■法王を利用した売名行為の事例
ダライ・ラマ法王を売名に利用した最悪のケースは、1995年の地下鉄サリン事件等を起こしたオウム真理教(現在のアレフ、ひかりの輪)があります。1987年2月、教祖・麻原彰晃(松本智津夫死刑囚)はインドでダライ・ラマ法王と面会。法王に賞賛されたと吹聴していました。1989年にオウム真理教がダライ・ラマ法王側にオウムの素晴らしさを認める書状を書くよう依頼した際には、法王サイドから拒絶されています。しかしオウム真理教がダライ・ラマ法王と麻原が一緒に写った写真などを自己宣伝に用いたことで、現在もカルト問題に取り組む人々の間でダライ・ラマへの不信感が散見される大きな一因になっています。
現在、高額な布施などがカルト問題に取り組む人々の間で問題視されている「念佛宗無量寿寺」が、1998年にダライ・ラマ法王を招聘したこともあります。このときも、メディアでは「ダライ・ラマの名前を借りた教団ピーアールでは」と指摘されていました。ほかにも、インドでダライ・ラマに謁見したり日本でのダライ・ラマ講演会を主催した人物や団体について、周囲で良くない評判があったりしたケースはあります。
「日本のマイナー団体についてチベット政府は逐一確認すべきだ」というのも酷な話なので(当時はオウム真理教もマイナー団体だったし)どうしようもないのかもしれません。また、チベット仏教のトップでありながら、謁見でも会見でも、一般の人々に近いところで話をしてくれるのが、ダライ・ラマが多くの人々の尊敬や信頼を集める理由の一つだろうと思います。だからこそよけい、自らの正統性を示したり名声を高めるためにダライ・ラマを利用する連中はロクなものじゃないと思っといていいのではないかと思います。
■無邪気に広まる自由報道協会のデマ
前フリが長くなりましたが、件の「自由報道協会」(FPAJ)。11月7日に東京都内でダライ・ラマ法王の記者会見を主催することになりました。
成田市内での「オープンな」記者会見で(2009年)
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ところがFPAJは記者会見開催の発表に際して、「自由報道協会はチベットのノーベル賞受賞者であるダライラマ法王の独占会見を開催する運びとなりました」との案内をメールで配信し、ウェブサイト上に「ダライ・ラマ法王は今回の来日で仙台、福島などの東日本大震災の被災地を訪問する予定です。それを受けて、日本では唯一の記者会見となります」とするプレスリリースを掲載しました。
この会見は、FPAJの会員でなくても取材することができます(事前申込制)。しかも今回の来日でもダライ・ラマ法王は複数回の記者会見を行うので、FPAJの会見は「独占」でも「日本で唯一」でもありません。
FPAJは、記者クラブに独占されてきた政治家等の記者会見のオープン化を求めています。ダライ・ラマ法王の会見を「独占」と自称して特権性をアピールするのは自己矛盾もいいところなのですが、加えて実際には「独占」ではないので、完全なデマです。
そしてこのデマはtwitterなどで広まっており、中には「ダライ・ラマは記者クラブではなく自由報道協会を選んだ」などと無邪気に喜んでいる人もいます。こういう短絡的な人々がいるから、「ダライ・ラマの名前を使えば簡単に名を売れる」みたいに考えてしまう輩が出てくるわけです。宗教ではなく報道という分野でこんな現象が起こってしまうことに、驚くばかりです。
■でも、たぶんいい会見になるでしょう
幸いにも、今回のFPAJによる記者会見の参加資格は<「取材・報道」を生業とする方>となっており、ジャーナリストが中心です。ジャーナリストでありながらFPAJのデマに踊らされる人はいないでしょう(と信じていることにしておきます)。
長野・善光寺での「オープンな」記者会見で(2010年)
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記者クラブでの会見と違って、ネットでノーカット中継もあるようです。また、FCCJでの会見は通常英語ですが、今回のFPAJでの会見は同時通訳付き。日本人にとっては、従来のスタイルの会見よりもはるかにいい条件です。
ダライ・ラマ法王の名を利用するFPAJのやり口がオウム真理教並みでガッカリだというだけのことで、会見自体はきっと素晴らしいものになるでしょう。FPAJ関係者や“信者”が、ダライ・ラマ法王にFPAJを賞賛するような言葉を喋らせようとしたりしたら、多少興ざめですが。
【参考】
togetter/自 由 報 道 協 会 がダライ・ラマ法王の会見を「独占!」とデマ
togetter/自由報道協会のデマ・畠山理仁氏の言い訳
FCCJでの「オープンな」記者会見で(2008年) |
11月4日、自由報道協会はダライ・ラマ会見に関するプレスリリースを、とくだんの告知もなく修正しました。修正前のものを掲載しておきます。(2011.11.04 12:55)
29 コメント:
宗教やカルトの問題ではなく、ジャーナリストの問題だね。
藤倉は自由報道教会に恨みでもあるんか?
