大川隆法総裁、死去直前に高熱や呼吸困難 白石麻衣・柴咲コウ（霊）の介抱の甲斐なく

3月2日に死去が報じられた大川隆法氏（2012年撮影）

　3月2日に死去が伝えられた幸福の科学・大川隆法総裁（享年66歳）。いまだ教団は公式には死去の事実すら認めておらず、信者たちは復活を信じ「復活の祈り」等を行っている。

　そんな中、大川氏が死去直前に高熱、呼吸困難、心臓の不調に見舞われていたことがわかった。2月21日には何度も呼吸困難が起こり、女優の白石麻衣や柴崎コウの「守護霊」を体内に入れると発作がおさまったと、大川氏自身が書き残していた。その9日後に死去した。

1月に教団職員の感染、孫の発熱

『短詩型・格はいく集(3)『神は詩う』』

　大川氏は生前、霊言の他に俳句も書き残している。「短詩型格はいく」と称する不定形の1句1句の後に、解説や補足説明が日付入りで書き添えてある。体調不良に触れた記述を抽出して並べると、まるで闘病日記だ。

　これを見ると、1月頃に幸福の科学職員が発症、1月下旬には大川氏の孫たちが「謎の風邪」。2月上旬に大川氏自身も39度を超える高熱を発し、一時は回復したようだが、死亡が確認される9日前には呼吸困難に。6日前には酸素吸入をしていると思われる記述を残し、それが最後の句になっている。

　今年2月16日（死亡確認2日前）付発売の俳句集『短詩型・格はいく集3『神は詩う』』（大川隆法著、幸福の科学出版＝以下の著書も同じ）には、こうある。

「コロナウィルス撃退曲」で、菌が逃げていくのを確認す

☆医学的には完治していても、私のような霊能者はウィルスの存在を感知する。「撃退曲」を久しぶりにかけると、一～二時間で逃げていった。（某職員の件）
2023・1・14

　「医学的には完治」していたようだが、大川氏に近い教団職員に感染者が出ていたことがうかがえる。幸福の科学では、コロナ感染は信仰によって防げる「信仰ワクチン」なるものがあるとされ、大川氏作曲の「コロナウィルス撃退曲」がCD等で販売されている。これによって、大川氏はウイルスを「撃退」したようだ。

孫たちの謎の風邪続く　この教団は重いな

☆発熱が先で、コロナはネガティブ。何日も経って、少しセキが出て来た。隆ちゃんの霊体が小さくなっていた。
2023・1・25

　「隆ちゃん」とは、大川氏の長女・咲也加氏の長男・隆一くん（4歳）と思われる。「コロナはネガティブ」というのが、PCR検査等で陰性の結果が出たのか大川氏の霊能力による判定なのかは、ここからはわからない。

　妻と孫については、別の句の解説文に、昨年12月5日の「エル・カンターレ祭」（さいたまスーパーアリーナ）の前から風邪をひいていたとの記述がある。孫たちの「謎の風邪続く」が、昨年から続いていたのか、別のものかは不明だ。

　いずれにせよ、1月のうちに教団職員や親族に感染者、あるいは原因不明の発熱者が出ていたことになる。

大川氏も39度の発熱、呼吸困難

『短詩型・格はいく集4〈不惜身命の姿・特別編〉』

　死去から4日後の3月6日付で発売された『短詩型・格はいく集4〈不惜身命の姿・特別編〉』には、死の直前までの句が残されている。

　それによると、大川氏自身も2月上旬から高熱を発していた。

パパ一人倒れたるかな「ダイダラボッチ」巨山を崩す

☆伝説の巨人ダイダラボッチ。私、発熱す。疲れ発生か39.1度記録す。
2023・2・5

　21日には、呼吸困難も。

一進一退で　今日も生きている　一日何度か呼吸困難

☆恐れすぎてもいけない。呼吸困難・発熱・窒息、かと思っていたが、二時間くらいすぎるとおさまってくる。歌手・俳優の白石麻衣と柴咲コウ（各守護霊）を体内に入れると発作は止まった。以外に別筋だった。
2023・2・21

