幸福実現党、“ネット第一声”で他党に出遅れか

幸福実現党公式サイト

本日7月4日、参議院議員選挙が公示されました。今回からインターネット上での選挙活動が解禁。主要9党は、4日午前0時にニコニコ動画で「ネット第一声」の録画放送を配信しました。ところが主要9政党に含まれない幸福実現党は、公式サイトのほかに多数の関連サイトや動画配信サイト等のアカウントを持っていながら、同時刻の「ネット第一声」が見あたりません。


幸福実現党は、仏陀の生まれ変わりであり地球至高神かつ宇宙の根本仏であると自称する大川隆法総裁が創設した宗教団体「幸福の科学」の政党。2009年の結党直後の衆院選では“候補者数では第1党”となる337人を擁立しましたが全員落選。大川総裁自らも出馬し、仏陀が選挙で落選するという史上初の偉業を達成したことで知られています（神の落選は、唯一神・又吉イエス氏などの例があります）。その後の選挙では、大川総裁は立候補しなくなりました。

2012年の衆院選で幸福実現党の候補者数は62名と、前回のおよそ5分の1に激減。比例区での得票総数も前回衆院選から半減し、当初約1万3000人だった党員数も2011年には1万人を割り込むなど、1議席も獲得できないまま勢力を衰えさせてきました。今回の参院選では、幸福実現党は50人の立候補を予定。自民党（78人）、共産党（63人）、民主党（55人）、に次いで、“候補者数では第4党”となっています（候補者数は公示直前のNHK調べ）。
今回の参院選の大きな特徴は、なんと言っても「ネット選挙活動の解禁」です。公職選挙法が改正されたことにより、これまで事実上禁じられていたインターネット上での選挙活動が可能となりました。そのため幸福実現党を除く主要9党は、公示日の4日午前0時とともに「ニコニコ動画」上で「ネット第一声」の録画放送を配信。さっそく、ネット選挙活動を有効活用する動きが見られました。

ところが幸福実現党については、同じタイミングでの「ネット第一声」が見当たりません。同党は党の公式サイトのほか、「幸福実現TV」（Ustream）、「幸福実現党チャンネル」（ニコニコ動画）といった動画配信サイト内のアカウント、TwitterやFacebookページを開設しており、母体である「幸福の科学」や「ザ・リバティweb」（幸福の科学出版）といった関連各サイトも、政治的メッセージや幸福実現党関係者の活動に関する記事を常時、配信しています。そのいずれにも、4日午前8時の時点で「ネット第一声」は見当たりません。

「幸福実現党チャンネル」（YouTube）にいたっては、かなり深刻で、CM映像を除くと最新の動画が、党の活動や政策の紹介ではなく、「ビートたけしが幸福実現党に挑戦状」というもの。ビートたけし氏の守護霊が大川総裁に乗り移って「安倍政権倒さなきゃいけない！」とかまくし立てているエンタメ動画です。


ただ、毎日朝8時に配信される幸福実現党のメールマガジンだけが、この日は「参院選特別号」として候補者紹介を朝8時に配信しています。

幸福の科学グループ日頃、新聞・テレビなどが幸福実現党のことを報じないことに対して批判や抗議を行なってきています。ネット選挙活動の解禁を盛り込んだ公職選挙法改正案がまとまった今年1月31日、「ザ・リバティweb」が、こう書いていました。

【ザ・リバティweb 2013年01月31日】「ネット選挙解禁」で変わるべきはマスコミの"世論誘導″
（略）
ネット時代になって、もはやマスコミが世論を好き勝手に操縦できる時代は終わった。ネット選挙解禁によって、実は変わるべきはマスコミだということに、マスコミ自身が気づく時が来ている。
（略）

ネット選挙活動の解禁によって、マスコミに頼らない選挙ができるようになる、というわけです。

ところが蓋を開けてみると、せっかくのネット選挙活動の初動でも、幸福実現党は他党に出遅れてしまいました。このままでは、今回も「マスコミが党名を報じてくれない」現状を乗りきれません。

21日の投票日まで、幸福実現党が主要9党とのデジタルデバイドを克服できるか、注目です。

ちなみに、党首・やない筆勝氏のネット第一声は、4日午前10時半から「幸福実現TV」（Ustream）で配信予定です。