“日本統一教会”、韓国の教祖夫妻への毎年の上納金額が判明！その他献金流用先も明らかに

“日本統一教会”
年度別TD（感謝献金）推移報告書
（単位は億円）

統一協会（統一教会）の過去3年度分の感謝献金推移報告書【年度別TD推移】が出回っている。

報告書には毎年の教祖・文鮮明夫妻への数百億円に上る献納額が記されている他、その内容から、信者に課したエンドレスな高額献金指令やビデオセンターと連動した統一協会関連会社による物販活動、そして巨額な経費の流用先についての痕跡が伺える。

教団の金の流れの一端が明らかになったTD推移報告書を分析した。


◆“日本統一教会”年度別献金推移表に書かれた符合の意味

2009年度から2011年度の3年間についての“日本統一教会” の献金収集と韓国への献金納付額などが明らかとなった。

“年度別特別献金推移報告書”に記された略語、TD、IN、TD in、KI、1／10、D、OUT、KH、HS、HKの意味を以下にまとめた。

【年度別特別献金推移報告書】　略語の意味

年度別TD推移:　

TD: Thanks Donation: 感謝献金（礼物）　 各々名目の特別献金（TD OUT:　日本統一教会が教祖夫妻へ上納する献金）

IN: 　入金

TD in:　信者から日本統一教会に上納された感謝献金 　　
KI: KariIre:　 借り入れ 　個人と金融機関からの借入金

1／10:　10分の1献金　信者が収入額の1割を納める献金

D: 　総入金額

OUT: 　出金額

KH: KeiHi: 　経費 　人件費を含めた各種運営費
                         　
HS: HenSai:　 返済 　一般的に個人と金融機関へ返したお金

HK: HenKin: 　返金　　主に法的問題によって返したお金

（ 数字の基本単位は億円）

◆毎年約500億円の“総収入”

総収入額の殆どを占めるのが“TD in”、つまり信者から日本統一教会本部へ納められる感謝献金・特別献金だ。2011年度には約500億円を集めている。

これは430万円の天福函摂理や120万円の圓母平愛40日摂理献金、最近ではGo To献金と呼ばれる52万円の献金指令など、ことあるごとに「・・・の摂理献金」などと銘打った高額且つエンドレスな献金指令により掻き集められたものだ。

この500億円の出所“TD in”には、各地区の信者が霊感商法などの『経済活動』で得た売り上げや各統一協会系物品販売会社が全国300箇所に及ぶビデオセンターと共同でおこなった『物販活動』から献納したお金150～200億円も含むと思われる。

記者は過去、エンドレス献金について何度も信者に尋ねたが、返答は決まって「一般のキリスト教徒と同じで収入の10分の1だけです」というものだった。これが如何に言い訳じみた虚偽の弁解だったかが判る。10分の1献金で日本統一教会が得るのは総収入額の僅か3~5%程度に過ぎない。


“KI”については、金融機関や個人からの借り入れということだが、これも土地・家屋などの資産を教会の借入金の担保として差し出させたり、信者からの借り入れ金を、なし崩し的に献金・献納させるケースが多々あることが指摘されている。

◆韓国の教祖一族に約300億献納、国内外の経費も毎年約170億円

支出をみると、2009年度に230億円、2011年度には約300億円が感謝献金・特別献金として韓国の教祖夫妻一族に献納されていたことが判る。

これは“日本統一教会”の年間総「収入」の約半分に当たる額だが、これを多いとみるか少ないとみるかは統一協会内でも立場によって変わるであろう。
また、教祖の命を受け日本へ派遣されてきた韓国人幹部は、これらお金の流れを管理する役割を担うと言われている。途中で中抜きされないように監視しているというわけだ。

TD推移表では人件費を含めた各種運営費が経費として計上されているが、その年間170億ものお金はどのように使われているのだろうか。

本紙では日本統一協会のある年の月ごとの支出額について、今回の推移表の内容をを裏付ける情報を得た。
その毎月の支出額の内訳の一部を記すと

国内では、世界日報に6千万円、『対策』に1億円、日韓トンネルに約4千万円、浦安修練所の借り入れ返済に2千万円、世一旅行者・世一トラベルに1～2億円、政治家渉外費5百万円、各摂理機関助成金1千万円など、その他多岐に亘る項目がある。

毎月1億円が計上されている『対策』費用、此処では割愛するがこれが何を指し示すかは推して知るべしである。


海外へ送られるお金の内訳は、米ワシントンタイムズに約8億円、韓国世界日報と鮮文大学にそれぞれ1億円強、韓国やブラジルのサッカーチームに約1億5千万円などがあり、他にも不定期に海外宣教支援費やピースカップ、韓国統一教の大会などに億単位のお金が注ぎ込まれている。


