2009年8月13日木曜日

北海道大学学祭が、「政治・宗教」禁止規約撤廃

 北海道大学では今年、大学祭において政治・宗教活動を全面禁止する規約を新設していましたが、来年の大学祭ではこの規約を撤廃することが決まったそうです。

【Doshin Web(北海道新聞) 2009年08月05日】北大祭「政治・宗教」の規制撤廃
 6月の北大祭で、学生でつくる主催団体の全学実行委が政治と宗教の活動を禁止し、学内から反発の出ていた問題で、来年の開催準備のため新たに発足した全学実行委は、この自主規制を撤廃した。

 新実行委は、撤廃に代えて政治、宗教に限らず「違法・強引な勧誘」「思想の自由を妨げる強要行為」を禁止する内容の規則改正を行った。坂谷駿委員長は「カルト宗教を規制しようと行き過ぎてしまった結果だった。言論の自由と、祭りの安全を守っていきたい」と話している。
 実行委は年2回交代する。前実行委は、カルト系宗教団体の強引な勧誘を受けた来場者から過去に大学側へ苦情が寄せられていたため、4月に自主規制を規則化した。前実行委によると、開催期間中、違反行為はなかったが、農学部自治会などから規制反対の声が上がり、署名活動も起きた。
 このため、新しい実行委が7月下旬の第1回会合で、撤廃を決めた。デモや街頭宣伝が強要行為に当たるかについては今後検討する。

 北大農学部自治会は、「カルト対策を理由に、政治・宗教活動そのものを制限するのはおかしい」等の理由で、抗議活動を行ってきました。

 この主張は、正論だと思います。

 北海道新聞の報道などによると、大学側は、北大祭実行委員に大学が働きかけた結果ではないとしており、藤倉が前北大祭実行委員に問い合わせたところ、同様の答えでした。もし学生自らが「政治・宗教活動の禁止」を決めたのであれば、大学による過度な管理ではなく、学生自身がほかの学生の自由を奪ったことになります。

 管理する側に回れば学生ですらもはや「自由」「自治」といった意識を持っていないということです。であれば、管理する側の責任として、学生といえども「カルト問題」と「政治・宗教活動の問題」について、きちんとした知識・見識を持つべきです。それがなければ、言論の自由を守りながらカルト対策を行うということはできません。「カルトにも言論の自由があるから野放しでいい」などという、逆の方向で極端な対応姿勢になったりしないよう、しっかり勉強して欲しいと思います。

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