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2011年8月4日木曜日

ホメオパシー団体が「福島の土」の放射能レメディ(砂糖玉)を発売

「福島の土」レメディ(ホメオパシー・ジャパンより)
 昨年、乳児の死亡をめぐって母親が訴訟を起こしたことで、日本でも有名になった擬似医療「ホメオパシー」。業界団体のひとつ「ホメオパシー・ジャパン」が、今度は「福島で採取した土を希釈振とうして出来たレメディー(ただの砂糖玉)」を発売しました。ホメオパシー・ジャパンでは、おそらく“大人の事情”から、レメディの効果効能を謳っていませんが、ホメオパシーを扱うセラピストのブログでは「原発事故後の身体面、精神面の不調などに合うと思いますですよ」と書かれています。つまりは、放射能被害に効くかのように思わせて宣伝しているわけです。


■おぼえてますか?ホメオパシー

 ホメオパシーとは、病気の症状と同じ症状を引き起こすとされる物質(であると信奉者たちが主張しているに過ぎませんが)をひたすら希釈・振盪を繰り返し、その物質の分子がひとつも入っていないくらいまで薄め、それを砂糖玉に垂らした「レメディ」なるもので、病気を直せると主張する治療法です。ただし科学的には何の根拠もない擬似医療産業にすぎません。

 2009年、ホメオパシー信奉者である助産師が、出生直後の女児にビタミンKを投与せずレメディを与え、女児が死亡したとして、2010年に女児の母親が助産師を提訴(すでに和解)。朝日新聞がホメオパシー問題を徹底的に報道し、日本学術会議のほか、日本医師会や日本医学会もホメオパシーに科学的根拠はないとしたり、医療現場から排除すべきとする声明を発表するなど、一時的に社会問題化しました。

■批判報道が一段落すると震災ネタに便乗

被災地視察中の由井寅子会長(日本ホメオパシー医学協会より)
 今年3月に東日本大震災が発生すると、業界団体の一つで「ホメオパシー・ジャパン」の関連団体である「日本ホメオパシー医学協会」が、被災地でレメディを配布する「義捐活動」と称する活動を行ったり、由井寅子会長が東北地方に乗り込んで講演を行うなど、しきりに震災ネタにからもうとしてきました。そしていよいよ登場したのが、ホメオパシー・ジャパンの「福島で採取した土」のレメディ「RA Fukushima 1-S-2」(約30粒・\580、約100粒・\1,390)です。

 ホメオパシー・ジャパンでは、レメディの効果効能を謳っていません。しかし、あるセラピストのブログでは、こう説明されています。

原発事故後の身体面、精神面の不調などに
合うと思いますですよ

 福島第一原発の事故とはっきり絡めて説明しています。また別のセラピストのブログには、こう書かれています。

RA Fukushima 1-S-2 30C

というレメディーが新発売です
私も昨日、購入してきました
その名前のとおり、今回の福島からのレメディーです

実は、一昨日QXをかけてもらったのですが…
甲状腺の問題が出ていました
結構、びっくり
遺伝的にも、あまりフォーカスしたことなかったので
で、1番に思いついたのは放射線の害
私の住んでいる北九州市戸畑区でも
放射性セシウムが検出された灰を受け入れていたとか
健康は、もう自分で責任もってケアする時代です

 直接的効能を謳わないようにしつつ、原発事故による放射能被害に対処できるかのような印象を与える宣伝内容です。

 どうでもいいですが、ここに登場する「QX」というのは、「クォンタム・ゼイロイド」という「生体エネルギーの測定&修正システム」で、「潜在意識をインターフェイスする世界に類をみない波動機器」とホメオパシー・ジャパンが自称しているものです。

■効果効能説明と販売とを分担する脱法行為

 「ホメオパシージャパンのレメディを通販する正規販売店」である「@レメディ.com」でも、「福島で採取した土」のレメディが販売されていますが、効果効能についてはこう書かれています。

@レメディ.comRA Fukushima 1-S-2 レメディ新発売!

