にも、大川総裁によって守護霊を呼び出され、「今上天皇・元首の本心」とのタイトルで勝手に書籍化された。これより1年ほど遅れて大川総裁から勝手に守護霊を呼び出され書籍化されたジャーナリストの藤倉善郎氏は、こう語る。

東京正心館のスケジュール表（教団サイトより）

「幸福の科学の『令和の厄除けDAY』は東京正心館でのイベントとして信者に告知されているようだが、東京正心館のスケジュール表には『天皇の即位の日』と小さく書いてあるだけで、もやはり『令和』の文字は見当たらない。公式のイベント名なのではなく、エクソシスト大会に信者を集めるための単なる煽り文句なのではないか。霊言、法話、祈願の視聴や参加のための料金がとくだん割引されるでもなく、いつもと変わらない金額。文字通りの便乗商法だ」

元号が変わっても、幸福の科学は相変わらずのようだ。