統一協会（統一教会）関連団体のセミナーでJICA＆外務省の関係者が講演

「YFWP-New Youth Movement Reports 写真で見る新青年運動」より

ショッキングな見出しだが事実である。
統一協会（統一教会）は、今までにも各界の著名人を担ぎ出し自らの箔付けに利用してきた。
今回標的となったのは杉下恒夫氏、国際協力機構（JICA）客員国際協力専門員・外務省無償協力実施適正会議委員・国際開発高等教育機構（FASID）監事で元読売新聞社シドニー支局長・元同社解説部次長・元同社編集局専任部長・元茨城大学教授という経歴の人物。
政府開発援助（ODA）やNGOについての著書も多く、統一協会（統一教会）が偽装するNGO団体にとっては恰好のターゲットであったと思われる。

先月末の７月３１日、東京都新宿区５丁目にある成約ビル１階のセミナースペースに於いて開催された『青年指導者フォーラム』で、杉下氏は「国際開発とNGOの役割ー日本青年への期待」との題で講演を行った。

「平和大使フォーラム公式ブログ」より

このセミナーは平和大使青年フォーラム・平和学術フォーラム、世界平和青年連合（YFWP）東京連合会の共催で行われたが、これらは全て統一協会（統一教会）の関連団体である。

この日、正体を知らされぬまま統一協会（統一教会）のダミー施設に通う受講生も多く参加させられていた。

「YFWP-New Youth Movement Reports 写真で見る新青年運動」より

参加者は講演後グループディスカッションを行った。

「YFWP-New Youth Movement Reports 写真で見る新青年運動」より

「平和大使フォーラム公式ブログ」より

『青年指導者フォーラム』は最後に平和大使を任命して、閉会した。

「平和大使フォーラム公式ブログ」より

【平和大使フォーラム公式ブログ 2010年8月4日】◆第一回青年指導者フォーラム開催 （魚拓）
■企画名：第一回青年指導者フォーラム

■テーマ：「国際開発とNGOの役割～日本青年への期待～」

■開催日：７月３１日（土）

■場　所：東京都内

■参加数：50名

■レポート：
　
　平和大使青年フォーラム、平和学術フォーラム、及び世界平和青年連合東京連合会が共催で「青年指導者フォーラム」を開催いたしました。このフォーラムは各専門領域で国や世界で貢献されている平和大使の諸先生方と、未来を担う青年指導者が世代を超えて、共通のビジョンに向かって平和への貢献を担うプラットホームの役割を提供することを目的にスタートしました。
　
　第一回目となる今回はJICA客員国際協力専門員・茨城大学元教授の杉下恒夫氏をお招きし「国際開発とNGOの役割～日本青年への期待～」のテーマで講演をいただきました。
　難民救援施設やODA現地視察で世界を駆け巡り、その目で見られ、肌で感じられた生々しい体験を語っていただき、集った５０名の青年リーダーたちにとって、国際貢献のあるべき姿を改めて教わる機会となりました。

　特に、ODAにおいて世界を牽引してきた日本が、徐々に内向き志向が強くなり、今や国家的引きこもり状態にある現状を憂いつつも、小さな負の現象のみにとらわれず、複眼的な視点を持った世界貢献の姿勢の大切さを学ぶ良き機会となりました。
グループディスカッションも「世界貢献への一歩を妨げる要因は何か？その要因の打開のために何から出来るのか？」をテーマに活発な討議が展開され、討議発表を通して全体共有の場を持ちました。

　閉会の辞に立たれた堀展賢平和学術フォーラム常任顧問は、日本も新幹線建設や高速道路建設においては世界からのODAの支援を受けて今日の経済発展の原動力となった経緯に触れられ、世界が兄弟姉妹として互いに協力し合っていく姿勢の大切さを力説されました。

　今後も、青年指導者フォーラムは毎月開催していく予定です。

　

ここまでの記事に使用したセミナーの写真は【YFWP-New Youth Movement Reports 写真で見る新青年運動　2010年7月31日】第５地区<東京>連合会 第１回「青年指導者フォーラム」開催、【平和大使フォーラム公式ブログ　2010年8月4日】◆第一回青年指導者フォーラム開催より転載しました

JICA広報を通して杉下氏に概要を伝え、事実関係についてのコメントを貰った。
杉下氏曰く「そういう団体だとは知らなかった」「（講演依頼の経緯については）JICA等を通さず直接依頼があった」「過去の講演者のリストを見て講演を承諾した」「（肩書きについては）『フリージャーナリスト』と伝えたが、交換した名刺を見て勝手に記載したようだ」「講演当日、現地に行って何かおかしいと感じた」とのこと。

杉下氏のプロフィールについて式次第の＜講師紹介＞で『FASID評議員』との記載があるが正しくは『FASID監事』である。FASIDからは今回の件について「監事の個人の活動については関与していない」との回答を得た。
外務省に対して取材申請をしているが今のところ連絡待ちである。
JICAに対しては、統一協会（統一教会）関連の偽装NGO団体についての情報提供をした。
公の機関を利用して権威付けを謀るのはカルトの常套手段である。第二回、第三回の青年指導者フォーラム
も予定されている筈である。関係機関や影響力のある個人は自身のキャリアをカルト団体に利用されることのないよう細心の注意が必要である。



今回のセミナーの会場に使われた成約ビルの現在の画像

１階がセミナールーム

統一協会（統一教会）関連の団体が並ぶ



この成約ビル、記者は以前に何度も訪れている。
数年前、このビル１階には【平和心情文化センター】というダミー施設があり、多くの受講生が通っていた。
記者は何度か訪ね被害者を救出した。

その当時の画像



今回のセミナーの場所である

カーペットの柄が同じ


２階には、統一協会（統一教会）の展示スペースがあった。






統一協会（統一教会）に関して問題のあるセミナーの情報は他にもある。
その詳細は次報以降に記す。