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2010年3月20日土曜日

地下鉄サリン事件から15年のオウム真理教

 今日20日地下鉄サリン事件から15周年を迎えました。事件現場のひとつととなった東京メトロ霞ヶ関駅では慰霊式が行われ、事件で夫を亡くした「地下鉄サリン事件被害者の会」代表世話人・高橋シズヱさんも献花に訪れたほか、オウム真理教の後身にあたる宗教団体「アレフ」と上祐史浩氏の宗教団体「ひかりの輪」の関係者も、それぞれ献花に訪れたようです。15周年に関連して、さまざまなオウム関連ニュースを新聞が報じています。

【時事ドットコム 2010年03月15日】オウム、青年層にターゲット=新規入信、事件時未成年が5割-教団存続へ勧誘活発化

 オウム真理教(現アレフ)が昨年、新規獲得した信者100人余のうち約5割が15年前の地下鉄サリン事件当時、未成年だったことが14日、公安調査庁の調べで分かった。同庁は教団が存続のため、事件の記憶が薄い青年層を重点的に勧誘しているとみて警戒を強めている。
 同庁によると、昨年は100人以上が新たに入信。事件当時未成年だった35歳未満は5割弱で、うち20代が過半数、10代も数人おり、活動が活発な北海道と近畿地方での入信が目立った。
 アレフは「導き」と称して勧誘活動を強化。インターネットの会員制サイト「mixi(ミクシィ)」を利用したり、書店の宗教コーナーなどに立ち寄ったりした人をヨガサークルに誘い、警戒が解けた時点で実態を明かし入信を促しているという。
 大学構内でもヨガサークルのチラシを張って勧誘しており、2、3回参加しただけで入信した参加者もいたという。
 同庁はアレフが昨年、これまで掲示を控えていた元代表松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚(55)の肖像写真を道場に掲げ、「麻原回帰」を強めているのを確認。サリン事件についても、外部組織の「陰謀説」を唱えるなどしており、「事件が風化する中、高額なお布施が期待できる年配層ではなく、教団を継承できる若い世代を狙う傾向が強まっている」(同庁)としている。

 アレフの活動の近況について、日刊スポーツが2本の記事を出しています。

【nikkansports.com 2010年03月20日】地下鉄サリン事件15年 オウム再拡大へ

 オウム真理教(アレフに改称)による地下鉄サリン事件から、20日で15年を迎えた。公安当局は、教団が今でも活発な勧誘活動を展開しているとみて、警戒を強めている。昨年1年間に入会した信者は約110人にも達し、青年層が目立つという。関係者によると最近、一部幹部が「年間300人以上」の入信者獲得という目標を打ち出したといい、組織の“再拡”に向け、本腰を入れている可能性も浮上している。

 公安関係者によると、教団では昨年末から年明けにかけ、年末年始の集中セミナーを開催。その中で、一部幹部が「今年の目標」として「年間300人以上の入信者である」という趣旨の発言をした状況があったという。教団では入信者勧誘活動のことを「導き」と称しており、この幹部は「毎月20人の導き」も目標に掲げ、参加信者らに「導くぞ」と唱えさせるなどしたという。

 20日で、多くの犠牲者を出した地下鉄サリン事件から15年。公安当局は、最近でも教団が組織拡大を目指し、勧誘活動を活発に行っているとみている。 公安調査庁によると、昨年1年間、新たに入信した人は約110人。その約半数が35歳未満で、事件当時10代だった青年層が目立つという。また、一部大学内において、武道系サークルを通じた勧誘事例や、学生をヨガに誘うなどしたことがきっかけで、入信した人もいたという。公安庁によると、現在、教団の信者数は約1300人とされる。

 また公安庁では、教団内の一部施設では、最近も松本智津夫死刑囚(55=教祖名麻原彰晃)の肖像写真を祭壇付近に掲げるなどしていることなどを確認。政府も16日の閣議で、肖像写真の存在などから、教団が「麻原回帰」を強めている、という趣旨の見解を含む答弁書を決定した。

 教団を09年3月に除名され、今月出した初著書「革命か戦争か」で教団を総括した野田成人前代表(43)も、日刊スポーツの取材に対し「私がいた当時も、教団では『導き』の目標人数をたてていました。現在も教団は、信者数を拡大しようとしていると思われます。私が聞く限りでも、昨年だけで100人前後の入信者がいたそうです」と話した。


【nikkansports.com 2010年03月20日】荒木広報部長「危険なら入るはずがない」

 オウム真理教(アレフに改称)の荒木浩広報部長は、一部幹部が「年間300人以上の入信者が目標」という趣旨の発言をしたとされる件について19日、「特に聞いていない。教団として、そういう方針を決めたということもない。教団が置かれた社会的立場は理解している。無理な勧誘などはしていない」と話した。また、昨年の入信者が約110人で、その約半数が「35歳未満」という情報について「特に調査もしていないし、入っても辞める人もいる。特に若い世代を対象にしているということはない」。その上で「本当に『危険な団体』だったら、そんなに入るはずない。逆にいうと、そうじゃないから人が入ってきているわけです」と続けた。「麻原回帰」を強めているとの指摘については「そういう雰囲気は感じない」と答えた。

 かつて森達也監督の映画『A』で主役を務めた現アレフの荒木浩広報部長は、教団に危険がないことを主張しています。しかし明らかに「麻原回帰」を見せているのは、上祐氏の「ひかりの輪」よりむしろアレフ。サリン事件被害者への賠償の意思表示すらしておらず、そんな姿勢で「危険がない」と言われると、むしろ危険に見えてきます。

【毎日jp 2010年03月18日】オウム事件:アレフ「賠償金」に難色 表現こだわり「道義的」強調

 20日で発生から15年を迎える地下鉄サリン事件などオウム真理教による一連の事件を巡り、教団の主流派で構成する宗教団体「アレフ」が被害者への賠償について、あいまいな姿勢を続けている。被害者側への支払いはしているが「道義的責任に基づく誠意ある対応」を強調し、不法行為の「賠償金」との表現は避けている。

 96年に破産したオウム真理教の被害者に対する債務総額は約38億円。教団は破産手続きが終結した09年3月までに約17億円支払い、オウム真理教犯罪被害者支援機構が約21億円の債権譲渡を受けた。

 アレフは破産手続き終結後、元破産管財人運営の「サリン事件等共助基金」に16日までに約3000万円を入金。しかし、残る賠償金の支払い意思は示していない。
【伊藤一郎】

 アレフの内情(教祖・麻原彰晃の妻・友子氏が、どのようにして教団を仕切っていたかなど)については、3月20日付けで発刊されたアレフ元代表・野田成人氏の著書『革命か戦争か―オウムはグローバル資本主義への警鐘だった』(サイゾー)にある程度詳しく書かれています。

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