【ソコイジNEWS第3回】断食デモの前で暴飲暴食デモ

週刊文春9月8日号（9月1日発売）の記事＜統一教会　日本から「4900億円送金リスト」を独占入手！＞に対して、世界基督教統一神霊協会（統一協会、統一教会）が連日、文藝春秋社前で抗議デモを行なっている。この中で統一協会側は、週刊文春が謝罪するまで抗議のリレー断食を決行すると宣言した。

そこで、飢餓にあえぐ統一協会信者たちの健康状態に危機感を募らせて立ち上がったのが「面白い旅団」だ。「やや日刊カルト新聞」のダミー組織であると自ら名乗り、団長は筆者である。「飯が食える」と聞いてのこのことやってきた村田らむ氏と毒人参氏を従えた「面白い旅団」は、断食デモを繰り広げる井口氏に「断食反対！抗議の暴飲暴食スト決行！」などとする抗議文を手渡し、目の前で松屋の牛丼屋ビビン丼を食いまくりメッコールを一気飲みした。

「面白い旅団」には、元ネタがある。統一協会は近年、反対勢力の牧師や弁護士らが統一協会信者を拉致監禁していると主張し、デモや統一協会関連メディアを通じて「反拉致監禁キャンペーン」を展開している。この動きの中で、「白い旅団」と名乗るブログが、牧師や弁護士らを尾行して盗撮しては、「拉致監禁問題」と全く関係ない女性関係などのプライバシーを公に晒している。

こうした陰湿な「白い旅団」に対抗して、明るく楽しく統一協会をおちょくる組織として結成されたのが「面白い旅団」である。もちろん、合法・非暴力の組織だ。

統一協会側は、この暴飲暴食デモを前にして「久々に笑った。吉本並に面白い」（井口氏）と語り、信者全員で「お付き合いいただきありがとうございます」と頭を下げた。また「面白い旅団」側は、断食を続ける信者たちに水やメッコールを配布して「健康に気をつけて」と気遣うなど、双方に友情が芽生えたかに見えた。



しかし統一協会は公式サイトで、暴飲暴食デモを「真剣な教会員らを嘲笑うかのように」と表現。また統一協会側が文藝春秋社内で週刊文春側と会見した席で、井口氏が「おちょくられて頭に来ている！」と怒りをあらわにしていたという。この井口氏の発言を聞いた藤倉団長は関係者に「つまり、我々の目的が達成されたということだ」と語っている。

統一協会と「面白い旅団」との間に友情が芽生えたのは飽くまでもうわべだけの話。実際には、統一協会はすごくムカついている。気の毒なこと、この上ない。

また当初「7日間断食」を決行していた井口氏は、7日間の後は「朝断食」に切り替え、ほかに少数の信者が3日断食を行う程度になった。まるで「面白い旅団」の抗議に屈したかのようだ。

統一協会が面白いことをする限り、「面白い旅団」はまた彼らの前に現れるだろう。

村田らむ（漫画家）
藤倉善郎（フリーライター、「やや日刊カルト新聞」主筆）
毒人参（秋葉原の某カフェ店員）

本連載は不定期掲載です。月に１本くらいは載せたいと思いますが、どうなるかわかりません。いじって欲しいものがある方は、下記までご連絡ください。ただし、あまり無茶なことはさせないでください。
藤倉善郎：daily.cult@gmail.com