2016年8月8日月曜日

“幸福実現党本部は宗教施設” 幸福の科学機関誌が世迷い言

The Liberty Web』より
先の参院選で幸福実現党・トクマ(東京選挙区)の応援演説に立ったテレンス・リー容疑者(すでに逮捕)に謝礼が支払われた公職選挙法違反容疑に関連して、8月2日、警視庁が幸福実現党本部を家宅捜索。これについて幸福の科学機関誌『ザ・リバティ』がウェブサイト上に「幸福実現党への家宅捜索 宗教の聖域に世俗権力がみだりに立ち入ってはならない」と題する記事を掲載。「幸福実現党本部は宗教施設」であり、「霊界との交流の場」「異次元に通じる結界」だから俗界の権力が入り込むことは許されないなどと、わけのわからないことを口走っています。



この公職選挙法違反事件では、テレンス・リー容疑者に謝礼を支払った側としてすでに幸福の科学信者1名も逮捕されています。本紙既報の通り、テレンス・リー容疑者は逮捕容疑となった6月下旬の池袋でのトクマへの応援演説のほかにも、参院選中に幸福実現党幹部を含む計4人の候補者に対してのべ8回もの応援演説を行っており、党の組織的関与が疑われて当然の状況。

そんな中、『ザ・リバティ』は8月5日、ウェブサイト上に掲載した記事で、警察による家宅捜索を非難しています。
【The Liberty Web 2016年08月05日】幸福実現党への家宅捜索 宗教の聖域に世俗権力がみだりに立ち入ってはならない
(略)
幸福実現党本部は、れっきとした「宗教施設」

発端は、7月の参院選において、同党の候補者の応援演説をした男性タレントに対し、会社役員らが現金を渡し、公職選挙法(以下、公選法)違反の疑いで逮捕されたこと。この出来事と関係があると見て、8月2日、捜査員が、党本部に家宅捜索に入った。

しかし、同党は、「祭政一致」を掲げる宗教政党である。「政治団体」だが、精神的なものに重い価値を置き、党本部には、日常的に信者が集まって修行や瞑想を行い、祈りを捧げている。神仏から霊的な導きを受ける「霊界との交流の場」だ。

俗世間の波動が入らないようにする神社やお寺の境内と同じように、異次元に通じる一つの結界であり、この世の人々の穢れを落とす場でもある。神域や霊域と呼ばれるもの、つまり、幸福実現党本部は、信仰空間であり、神仏や天使や菩薩が存在する天上界と交流する、れっきとした「宗教施設」なのだ。

また、党幹部や職員の多くが聖職者であり、神仏の御心を探究しながら、人々を幸福にする政治を行おうと、日夜活動している。そうした場所に、一般の企業や家庭などと何の区別もなく、みだりに警察権などの俗界の権力が入り込んで、霊的な結界を破り、宗教の聖域を侵すことは許されない。
(略)
幸福実現党本部は、れっきとした「宗教施設」だから選挙違反の疑いがあっても警察が捜索することは許されない。何ともすごい理屈です。

 我が国の憲法は、神仏や霊人に選挙権を認めていません。霊界に議会を設置してもいませんし、霊界選挙も実施していません。幸福実現党自身、世俗の選挙に立候補者を立て、世俗についての政策を掲げて世俗の有権者に投票を呼びかけ、世俗の国会に議席を得ることを目指して活動しています。政党が宗教団体を名乗るのは意味不明ですが自由です。しかし世俗の選挙に出ている以上、世俗の法律に従うのは当然の義務です。

 世俗の法に従うのが嫌なら、世俗の選挙なんかに出ず、霊界選挙に立候補者を立てて霊人相手に選挙運動をやればいいのではないでしょうか。霊人相手なら、いくら買収しようが警察は動きません。

 仮に『ザ・リバティ』のような論理で法律が運用されたら、宗教団体が宗教施設内で犯罪を犯しても警察は一切取り締まれないことになります。宗教施設内を無法地帯にせよという、ムチャクチャな主張。当然、日本国憲法は信教の自由は認めているものの、そんな宗教特権は認めていません。

 『ザ・リバティ』の記事は、これ以降も、いろいろお粗末です。
【The Liberty Web 2016年08月05日】幸福実現党への家宅捜索 宗教の聖域に世俗権力がみだりに立ち入ってはならない
(略)
例えば、憲法20条「信教の自由」では、世俗権力から宗教の神聖さを守る理念が体現されている。
(略)
日本国憲法第20条は、こう定めています。
【日本国憲法】
第二十条  信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
2  何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
3  国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。
宗教の神聖さを守るなんて、どこにも書いてありません。「自由を保障する」と書いてあるだけです。そして、むしろ国から特権を受けてはならないと定めています。法を犯した疑いがある宗教団体に家宅捜索を免れる特権を得ることは、憲法が明確に禁じています。

