「はじめまして。前田敦子の守護霊です」幸福の科学がビニ本を発刊

幸福の科学・大川隆法総裁が、元AKB48の前田敦子さんの霊言を収録した書籍『AKB48 ヒットの秘密　―マーケティングの天才・秋元康に学ぶ―』（1470円）を発刊。8月31日に、秋葉原でAKB48風のコスプレをした信者を動員して同書のチラシを配るなどピーアール活動を行いました。しかし同書に収録された前田さんの霊言は、実はたったの241文字。しかも厳重なビニール本仕様のため、立ち読みもできません。

同書は、AKB48のプロデューサーである秋元康さんの守護霊を大川隆法総裁に乗り移らせて語らせた内容をまとめたもの。巻末には「付録」と称して、女優で元AKB48の前田敦子さんの霊言を収録しています。

Twitterでも話題に

8月31日には、AKB48風のコスプレをした信者を動員し、秋葉原の路上で同書のチラシを撒くパフォーマンスを行いました。配布されたチラシには、「ついにっ！あっちゃんのホンネゲット！」などと記載。秋元康さんの霊言を収録した書籍なのに、むしろ前田敦子さんの霊言をウリにしています。秋葉原の路上を行くAKB48ファン層にアピールしたつもりのようです。

「有隣堂ヨドバシAKIBA店」では、同書が平積み。秋葉原限定の帯として、前述のチラシ同様に「ついにっ！あっちゃんのホンネゲット」などと記されています。

書店の幸福の科学コーナーにピンク色のビニ本が

ところが同書は、大川隆法総裁の著作としては異例の“ビニール本”仕様。立ち読みは不可能で、前田敦子さんの霊言がどのようなものなのか確認してから購入を検討するということはできません。内容が気になる人は、ダマされるのを覚悟で購入するか、見なかったことにするかの二択を迫られます。

前田敦子さんの霊言、内容はたったこれだけ

本紙では、実際にカネを出して購入してみました。ページをめくってみると、なんと前田敦子さんの霊言は2ページだけ。しかもけっこうな大きなも文字で、文字数にしてたったの241文字でした。しかも、挨拶的な表現の部分を除くと、

〈秋元さんは天才プロデューサー〉

〈AKBが女の子たちの東大だって感じています〉

くらいの内容しかありません。これでは「あっちゃんのホンネ」もへったくれもなく、本紙・藤倉善郎主筆の小学生の息子もあきれ顔です。

「字でかっ！」（息子）

この付録の末尾には、〈二〇一三年　七月二十八日　午後五時五〇分　記す。〉と書かれています。大川総裁が深夜に変なテンションでついやってしまった、というわけではなさそうです。

AKB商法もビックリの霊言商法に怒ったのか、西村雅史さんは、この2ページの霊言の全文を自身のブログに掲載。「ビニ本にだまされないように、こんな本を買う必要は全くない」としています。

幸福の科学は、いつもの霊言本なら、存命中の著名人の顔写真などを無断で書籍の表紙に使い、パブリシティ権もおかまいなしに販売しています。しかし今回の書籍では、写真の使用はなし。女性の頭部を描いた顔なしのイラストが載っているだけです。霊言本を「報道」だと主張して様々な人物の写真を無断で載せてきた幸福の科学にしては、だいぶ遠慮がちです。

このような形で幸福の科学に名前を利用された秋元康さん・前田敦子さんが気の毒すぎたので、コメントを求める取材はしませんでした。

※読者から『ネバダ州米軍基地「エリア51」の遠隔透視』（2012年・大川隆法著、1万500円）もビニ本仕様で、『AKB48 ヒットの秘密』は初のビニ本ではないとのご指摘を受けました。関係方面にお詫びするとともに、見出しを訂正しました。