レメディの効能効果は、担当のホメオパスにご相談いただくか書籍・セミナー・インターネットでお調べくださいね。

 朝日新聞社の医療情報サイト「アピタル」が昨年末に報じたところによると、日本ホメオパシー医学協会は、ホメオパシーが社会問題化した後の2010年10月から、「使うべき砂糖玉(レメディ)を利用者に伝える療法家が、利用者に直接販売できないようにした」とのことです(ホメオパシーだけじゃない 民間療法規制に壁(1))。

 つまり、ホメオパシーの療法家(ホメオパス)は、レメディを売らずに効果効能を謳うだけ。そしてレメディを販売する「ホメオパシー・ジャパン」系列の業者は、効果効能を謳わずにレメディを売るだけ、という形になったわけです。

 レメディはただの砂糖玉であって、医薬品ではありません。医薬品でないものについて効果効能を謳って販売すれば、薬事法違反です。ですが、形式上「効果効能を謳うだけ」「効果効能を謳わず販売するだけ」という分業制にしてしまえば、ぱっと見、違法ではないようにも見えます。もっとも、ホメオパスとレメディ販売業者が事実上一体であるとかグルであると立証されれば、必ずしも合法とは言い切れなくなりそうですが。

■ホメオパシー業界の“カリスマ”、癒しフェアに登場

癒しフェア出店の告知(ホメオパシー・ジャパンより)
 日本ホメオパシー医学協会の由井寅子会長は、これまで、講演などでかなり断定的にレメディの効果効能を謳ってきました。その由井会長が、昨年に続いて今年も東京ビッグサイトで開催される「癒しフェアTOKYO」で講演し、関連団体である「ホメオパシー・ジャパン」もレメディなどを販売するブースを出店します。

 「癒しフェアTOKYO」は明後日8月6・7日の2日間開催され、様々なスピリチュアル業者の販売ブースやスピリチュアルな人々の講演が行われます。入場料1000円。

 由井会長の講演(無料)は8月7日の午後1時30分から6F会議室で。放射能や震災ネタ、レメディの効果効能についてどのように語るのか、注目です。

11 件のコメント:

  1. 統一教会末端がレメディ(とは知らないが)の話を聞いて、服用してみたいと言っていましたよ。
    サプリメントは信用できないから飲まないって言っていたのに。
    思い込み薬としては、ある程度の効果はあるのでしょうかね。
    被災地の為にも、無料配布してください。
    以後、継続的な服用が効果的なのでご購入ください。 ってやっぱりダメですね。

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  2. 中道過激派2011年8月4日 9:37

    カルトはそろいもそろって最悪の団体ですね

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  3. 統鬱教会とホメオパシーが合体したら、史上最悪の団体ができますね。

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  4. ちなみに信用出来ないサプリメントとは、ニュートリライトなのですが、試してみてと頂いたのですが、飲み終わるまでに実感できなかったら何てお礼を言おうかな。
    しかし、そのサプリは粒が大きくて初めての服用は抵抗がありますね。
    アムウェイさん大きさどうにかなりませんか。

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  5. 由井会長の講演の良い?宣伝になってしまいましたね。
    お台場合衆国のついでに寄りたいな。
    でも一人で別行動出来ないし。

    これって口コミでもある程度知られた商品ですか?
    意外と中年主婦層にも知っている人がいるもので。
    害は無さそうなので配布してれば試してみたいな。

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  6. ホメオパシー団体の砂糖玉問題は、新生児の事件だけではありませんね~。「あかつき問題を杞憂する会」で検索してみてください。

    今は消されていますが、私はお亡くなりになった女性とホメオパシーの会の方とのやり取りを記した記事を読んでいました。信じるものこそ救われない・・そんな記事でした。

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  7. >三毛猫さん
    「杞憂」じゃなくて「憂慮」です。

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  8. 杞憂する会ワロタw

    いや笑えないわ。

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  9. オホーツク海岸の論客2011年8月10日 0:20

    砂糖ってさ、料理(煮物、菓子……)で適度に使うといい味出すんだよ。おらが町外れのビート(砂糖大根)畑や南国のさとうきび畑の産物はそのままじゃ薬にならないのに・・・・・・こりないねぇ。

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  10. 少量の放射線は体にいいと主張する「ホルミシス臨床研究会」の
    代表理事 川嶋朗氏(東京女子医科大学附属青山自然医療研究所クリニック所長・准教授)
    http://thar.jp/outline/remarks.html
    http://thar.jp/outline/structure.html
    は、日本ホメオパシー医学会の理事でもある。
    http://www.twmu.ac.jp/AWNML/N/annai/staff.html

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  11. こんなサイトもありますよ。
    http://itworks.exblog.jp/

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