ヤフオクで幸福の科学グッズ出品が大賑わい

ヤフーオークションに出品されている幸福の科学関連グッズの顔ぶれが、大変なことになっています。数だけなら創価学会関連グッズの方が豊富ですが、幸福の科学は大川隆法総裁の顔写真入り「ご本尊」、90年代の大川総裁のコスプレ写真集セットなど、ビジュアル的にも目を引くグッズがわんさか。大量の書籍の「送料負担いただければ取り放題ゼロ円」という叩き売りも。12月6日にさいたまスーパーアリーナで開催予定の「エル・カンターレ祭　大川隆法大講演会」のチケット（奉納目安5000円）にいたっては500円で……。

■“伝説”の写真集とビデオ

ヤフーオークションに出品されている幸福の科学の関連品は、11月26日現在、317品。うち305品が本、雑誌、ビデオ、DVD、CDなど広報・教化教材です。が、現役信者だったら絶対出品しないだろうと思われるものがわんさか。おかげで、いままでヤフオクなんか使ったことがない本紙主筆・藤倉が、すっかりのめり込んでいます。

1993年エル・カンターレ祭の写真集

たとえば、1992年に東京ドームで開催された「エル・カンターレ聖夜祭」のビデオと写真集のセットが即決価格3500円。93年の「エル・カンターレ聖夜祭」のセットも同様に3500円。いずれも、教祖・大川隆法総裁がすんごい出で立ちで登場した、信者ではない人にとっても“伝説”のイベントです。藤倉、ソッコーで落札しました。

大川総裁の顔写真入りのご本尊も9万円で売りに出されていますが、藤倉は貧乏に負けて入札を断念。ORマークが入った盃のセット「幸福盃 ペア 未使用 大川隆法 稀少 おまけあり」（11月26日現在の入札価格3200円）に入札するかどうか迷っています。

「ジャーナリストっていうか、ヲタだな」（カノジョ）

「いや、これは教団の歴史を知る上での資料価値が……あっ、値段吊り上げやがったヤツがいる。負けないぞ！」（藤倉）

「ばか」（カノジョ）

■“信者の証”も叩き売り

幸福の科学の書籍数十冊を実質ゼロ円で「取り放題」として出品し、叩き売りどころか廃棄処分同様の扱いをしている人もいます。新規信者に渡される根本経典『入会版　正心法語』を一気に10冊も売りに出していた人は、こう説明します。

「自分は信者でも何でもないが、元信者の知人に頼まれた。その知人は、10人勧誘すると教団内で表彰されると言われ、先に『正心法語』10冊（1冊1000円）をまとめて教団から買ったのだそうだ」

その10冊が新品のままヤフオクに出品されていたということは、結局、その信者は勧誘できないまま脱会したようです。ちなみにヤフオクでの即決価格は1冊300円でした。信者の証である根本経典が叩き売り……。

■本来は“売り物”ではない

もともと幸福の科学では、教団施設内に陳列されているグッズや書籍に「奉納目安」なる金額が設定されています。信者たちは奉納袋にお布施を入れ、その袋ごと、祭壇前などに設置されている賽銭箱のようなものに入れ、その上で品物を持ち帰ります。

つまり、いわば「希望小売価格」的なものが設定されているものの、実際にいくらのお金を支払うかは信者の自由なので、それは「代金」ではなく「お布施」。幸福の科学では、これをグッズ販売ではなく宗教行為だとしているわけです。きっと非課税扱いなのでしょうね。

値下げされるも入札なしのピンバッジ11個セット。

しかしヤフオクにかかれば、これも立派な「商品」。シビアに値段がついてしまいます。ORマークのペンダントは3800円で落札されていました。ネクタイピンは2500円、伝道活動や布施の功労者を称える「菩薩信者顕彰」のピンバッヂは5個セット3000円、11個セット3万円で、いずれも入札ゼロ。その後11個セットは1万円に値下げされ再出品されました。

各品とも、教団内での奉納目安はこんなに安くないのではないかと思われますが、信者ならヤフオクでは買わないでしょう。教義上は売り物ではないので、ヤフオクでの出品も購入も、幸福の科学的にはおそらくバチ当たりな行為になりかねません。

かといって、信者でもないのにこれを欲しがる物好きも、そうそういないのでしょう。ヤフオクでは、入札がほとんどないかゼロの品ばかりです。

■エル・カンターレ祭のチケットは500円

グッズを大量出品していたある元信者は、比較的最近、幸福の科学をやめたそうです。

「ヤフオクで一気に処分できて助かった。私がいた支部もいまや脱会者が続出してガタガタです。その支部から今年のエル・カンターレ祭に参加する信者は、昨年の3分の1程度しかいないのではないか」

そのエル・カンターレ祭、今年は12月6日にさいたまスーパーアリーナで開催されます。信者は布施目安5000円でチケットをもらえるようですが、そのチケットもヤフオクでは即決価格500円で売られていました。

2009年の「幸福実現党」設立以来、信者による熱心な選挙活動のかいもなく選挙に全敗。大川隆法総裁も落選し、現在は、草創期からともに教団を支えてきた妻・きょう子氏との間で、離婚と名誉毀損をめぐって訴訟の真っ最中です。信者の大量脱会説がささやかれるのも無理はない中、ヤフオクに出品されるグッズの賑やかさは、むしろ郷愁を誘います。