　白石麻衣と柴咲コウ……。

　2月24日付で、酸素吸入をしていたとおぼしき記述もある。

生霊の挑戦か、それとも　心臓不調の区別が　分からなくなる　深切な社会では　どちらも同じなのだ

☆お腹まわりが太ったと思うと、「O2」のとり過ぎであったりする。
2023・2・24

　これがこの俳句集の最後の句だ。相当病状が重かったのか、もともとこうなのか、自分の病気と霊障の区別ができない状態にあったことがうかがえる。

　通常、大川氏の著書には大川氏自身による「あとがき」が記載されるが、この俳句集にはない。代わりに、紫央氏による日付なしの付記と、3月5日付の「幸福の科学総合本部」による「発刊に寄せて」の一文がある。すでに大川氏の死が報道された後の日付だが、死には触れていない。

公式発表なく憶測飛び交う

　SNS上での信者の発信によると、2月17日に行われた大川氏による霊言の収録の席で、妻の紫央氏が「心臓に来なくてもいいじゃない」と発言したとの話も漏れてきている。3月14付発売の『妖怪にならないための言葉』には、大川氏が〈妖怪「お多福」〉に激しく襲われ「生命の危険を感じたほど」とする2月18日付の追記がなされている。

　大川氏がいつ頃まで意識を保っていたかは定かではないが、現時点では2月25日以降の言葉は確認されていない。複数のメディア関係者等によると、教団は死についてコメントしておらず、3月2日という日付は警察による死亡確認が根拠とされている。2月25日頃には言葉を発することができない状態に陥り、医師が直後に死亡を確認できる病院等以外で死亡した可能性や、事実上死亡に近い状態で時間が経過してから発見された可能性も捨てきれない。

　高熱や呼吸困難との情報を元に、ネット上では大川氏のコロナ感染を疑う声も出ている。教団自身が死去の事実すら認めないまま1週間以上がすぎたこともあって、死の原因や経緯について様々な憶測を呼ぶ事態になっている。

　幸福の科学広報局は3月10日、本紙の取材に対して、こうコメントした。

「藤倉さんからの取材はお断りしております～。ガチャッ！」

最期まで「大川隆法」だった

　前出の書籍に登場する妖怪「お多福」は、死去直前に長女・咲也加氏が降格されたこととも関連していると見られる。

　もともと咲也加氏は幸福の科学の次期総裁に決定しており、その過去世は「天照大神」とされていた。ところが前出の『妖怪にならないための言葉』で大川氏は、その天照の「恐怖の化身」である「妖怪お多福」が大川氏を攻撃していると言い出した。

　2月26日には、これが信者たちにも伝わり、教団の公式サイトから咲也加氏のプロフィールが消されていることが確認された。その矢先に大川氏が死去。現在、妻の紫央氏が後継者の最有力候補と目されるのは、これが理由だ。

　すでに、咲也加氏（の守護霊）が大川氏に呪いをかけていたかのようなことを教団内で聞かされたという信者の声も漏れてきている。咲也加氏に大川氏の死の原因を（宗教的解釈として）なすりつけるかのような言説だ。

　大川氏は、教団設立以来、父親、前の妻、長男を追放。5人いる実子のうち4人について、降格や追放を行ってきた。最後に、次期総裁として残っていた長女のはしごを外して、この世を去った。このまま咲也加が、この処遇に甘んじるのかどうか、現時点では予想できない。

　北海道大学文学部中退で国文学に詳しくない藤倉善郎氏は、大川氏の一連の俳句を「大川氏本人によるもの」と語る。

「俳句の後にいちいち、句を詠んだ時の状況等の補足説明が掲載されている。補足説明がなければわからないようでは、俳句として成立していないのではないか。プロのゴーストライターに書かせたにしては稚拙すぎる。その点は、これまでの大川氏名義での著書等とも共通しており、本人による作と見ていいだろう」

　一方、かつて大川氏から勝手に守護霊を呼び出され書籍として発刊されたことがあるジャーナリストの藤倉善郎氏は、一連の大川氏の遺作を高く評価する。

「俳句の補足説明のお陰で、死の直前の大川氏の状況がある程度解明できるようになった。死の間際まで、霊がどうのと口走り、親族を粛清し、芸能人の霊を呼び出すなど、大川隆法は最期まで大川隆法だった。無駄に巻き込まれた白石麻衣さんと柴咲コウさんにお見舞い申し上げます」