『ザ・リバティ』の記事のおかしな部分は、まだあります。
【The Liberty Web 2016年08月05日】幸福実現党への家宅捜索 宗教の聖域に世俗権力がみだりに立ち入ってはならない
(略)
近年では、2012年に神奈川県警の警察官が、カトリック教会の施設に立ち入り、外国籍の信徒を逮捕するという出来事が起きた。このとき、カトリック横浜教区は、信教の自由・宗教活動の侵害であると強く抗議。結果的に、同県警が横浜教区に謝罪することになり、警察庁は、全国に「信教の自由の尊重」を通達した。
(略)
この事件については、カトリック貝塚教会のウェブサイトが『カトリック新聞』記事の抜粋によって経緯を説明しています。

これによると、この事件で教会に立ち入った警官は捜査令状や逮捕令状も持っておらず、無断で教会に立ち入って信徒に職務質問をした結果、緊急逮捕に至ったとのこと。そもそも世俗の法律にすら違反した捜査と逮捕でした。しかも警察が狙ったのは教会に出入りする信徒であり、宗教団体に犯罪の嫌疑がかけられたものではありません。

この件で警視庁は全国の警察に「信教の自由を始めとする基本的人権の尊重」するとする通知を出しました。しかしこれは、当然ですが「宗教団体が犯罪に関与した疑いがあっても、信教の自由を尊重するため、宗教団体施設への家宅捜索をしてはならない」という内容の通達ではありません。

今回の幸福実現党のケースに援用できる要素が何ひとつなく、幸福実現党本部への家宅捜索を不当だとする主張の根拠に全くならない事例です。

幸福実現党本部への家宅捜索は、宗教団体「幸福実現党」が犯罪に関与した疑いがあるために行われたもの。それが令状のない違法捜査だったなどという話は、一般報道はもちろん、『ザ・リバティ』にも大川総裁著『幸福実現党本部 家宅捜索の真相を探る』にも出てきません。

『ザ・リバティ』の記事は、この後に、公職選挙法の運用の曖昧さを指摘しています。
【The Liberty Web 2016年08月05日】幸福実現党への家宅捜索 宗教の聖域に世俗権力がみだりに立ち入ってはならない
(略)
今回の事案は、公選法に違反した疑いがかけられているが、そもそも公選法は、非常に分かりづらい規定のオンパレードだ。

たとえば、139条では「何人も、選挙運動に関し、いかなる名義をもつてするを問わず、飲食物(湯茶及びこれに伴い通常用いられる程度の菓子を除く。)を提供することができない」とある。この「湯茶及びこれに伴い通常用いられる程度の菓子」は何を指すのかは明らかではない。

現在のところ、来客にお茶を出すのはセーフだが、ジュースやコーヒーはアウト。お茶も湯呑みで出せばセーフだが、缶で出せばアウトというような解釈が一般的だが、高級茶はどうなのかと言われれば答えに困りそうだ。一見してセーフかアウトか分かりにくく、グレーゾーンの範囲が大きい。

つまり、それを決めるのは警察ということだ。そうなれば、一般的な市民感情に照らして罰するほどでもない軽微な事案であっても、警察のさじ加減でいかようにも適用できてしまう。
(略)
報道によると、逮捕されたテレンス・リー容疑者は「買収」であったことは否認しているものの、カネを受け取ったこと自体は認めていると報じられています。同じく逮捕され「陣営関係者」と報じられた幸福の科学信者の一木昭克容疑者については、容疑を認めているとのこと(7月26日付け朝日新聞記事)。

選挙をめぐって金銭の授受があったことは明らかであり、報酬としてカネが支払われたのであれば公職選挙法が定める買収にあたります。産経新聞は、テレンス・リー容疑者が受け取ったカネは合計数十万円以上にのぼる疑いがあると報じています。軽微な事案でもわかりにくい事案でもありません。公選法の曖昧さという問題も、今回の幸福実現党のケースでは全く関係がありません。

『ザ・リバティ』の記事は徹頭徹尾、幸福の科学が自らを正当化する理屈を持ち合わせていないことを、むしろ浮き彫りにしてしまっていると言えそうです。

本紙・藤倉善郎総裁のコメントです。

「幸福の科学は、マスコミや批判者に対しては裁判を起こし、取材を妨害するためには取材者を痴漢扱いして警察に虚偽通報する。こうやって自分たちは都合よく世俗の法と権力を利用してるくせに、家宅捜索を受けると自分たちには世俗の法と権力は手を出すなと主張する。世俗の法をナメるにもほどがある。だいたい、我が国の世俗の法は我が国にいる全ての人間を統べる法だ。それに比べてエル・カンターレの言うことなんか、たかが数万人の信者にしか通用しないじゃん。世俗の法の方が偉いだろ」

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7 コメント:

匿名 さんのコメント...

