爆発事故から約4年、あのメッコールが復活していた ただし爆発に注意

統一教会イベントでも大人気だった「世界一まずいコーラ」（2014年撮影）

　2018年に爆発事故を起こし日本での販売が停止されていた「メッコール」が販売を再開し、国内でも購入可能になっていたことがわかった。店舗や自動販売機での販売はなく、ネット通販のみ。それでも、この「世界一まずいコーラ」を愛する一部マニアからは「あの罰ゲームが帰ってきた！」と喜びの声があがっている。

　メッコールは、韓国の統一教会（現・世界平和統一家庭連合）系企業「一和（イルファ）」の人気商品。麦茶に砂糖や炭酸をぶっこんで高麗人参エキスで香りをつけた缶飲料で、「世界一まずいコーラ」とも呼ばれる。

　かつて日本では国内法人「イルファジャパン」を通じて、雑貨チェーン「ヴィレッジヴァンガード」や統一教会系の占いサロンなどで販売。統一教会信者にとっての「ソウルドリンク」である同時に、信者ではない愛好家もいた。大学生などの間では罰ゲームアイテムとしても親しまれてきた。

　しかし2018年、日本国内でメッコールの缶が爆発する事例が複数報告され、同年7月にイルファジャパンが自主的に国内での販売を停止。流通在庫も回収、廃棄されたため、統一教会信者ですら購入できなくなった。

当時は自販機でも売り切れ

　かろうじて在庫が残っていた街なかの自動販売機やヴィレッジヴァンガードでは、やや日刊カルト新聞社による買い占めが起こった。集められたメッコールは、同社社の倉庫に保管され、関係者のトークイベントなどで観客に提供された。ところがその倉庫でもメッコールが爆発し、幸福の科学の祭壇と御本尊（100万円相当）がメッコールまみれになる事故も発生している。

　当時、イルファジャパンが本紙に語ったところによれば、爆発の原因は「缶の構造の問題」。炭酸飲料であることから、気温の上昇のほか、缶の損傷や劣化など何らかの理由で、缶が内部の圧力に耐えきれなくなる場合があったと考えられる。

　このメッコールが、遅くとも2021年1月にはAmazonなどでの販売が再開されていることが判明した。

　イルファジャパンは現在「株式会社IJC」となっており、ウェブサイトに掲載されているのは、高いものでは10万円を超える高麗人参茶など。メッコールは掲載されていないが、IJCに問い合わせたところ、こんな説明。

「メッコールは（販売停止から約1年後の）2019年10月から弊社から代理店には卸し始めていました。Amazonなどの通販で一般の方が買えるようになったのは2021年1月前後からかと思います。缶が改良されたかどうかはわからないのですが、（本社がある）韓国から安全は保証できるとのことで、販売を再開しました。現在、店舗や自動販売機での販売はなく、Qoo10、Amazon、楽天の3サイトでの通販のみとなっております。宅配の過程で缶に傷や凹みができると破裂しないとも言い切れませんので、購入後は冷蔵庫に保管することをお勧めします」（IJCの担当者）

　常温で爆発する恐れは完全には解消されていないようだ。

　残念ながら、かつてのようにヴィレッジヴァンガードで買うことはできない。念のため都内のビレッジバンガード店舗に問い合わせたところ、近隣店舗も含めメッコールの取り扱いはなかった。

　一般向け販売の再開より1年以上前から代理店には卸していたということは、統一教会内部ではその頃すでに復活していた可能性もある。しかし、ある現役の信者は、こう語る。

「えっ！メッコール、復活してたんですか？　知りませんでした。私の場合、メッコールは（統一）教会の行事のときに出されて飲むのが大半。コロナのせいで教会の行事がリモートになっているので、復活には全く気づきませんでした」

　新型コロナの影響で社会の分断が進む中、統一教会信者とメッコールも分断されてしまっていたということか。なおメッコールには韓国のピリ辛鶏唐揚「ヤンニョムチキン」がよく合うという。統一教会の教祖である故・文鮮明はメッコールを飲みたくないのに宣伝のために嫌々飲んでいた、という逸話もある。

　信者ではないが、爆発事故で販売停止となってからは生きる希望をなくしていたという都内の自営業男性（40代）は、喜びを隠せない様子だ。

「あの罰ゲームが帰ってきた。常温で爆発する問題が未解決なのも嬉しい。不味い上に爆発するかもしれない“コリアン・ルーレット”を楽しめる。むしろ前よりスリリングだ」

　Amazonでは、250ml缶3本が969円（1本あたり323円）、6本が1,250円（同約208円）と割高。30本セットなら3,750円（同125円）で、かつてのヴィレッジヴァンガードでの販売価格とほぼ同じ。くれぐれも、購入後は冷蔵庫での保存を。

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