皆さん神仏分離という言葉を、中学生くらいのときに学んだ記憶はないでしょうか?
元々、日本では神道と仏教が融合して、一つの宗教のごとく渾然として扱われていました。この状態を神仏習合などと言うのですが、これを廃したのが明治時代の神仏分離令です。
明治政府は、江戸時代からの社会の仕組みを破壊し天皇制を利用した政府を確固たるものとしようとして、神道の国教化政策を考えつきました。そして仏像の破棄・破壊を決定したのです。
最終的にこの神仏分離は民衆には根付かず失敗してしまいます。しかしこのときの仏教と神道の主導権争いとも呼べる対立が原因で、宗教家の中では仏教と神道の分離を確固たるものとなりました。現代では神社とお寺というのは明確に施設としては分かれています。
つまり、民衆には神仏分離は根付かず、一方で宗教家にはしっかりと影響したわけですね。神社と寺は施設としては明確に別モノなのに、一般市民の方は神道と仏教の区別がつかない人が少なくないのは、そうした背景があるためです。現在では寺と神社が合体した宗教施設というのは全国を探しても見つけるのが困難です。
ところが――。
連日、この日刊カルト新聞でもお伝えしているのでお気づきの方も多いと思いますが、現代にこの神仏習合を再現した神社?が現れたのです。
全体的にコンクリート材とペンキと電飾で出来ているこの箱根大天狗神社ですが、鳥居の奥に控える大仏様も表面は青白く光っており、質の良いペンキが使われていることが想像できます。
ちなみに手前の鳥居も、少なくとも木製ではなさそうでした。近年の鳥居は鉄筋コンクリート製であることも珍しくないため、鉄筋コンクリートに赤ペンキで作られているものと思われます。まぁジュラルミンで出来た鳥居を備えた神社もあることを思えば、どうということもないかもしれませんけど。
あと、お稲荷様もコンクリート製に見えました。こちらはペンキで塗装されていないので、酸性雨で痛まないか若干心配です。
ただ、正門だけは木製でした。右奥に見える重機が、我々に何かを物語っている気がしないでもありません。ちなみにここには載せきれませんでしたが、ラッパを吹いている天使はコンクリート製。
今後はこのような、近代建築技術を駆使し、神仏とついでに天使とかまでも一緒に祀る神社が、近代的神社として注目を集めるかもしれません。時代を切り開く箱根大天狗神社の今後に期待したいと思います。
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