村長の幸福の科学学園視察費用めぐり百条委＝千葉・長生村議会

石井村長が視察した幸福の科学学園（那須町）

幸福の科学が大学開設を予定している千葉県長生村・石井俊雄村長について村議会が2月6日、調査特別委員会（通称・百条委員会）を設置しました。石井村長は、2011年に栃木県那須町の幸福の科学学園を視察した際、学園側が用意した車で視察。交通費と昼食代を学園側が負担した疑いなどが指摘されており、これが公選法違反（寄附行為）にあたる可能性があるとのことです。

幸福の科学は2016年に長生村に大学を開設する計画を立てており、すでに土地を取得しています。これに関連して石井村長は2010年、栃木県那須町の幸福の科学学園を視察し、その際、公費を使わず「宗教法人幸福の科学」が用意した車ででかけたとされています。

昨年12月、この問題について門口昭議員（無所属）が村議会で石井村長に質問。石井村長は、視察用の車を出したのが教団であることを認め、昼食代については「支払ったかもしれないが定かではない」と答弁しました。また、石井村長は視察の事実を議会に告げずに出かけていたようで、門口議員から「行くときは議員を連れていくべき」「何かあるのではないかと疑われる」と批判されていました。

長生村では、幸福の科学が大学等の予定地として2008年に約31ヘクタールの土地を取得。その後、現在に至るまで、更地も多く宗教行為に直結していない敷地が多いことなどを理由に、「一般的な（非課税扱いになる）境内地とは違う」として、固定資産税を課すべきとの議論が村議会などで行われています。今回は、幸福の科学側が村長に対して交通費・昼食代を負担していたことが、課税問題の当事者同士の不適切な関係と見られかねないという点でも問題視されているようです。

幸福の科学は、中学・高校の開設を予定している滋賀県大津市で地元住民が反対していることについて、共産党勢力の陰謀であり「左翼・唯物論との戦い」と位置づけています。一方、長生村では、村長と幸福の科学の関係を追求する百条委の委員長が日本共産党の鈴木征男議員。こちらも幸福の科学にとっては「左翼・唯物論との戦い」という話になっていくのかもしれません。

村議会事務局によると、百条委の今後の日程は議論の内容次第であり未定とのことで、明日2月14日に第1回の委員会が開催されます。