テスト書き込みです

匿名 さんのコメント...

> 同党は「祭政一致」を掲げる宗教政党である。
「政治団体」だが、精神的なものに重い価値を置き・・・

そうすっと、政治献金はお布施なんだから、どこからどれだけ
もらおうが、何にどう遣おうが、好き放題ですね。
釈オバンだのトクマだのハグねえちゃんの吐くタワ言は、
「精神的なもの」溢れる福音だったのか。 ハッ ハッ ハッ・・


ひょっとしてKKさん、宗教結社⇒政治結社⇒テロ結社⇒国家もどきゴッコ
の、ISの二番煎じでも目指してるんかね?
ヘタレのあんたらには到底無理だわ。
どーでもいいけどね。

匿名 さんのコメント...

幸福の科学支部の駐車場に「幸福実現党」と大きく書かれた街宣車が駐車されているのですが
これっていいんでしょうかね。

調べてみると、そのHS支部とHRP県本部は、住所が違っていました。間借りしているわけでもない。

創価会館に、堂々と「公明党」と書かれた街宣車を駐車させますか?
これって、つついたら問題になりませんかね。

匿名 さんのコメント...

ザ・リバティのウェブ記事も読みましたが、党自身の潔白を主張するわけでもなく、今回の買収事件とは全く関係のない話ばかりで、自分達を正当化することに汲々としてますね。ここまで堕ちているとは…。

世間からの不支持や批判を権力やマスコミのせいにすることで、自分達が間違ってない救世団体であると自身で錯覚し安心する。40代以上の会員もいるだろうに、自分達の発言がかつてのオウム真理教と同じであることに気付かないくらい、思考停止になっているんでしょう。現代の四正道なぞ、ちゃんちゃらおかしいわ!

匿名 さんのコメント...

教団関連施設といえば
昔、オウムの教祖が自分の体液のDNAが尊いといって
信者に売りつけたり、幸福教祖の贅沢な腕時計が宝物だ、と
ありがたがったり、法の華教祖の手形や足形、
偽物の仏舎利もどきを売りつけたり、、、
神仏天の名を出せば何でも尊い事にしてしまう。

神仏天を利用してビジネスするスタイルは
どこも同じ。

昔、法の華の富士天声村に福永教祖の銅像がありましたが
今の幸福教団の施設は銅像だらけ。

「そこでイエスは答えて言われた、
「人に惑わされないように気をつけなさい。
多くの者がわたしの名を名のって現れ、
自分がキリストだといって、多くの人を惑わすであろう」。  
マタイによる福音書第24章4-5節

「あなたには、わたしのほかに、ほかの神々があってはならない。あなたは、自分のために、偶像を造ってはならない。上の天にあるものでも、下の地にあるものでも、地の下の水の中にあるものでも、どんな形をも造ってはならない。それらを拝んではならない。それらに仕えてはならない。・・・・・」
(出エジプト記20:3~5)。

匿名 さんのコメント...

幸福がオウム的思考になってきた

匿名 さんのコメント...

>たかが数万人の信者にしか通用しないじゃん。
これは間違っているでしょう。数万人もいないでしょう。数千人ではないでしょうかね?

ともかくこれでご都合主義体質が良く分かりますね。
自分の都合で世俗の法を利用するだけ。恫喝訴訟がその最たる例です。
そこに信念も真実も何もありません。
利用できるものは利用する。それの何が悪いのか!というのが彼らの考え方ですね。
単なる我儘集団であり、強烈な自己保存集団にしか過ぎませんね。
さらに大川独裁体制の反作用が出たようで、これで大川の犯した諸々の罪が全て大川に戻るということでしょう。
それが真理でしょう。大川は世俗を超えた宇宙の真理にも歯向かっていたのですから。
小心者が大物ぶるから、こうなるでしょう。
大川はエリマキトカゲのような存在ですから。
警察は、どんどんやってください。叩けばあれこれボロが沢山出てきますから。