自民・菅原一秀衆議、質問状に答えず法的措置ほのめかす

菅原一秀衆議院議員

自民党所属の菅原一秀議員が、やや日刊カルト新聞社からの公開質問状の回答期限となる7月4日、同社に対して「回答書」を送付した。質問に対する回答は一切なく、同社が議員の活動を妨害しているなどとして「法的措置」をほのめかす内容。

同社は公開質問状で、取材中の同社関係者を菅原議員側が警察に虚偽通報した問題について、「取材の自由や国民の知る権利を踏みにじるものであり、警察への虚偽通報は警察に対する業務妨害行為」として見解を求めるなどしていた。今回の回答を受け同社では「引き続き、菅原氏への取材や質問を続ける」などと話している。

ジャーナリストを警察に虚偽通報した自民・菅原一秀衆議に公開質問状



菅原議員については、2017年に統一教会（現・世界平和統一家庭連合）の関連政治団体「勝共UNITE」の「実現2020改憲　東京大会」にゲストスピーカーとして出席したとされている。また、同年の衆院選で菅原議員が統一教会の青年信者を運動員として使っていたとの疑惑も浮上した。こうしたことから、やや日刊カルト新聞社・鈴木エイト主筆が菅原議員やその周辺を取材していた。

今年5月、鈴木主筆がTwitter上で菅原議員について公職選挙法違反の可能性を指摘すると、6月に鈴木主筆のアカウントが「プライバシー侵害」との理由でロックされ使用不能となった（後に解除）。この件への関与を菅原議員の事務所に尋ねても、菅原議員側は居留守を使って電話を無視。やむを得ず、鈴木主筆は6月19日に同社・藤倉善郎総裁を伴って練馬区にある菅原事務所に取材に赴いたところ（菅原議員本人は不在）、菅原議員側は「ケンカだと行って入ってきた」などと警察に虚偽の通報を行い、約7名の警察官が事務所に押しかける騒ぎとなった。

菅原一秀衆院議員の事務所がジャーナリストを警察に虚偽通報（動画あり）

こうした一連の菅原議員側の対応について、やや日刊カルト新聞社は菅原議員宛に公開質問状を送付。回答期限を7月4日とした。同日にメールで送られてきた菅原氏からの「回答書」は以下の通り。

２０１９年７月４日
〒＊＊＊－＊＊＊＊
東京都＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
藤 倉 善 郎 殿

〒１００－８９８２
東京都千代田区永田町２－１－２
衆議院第二議員会館 １０２０号
衆議院議員 菅原一秀事務所
ＴＥＬ ０３（３５０８）７６３４
ＦＡＸ ０３（３５０８）３２６４

回 答 書

貴殿から、２０１９年６月２７日付の公開質問状を受領いたしました。
これまで一年以上にわたり、貴殿が総裁を務める「ややカルト新聞社」の主筆鈴木エイト氏が菅原に対し、練馬区議補欠選挙や練馬区議選挙等において執拗な接触を繰り返し、菅原の衆議院議員としての活動を妨げております。
これらの鈴木エイト氏の行為及び２０１９年６月１９日における貴殿と鈴木エイト氏の行為についての法的措置に係ることなので、この回答書をもって、今後一切、菅原及び菅原事務所関係者に接触を持つことをお断りいたします。

以上

鈴木主筆は、統一教会との関係を菅原議員に直接尋ねたり、運動員に統一教会信者がいないかどうか確認するため、実際に複数回、駅頭活動をする菅原議員への取材を試みている。

「しかし練馬区議補選中の取材は3回だけ。練馬区議選では一度も取材していない。これのどこが執拗で、どのように議員としての活動を妨げているというのか」（鈴木主筆）

回答書にある〈２０１９年６月１９日における貴殿と鈴木エイト氏の行為〉は、居留守を使って電話を無視する菅原事務所に対して、鈴木主筆と藤倉総裁が直接出向いて取材を試みたことを指していると思われる。これを菅原議員側が「ケンカ」として警察に虚偽の通報を行った。

「菅原事務所に赴いた際、我々は一貫して穏当な態度と言葉で取材を申し入れ、事務所スタッフから『上の者に確認する。待って下さい』と言われ、事務所内のソファーに案内された。これを警察に『ケンカ』などと伝えた菅原事務所側の行為がそもそも警察に対する業務妨害行為なのに、我々の取材活動に対して『法的措置』をほのめかし、質問に一切答えないまま接触拒否の旨を伝えてくるとは、理解に苦しむ。これは『回答書』というタイトルの、回答書ではない何かだ。いずれにせよ、公人としての行動を問われている質問状への回答が皆無という状態で取材をやめるわけにはいかない。こちらとしては引き続き、菅原氏への取材や質問を続けることになるだろう」（藤倉総裁）

菅原議員は6月19日に鈴木主筆・藤倉総裁からの訪問を受け警察への虚偽通報がなされた直後、〈ストーカー規制法。禁止命令違反は懲役2年以下もしくは200万円の罰金。全国のつきまといに遭っている被害者や自由妨害等に遭っている方々を救う対策を強化すべく国会でも動きが始まりました。もうすぐ、、〉（本人のTwitterより）と発言している。「回答書」というタイトルの回答書ではない何かに「接触拒否」の意思表明が記されていることをあわせると、菅原議員は取材を牽制する上でストーカー規制法を意識させようとしているようにも見える。

「ストーカー規制法は、待ち伏せ、見張り、押しかけ、付近をみだりにうろつくなどの行為を『つきまとい等』として規制しており、拒否の意思表示がなされて以降の電話、FAX、メール等も同様だ。しかし同法では『つきまとい等』を『特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的』で行われるものと定義している（同法第2条）。私とエイト主筆は、過去現在問わず、菅原議員に対して一切恋愛感情はない。取材をしているだけだ。ストーカー規制法は、国会議員が自らに対する取材を妨害するための道具ではない」（藤倉総裁）