幸福の科学大学（申請中）が宇宙人霊言に基づきヤギ飼育始める 万能薬研究に乳を利用か

『天使の梯子』8月号より（読者提供）

千葉県長生村にある幸福の科学の「ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ」（HSU）が7月5日、ヤギ2頭の飼育を始めた。教祖・大川隆法総裁による宇宙人の霊言に従い、ヤギの乳から万能薬を開発する研究を行うためという。HSU新聞部が発行する『天使の梯子』8月号が報じた。

HSUは2014年に文科省から「科学的合理性が立証できていない霊言を教育の根底に据えるということは認められない」として不認可にされたものの、そのまま2015年に開設された「大学ではない何か」。現在、2021年の開学を目指し認可を再申請中だが、依然として霊言に基づく教育を行っている実態が明らかになった。

『天使の梯子』8月号（7月31日発行）によると、問題のヤギ2匹はともにメスで、名前はメイとメル。HSU未来産業学部がミラミッド型礼拝堂のある校舎棟脇の空きスペースに囲いを設置して飼育を始めた。記事は〈2018年10月の宇宙人リーディングで言及があった、万能薬として使用されていた秘薬の研究に、いずれヤギの乳が必要になるからだ〉（『天使の梯子』8月号より）と説明している。

HSUは2014年に、霊言を教育に取り入れていることが原因で大学としての設置を不認可とされた。申請の際に文科省職員を脅すなどしたとされたこともあって、5年間は認可しないとのペナルティを課せられたが、喪が明けた昨年に再申請し、今夏の終わりには文科相の諮問委員会による可否の答申がなされる予定。その結果待ちというこのタイミングで霊言に基づいてヤギの飼育を始めたことに、専門家からは批判の声も聞かれる。

「科学的合理性が立証されていない霊言に基づく研究・教育は、言うまでもなく国が認可する大学として望ましくない。大学の再申請中に霊言に基づく研究の準備を開始するとは、国家に対する反逆である。そればかりか、2頭のヤギはまだ幼い子ヤギ。それを霊言に基づく研究に協力させる行為は、未成年動物に対する信仰の強要だ。アニマルライツセンターに通報すべきだ。メイとメルに信仰の自由を！」（偶蹄目が好きなジャーナリストの藤倉善郎氏）

今回のヤギ問題をスクープした『天使の梯子』はHSU生が発行する新聞で、最近でも〈奇跡のコロナ対策　信仰ワクチンで免疫力は高まる〉（6月号）、〈映画　心霊喫茶「エクストラ」の秘密を観たら奇跡が起こった。〉（7月号）など、幸福の科学の教義や教祖の主張に基づいた記事を連発。「宗教関連紙業界の東スポ」（前出の藤倉氏）として定評がある。定価は50円。幸福の科学の全国の支部・精舎で販売している。

HSU新聞部のTwitter

幸福の科学グループ広報局のコメント：

「藤倉さんからの取材はお断りしております。ピロリロ～（保留音）……ガチャッ！」