> 自由報道教会
Free Press Church かwww
自由報道協会は何故手柄を一人占め(勘違いだったら失礼_(..)_)したくなったのでしょうね。
自由報道教会がなんだかしっくりしてしまう。この会見に変なジャーナリストが混ざって、また変に広がらなければいいですね。
自由報道「教会」というのは、彼らは小沢カルトなんである種正解です。
藤倉主筆
こんな記事書いてないで、
仰木の里の記事、よろしくお願いしますよ~
誤報?デマ?初期の段階では自由報道協会のみが正式な記者会見を行う予定だったから、独占取材という表現が使われただけでは?あたかもあなたみたいに自由報道協会を犯罪者扱いするのはどうかと・・・。むしろ、テレビの○○が独占取材とか、初公開とかの方が権威を見せびらかしていると思いますが。自由報道協会は記者クラブだけみたいな差別会見をしていません。この記事はあたかも悪意があったかのような書き方をしていますが、あなたこそデマを流している。自由報道協会の名誉を棄損する内容だ。
藤倉主筆、
仰木の里も頑張ってマス!
デモを記事にしてください
お願いしますよっ!
ジャーナリスト同士の争いなんざ、どうでもいいよ。
藤倉は自由報道協会ならハブられて根に持っとるんか?w
>この記事はあたかも悪意があったかのような書き方・・・
このコメントを書いた人がジャーナリストでなければいいですが。
記事に中身をきちんと理解出来ない人がジャーナリストであってはいけない。
記者クラブを批判してきた団体が最近は「?」な事が多いのは、ミイラとりがミイラという懐かしいことわざを思い出す。
申し込んで早いもの順というメールがきたあと、報道を生業とするものしか入れません、というメールが昨晩来ました。
ネット中継で
スシずめと言う状況でもなかったので
最初から 入る人は決めていたような感じがする。
でも いい話はあったことは確か!
遅れた原因は 民主党と自民党の議員に
遭ったことと思うが、法王は 国会にいったのかな?
新興宗教を批判してきたライターが「?」な感じになることもよくありますね。
そんな悪いように書くような出来事ではないと思うが。
仮に意図的だったとしてもそれは間違いだという指摘は直ぐに入りそうなものだし、この記事のように突っ込む人もいる可能性もあるのは畠山氏もわかるだろうからただの勘違いだったのではないかという印象です
発言内容を正しく報じなかったとか捻じ曲げて報じたというわけでもなく後で訂正すれば済む話だろう
記事を書いた人が自由報道協会が気に入らなという印象を強く持った
【4】当会は、あらゆる人物の記者会見への招致を妨げることをしない。また誰もが自由に
記者会見の開催を求める機会も保障する。
「設立趣旨」より
言葉のうえでとはいえ、あっさりと覆してしまってるでしょう。
にもかかわらずこの件をないがしろにしている団体には、自らの主張をもないがしろにしているという印象を抱かざるをえませんね。
いったい何がしたいんだか、期待していただけに残念です。
この記事、カルトと何の関係が?
とりあえず、藤倉が自由報道協会からハブられてることは分かった。
『独占』
1 自分ひとりだけのものにすること。
2 特定の資本が他の競争者を排除し、
生産と市場を支配している状態。
嘘だったとは言え、こういう文言を使用して
自分達の記者会見を宣伝するという事は
結局、自由報道協会の記者クラブ批判って
彼らにとっては飯の種でしかなかったという
事の証明でしょうな。
自由報道協会の信者って記者クラブから、フリ―がはぶられてるのにはけち付けるくせに、藤倉氏が自由報道協会にはぶられてる(あくまで信者談だけどw)ことは藤倉氏叩きの道具に使うんだなw
完全にダブスタになってるw 自由報道協会が記者クラブたたきしてるのを、自由報道協会が記者クラブに悪意を持ってて、記者クラブからはぶられてることだけはわかったと言われたら信者さん達どう答えますか?
俺は自由報道協会の人間じゃないからダブスタでも何でもないだろw
藤倉君がハブられて悔しいのはよく分かったという話。
とすると自由報道協会が記者クラブ叩くのもはぶられて悔しいからなんですね。
よくわかります。
カルト新聞に載せる話ではないわなw
自由報道協会の名誉のために書いておきますが、彼らは藤倉をハブってなんかいません。そもそも、こっちから仲間になろうとしたこともないんで、自由報道協会としても藤倉をハブりようがないと思います。
ダライ・ラマ法王の記者会見も、取材申込んだらちゃんと登録されました。もっとも、その日は、法王の来日を取材するためにインドから来たチベット人たちと東北巡りをしていたので、会見には行けませんでしたが。
会見、おもしろかったみたいですね。法王に対してTPPだの尖閣だのtwitterだの、チベットとも被災地訪問とも関係ない質問をぶつける日本の自称ジャーナリストたち。日本の恥。
ダライ・ラマ法王の今回の来日に関連して、もう1本記事を出す予定です。次の記事は完全宗教ネタなんで、この記事よりは「カルト新聞向け」ではないかと。
藤倉氏、すげぇ。
藤倉さんにも信者がいるようですねwww
ダライラマのネタは、カルト新聞の本来の仕事というか、領分が違うのでは?
関心度は、25コメントレベルです。
仰木の里の記事は3000コメント超えてましたね。
いろいろと詮索している人多いけど、自由報道協会のデマという事実はあるわけだ。
それを受け入れない人は、カルト信者と同じで事実・真実に盲目な騙されやすい人であるということですね。
善意か悪意かは関係なくて、事実は事実として受け入れろってことだ。
>2011年11月11日 14:06
信教の自由って知ってる?
それより法華経を信じ南無妙法蓮華経と唱えましょう
>2011年11月9日 18:27
藤倉さんが悔しがったという根拠はあるの?
それより法華経を信じ南無妙法蓮華経と唱えて
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