そして“礼物”と呼ばれる教祖夫妻へ捧げる献金も、ほぼ毎月数十億円が非公式に持ち込まれ上納されているという。


松濤本部職員、関連機関職員など、その人件費だけでも毎月かなりの額が必要とされる。

各地方の地区教会の牧会者の中には経済活動・霊感商法のあがりや特別献金から中抜きをしている者もいるという。必要分を抜いて上納しないと教会運営や生活がなりたたない状況があるそうだ。

T推移報告書からは「通常のキリスト教」団体のような10分の1献金では、日本統一教会の運営が成り立たないことは自明だ。


TD推移報告書には個人や金融機関への返済金が年間100億超あるが、これには浦安の一心特別修練院購入時に受けた融資の返済金約1億も含まれる。


また他に、法的事由による返金が毎年20～30億円計上されている。
「法的事由による返金」とは民事訴訟等で敗訴・和解した際の賠償金などのことだ。全国霊感商法対策弁連の被害集計額の推移（09’→37,4億、10’→17,7億、11’→12,5億）ともほぼ一致しているが、TD推移報告書のHKの額は被害の実態から見ると少なすぎることが判る。

“日本統一教会”にしてみれば、ごく一部の案件に少々の賠償金を支払っても他に法的問題に発展しないケースが多々あり、その入ってくる果実が莫大なため、全く痛くも痒くもないというところであろう。


◆新たな“信者獲得・信者生産”なしには継続不可能な組織運営形態

この年度別特別献金推移報告書を繙くと、霊感商法や詐欺的勧誘による信者獲得および財産収奪なしには継続不可能な組織の実態が浮かび上がる。

今現在日本統一教会を支える大勢の末端信者・祝福家庭は、度重なるエンドレス献金に疲弊している。納めるお金も底を尽き家計を逼迫、借金を抱え生活も困窮するばかり、その様な状況に耐え兼ね脱会する壮婦信者も増えている。

そこで新たな“カモ”を引き込み、その財産を吐き出させるという必要に迫られているという構図だ。
『篤志家』と呼ばれる資産家を専門に狙うチームがあった他、通常の勧誘時に対象者の貯蓄額を訊き出すこともおこなっていた。
現に教会活動に貢献できない障害者や低所得者を勧誘（伝道）しないように指導していた地区もあったという。
真の“宗教”であれば、そのような社会的弱者にこそ救いの手を差し伸べるべきであろう。
社会貢献活動の宣伝を重ねるなど体裁のみいくら取り繕っても、その裏の顔、実態が暴かれてしまっているためその社会的評価は依然として低いままだ。

◆集金額・教祖への納付額ともに増加、日本人から“収奪”するお金で成り立つ韓国統一教


日本から上納される巨額な資金なしには、韓国統一教及び統一教財団などその他関連する団体が成り立っていかないことは明白であり、現在その「利権継承」を教祖の妻と息子たちが争っている。

“日本統一教会”が支持する教祖の妻と四男・七男の“主流派”だ。その敵対する三男グループの郭錠煥氏（三男の義父・前統一教財団理事長）は、既に全世界の統一協会関連の資産の大方を押さえたとの情報もある。

“主流派”にとって、継続的な資金獲得のためには、日本から献納される年間500億もの巨額な資金は、三男派には決して渡したくない“利権”であろう。

教祖の息子たちの後目争いが激化する中、巨大なパイの奪い合いは熾烈さを極めるばかりだ。

統一教財団理事長だった郭氏を排除し2005年から統一教財団の理事長に就任した教祖の四男國進氏、不採算部門を売却・清算し一時は黒字に転換したものの統一教財団・統一グループは2009年に496億ウォン、20010年には338億ウォンもの赤字を出したことが韓国金融監督院の公示により明らかとなっている。

汝矣島のY22裁判でも巨額の賠償金支払義務が課せられると予想されている統一教財団、幾らお金があっても足りない状況だ。

現に、信者からの献金額・教祖への上納額ともに年々増加している。

TD推移表をよく見てほしい。過去3年間に亘り、‸総入金額から信者献金・借入金・10分の1献金を引いても毎年約30億円の収入が未計上になっている。出金額でも総収入額から教祖への献納金・経費・借入金返済・法的返金を引くと8憶のプラスから2億のマイナスとなっており、収支の計算が一致しない。
この推移表に記載されない資金の流れがあると見て取れる。



末端の祝福家庭の信者は、貧しい生活の中から借金を重ねてまで納めた献金がどのように流用され、最終的に何に使われているのか、注視する必要がある。